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最終章
ルシア王太子妃に
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婚儀当日、早朝からルシアは準備に取り掛かった。と言っても本人はされるがままの状態ではあった。
セリカ達が化粧を施し、衣装を着つけていくのをルイーズが見守る。公爵は男だからとルイーズに追い出された。
ルシアも男だから問題ないともいえるが、公爵に見られるのは気恥ずかしい。でも自分からは、言えないからルイーズに感謝する。
「完成ね! ルシア素晴らしいわ! ほんとに綺麗!」
ルイーズの歓声通り、花嫁衣装を身に着けたルシアは神々しいまでに美しかった。その肌は真珠色に輝き、全身が光輝くようだ。セリカは感動のあまり、涙ぐんでいる。
「あなた、いらしてください! 支度がすみましたわ」
ルイーズの声掛けに、待っていたのだろう公爵が駆け込んでくる。
「おおーっ! ルシアなんと美しいのか! 素晴らしい!」
公爵も感嘆の声をあげ、暫しルシアに見とれた。そしてルイーズの手を取り頷きあった。二人の思いは、等しく深い満足感だった。
その後ルシアは、応接間で老公爵夫妻にも挨拶する。二人もルシアの高貴な気品に圧倒され、仮にも親として参列できる幸せに感謝する。老公爵は、「冥途の土産が出来た」と何度も口にした。
「お父様、お母様、そしてお兄様、お姉様本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいでございます。」
ルシアは四人に向き合い、しっかりと挨拶する。今日はもう涙を流さない。しかし、しんみりとしみじみとした空気で包まれる。
四人を代表するように、公爵が口を開く。
「ルシア、私たちの方が感謝で一杯だ。そなたは我がアルマ公爵家の誇りだ。ここはそなたの実家だ、決して忘れないで欲しい」
ルシアは、深く頷いた。何か言わなければと思うが、言えば涙が溢れそうで言えなかった。それは、四人にも十分に伝わった。
ルシアは、王宮差し回しの馬車に乗り神殿に向かった。ルイーズと公爵が同乗し、老公爵夫妻は公爵家の馬車で後に付く。
神殿に着き、馬車を降り立つと周りは人で溢れ、ルシアの姿を見ると、大きな歓声が上がる。皆、新しく妃になる人を一目見たいと早朝から集まってきていたのだ。
ルシアの美しさに興奮する群衆たちを、近衛兵が必死に制している。どうか怪我人が出ませんようにと、ルシアは心の中で祈る。
神殿に入り、控えの間に入る。ここで、儀式まで待機することになる。ルシアは、心臓が徐々に昂ってくるのを感じる。落ち着くのだと自身に、心の中で言い聞かせる。そんなルシアの背を、ルイーズが優しく撫でる。
「ルシア大丈夫よ。あなたほど王太子妃に相応しい人はいない。自信を持つのよ。じゃあこれで、神殿で見守っているから」
そう言ってルイーズは、控えの間から出ていった。ルイーズと老公爵夫妻は親族席で見守ることになる。
参列する人々が見守る中、アルマ公爵のリードで、中央の神前で最高神官と共に立つアレクシーの許へ行くことになる。つまり、実家の当主が、花婿へ花嫁を引き渡すことになるのだ。
神官が時間になったことを告げる。
「ルシア行くよ」
公爵が決心したように言う。公爵の胸中は感無量だった。アレクシーに引き渡したら、ルシアは妃になる。寂しさが過るのは拭えなかった。
ルシアは、公爵に手を取られ神殿に入っていく。参列する人々に静かにだが感嘆が広がる。参列を許されたのは、王族などのごく僅かな人で、皆ルシアとは面識がある。その人たちでも、今日のルシアは特別美しいと思った。神の前に相応しい、神々しい美しさだった。
アレクシーも、自分に近づいてくるルシアの美しさに見惚れる。最高の花嫁! 早くルシアの手をとりたいと心が逸る。
公爵に手を取られたルシアが、アレクシーの前まで来た。そこで公爵は一呼吸おいて、ルシアの手をアレクシーに渡す。そしてルシアとアレクシーの背に手を触れた後、親族席に下がった。
ルシアの手を取ったアレクシーは、ルシアを促すように二人で神前に向き合った。そして始まった最高神官の祈りに頭を下げて聞き入る。
祈りが終わると、最高神官の先導で、誓いを結び合う。これで、二人は神の承認のもと夫婦、否夫夫になった。この国の歴史が始まって以来の男の妃の誕生だった。
正式に妃になったルシアに、王太子妃の証である指輪と、冠が授けられた。王太子妃の冠は、ルシアの美しさを更に引き立て人々に感嘆の声を上げさせた。寡黙を常とする最高神官までが、声を上げたくらいだ。
国王王妃が二人に近づく。エドワード王子も付いてきた。今日からこの五人が王の家族なる。新しく家族の一員になったルシアを四人が囲むその様は、穏やかで愛に溢れている。離れて見守るアルマ公爵とルイーズの胸には熱い物が過る。どちらからともなく手をつなぎ合った二人は、お互いが同じ気持ちでいることを知っていた。夫婦の絆もより強まったと感じていた。
セリカ達が化粧を施し、衣装を着つけていくのをルイーズが見守る。公爵は男だからとルイーズに追い出された。
ルシアも男だから問題ないともいえるが、公爵に見られるのは気恥ずかしい。でも自分からは、言えないからルイーズに感謝する。
「完成ね! ルシア素晴らしいわ! ほんとに綺麗!」
ルイーズの歓声通り、花嫁衣装を身に着けたルシアは神々しいまでに美しかった。その肌は真珠色に輝き、全身が光輝くようだ。セリカは感動のあまり、涙ぐんでいる。
「あなた、いらしてください! 支度がすみましたわ」
ルイーズの声掛けに、待っていたのだろう公爵が駆け込んでくる。
「おおーっ! ルシアなんと美しいのか! 素晴らしい!」
公爵も感嘆の声をあげ、暫しルシアに見とれた。そしてルイーズの手を取り頷きあった。二人の思いは、等しく深い満足感だった。
その後ルシアは、応接間で老公爵夫妻にも挨拶する。二人もルシアの高貴な気品に圧倒され、仮にも親として参列できる幸せに感謝する。老公爵は、「冥途の土産が出来た」と何度も口にした。
「お父様、お母様、そしてお兄様、お姉様本当にありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいでございます。」
ルシアは四人に向き合い、しっかりと挨拶する。今日はもう涙を流さない。しかし、しんみりとしみじみとした空気で包まれる。
四人を代表するように、公爵が口を開く。
「ルシア、私たちの方が感謝で一杯だ。そなたは我がアルマ公爵家の誇りだ。ここはそなたの実家だ、決して忘れないで欲しい」
ルシアは、深く頷いた。何か言わなければと思うが、言えば涙が溢れそうで言えなかった。それは、四人にも十分に伝わった。
ルシアは、王宮差し回しの馬車に乗り神殿に向かった。ルイーズと公爵が同乗し、老公爵夫妻は公爵家の馬車で後に付く。
神殿に着き、馬車を降り立つと周りは人で溢れ、ルシアの姿を見ると、大きな歓声が上がる。皆、新しく妃になる人を一目見たいと早朝から集まってきていたのだ。
ルシアの美しさに興奮する群衆たちを、近衛兵が必死に制している。どうか怪我人が出ませんようにと、ルシアは心の中で祈る。
神殿に入り、控えの間に入る。ここで、儀式まで待機することになる。ルシアは、心臓が徐々に昂ってくるのを感じる。落ち着くのだと自身に、心の中で言い聞かせる。そんなルシアの背を、ルイーズが優しく撫でる。
「ルシア大丈夫よ。あなたほど王太子妃に相応しい人はいない。自信を持つのよ。じゃあこれで、神殿で見守っているから」
そう言ってルイーズは、控えの間から出ていった。ルイーズと老公爵夫妻は親族席で見守ることになる。
参列する人々が見守る中、アルマ公爵のリードで、中央の神前で最高神官と共に立つアレクシーの許へ行くことになる。つまり、実家の当主が、花婿へ花嫁を引き渡すことになるのだ。
神官が時間になったことを告げる。
「ルシア行くよ」
公爵が決心したように言う。公爵の胸中は感無量だった。アレクシーに引き渡したら、ルシアは妃になる。寂しさが過るのは拭えなかった。
ルシアは、公爵に手を取られ神殿に入っていく。参列する人々に静かにだが感嘆が広がる。参列を許されたのは、王族などのごく僅かな人で、皆ルシアとは面識がある。その人たちでも、今日のルシアは特別美しいと思った。神の前に相応しい、神々しい美しさだった。
アレクシーも、自分に近づいてくるルシアの美しさに見惚れる。最高の花嫁! 早くルシアの手をとりたいと心が逸る。
公爵に手を取られたルシアが、アレクシーの前まで来た。そこで公爵は一呼吸おいて、ルシアの手をアレクシーに渡す。そしてルシアとアレクシーの背に手を触れた後、親族席に下がった。
ルシアの手を取ったアレクシーは、ルシアを促すように二人で神前に向き合った。そして始まった最高神官の祈りに頭を下げて聞き入る。
祈りが終わると、最高神官の先導で、誓いを結び合う。これで、二人は神の承認のもと夫婦、否夫夫になった。この国の歴史が始まって以来の男の妃の誕生だった。
正式に妃になったルシアに、王太子妃の証である指輪と、冠が授けられた。王太子妃の冠は、ルシアの美しさを更に引き立て人々に感嘆の声を上げさせた。寡黙を常とする最高神官までが、声を上げたくらいだ。
国王王妃が二人に近づく。エドワード王子も付いてきた。今日からこの五人が王の家族なる。新しく家族の一員になったルシアを四人が囲むその様は、穏やかで愛に溢れている。離れて見守るアルマ公爵とルイーズの胸には熱い物が過る。どちらからともなく手をつなぎ合った二人は、お互いが同じ気持ちでいることを知っていた。夫婦の絆もより強まったと感じていた。
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