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三章 雫ポイズン
王様
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しかし顔立ちはまったく似ていない。
青についた肉が取れれば少しは変わるだろうか。
いや、きっと変わらないんだろうな。
どうして怖れていたんだっけ。
昔の僕には大きく見えていたからだ。
あの頃ゆいいつ残っていた記憶と相まって。
実際は年老いた小太りの偉そうな男がいただけだ。
それ以外、変わったことなど一つもなかった。
息を吐き、息を止める。
そうしなければ、笑ってしまいそうだった。
だってそうだ。
十年。
十年も僕を閉じ込めていた存在が。
颯太や美空という強大なものを生み出した存在が、こんなちっぽけだったなんて。
小さくて、少し攻撃すれば、弾けて消えてしまいそうなものだったなんて。
所詮権力を傘に威張る豚じゃないか。
理久がこちらを見る。
目が笑っていた。
「さて、これからお前は別の場所にて暮らす事となるのだが…、言い残す事はないか?」
そんなもの、無い。
まるで遺言みたいだなと思ったけれど。
この国には二度と帰らない気がするから、間違いでもないのかもしれない。
「本授業が始まるのは四月からとなるから、しばらく分校に留まる事になる。そこには数多くの種族が集まるところだ。お前なんて一瞬で食われるだろうよ」
多くの種族、か。
なら、友達できるかな。
食われたって再生するから意味がない事は知っているくせに。
「問題ないから。それよりその長い話はいつまで続くの?僕もう限界」
もう限界が来たようで、理久が抗議の声を上げる。
今まで、理久の事なんて眼中になかった王が、理久に、視線を向けた。
「ふむ…、似てるな。そうだ、ここを立ち去るお前らへ最後の提案だ。心して聞くが良い。奴隷になる気はないか?」
僕達は顔を見合わせた。
そして目の前の男の顔を見た。
多分、正気だ。
信じたくないけれど、それだけは確かだ。
正気で発言してはいけない事を、こいつは発言している。
まだ何か言っているけど、よく聞こえない。
どうしようかと互いに見合わせたら、ちょうど美空が帰って来た。
美空と目が合う。
僕はそっと、男を指差した。
美空の目がどんどん暗くなっていく。
殺気を感じた理久が、それに便乗しようと魔法を練り始めた。
どんどん状況ばかりが悪化していくが、その中心にいる王は、流石王と言うべきか、愚王と言うべきか。
まったく気づかずに熱弁を繰り広げる。
美空が手で銃を作る。
「ばん」
その瞬間、光線が一直線に伸び、王の頬をかすめ、王座を破壊した。
仕上げに理久がえいやっと言って、服を破った。
青についた肉が取れれば少しは変わるだろうか。
いや、きっと変わらないんだろうな。
どうして怖れていたんだっけ。
昔の僕には大きく見えていたからだ。
あの頃ゆいいつ残っていた記憶と相まって。
実際は年老いた小太りの偉そうな男がいただけだ。
それ以外、変わったことなど一つもなかった。
息を吐き、息を止める。
そうしなければ、笑ってしまいそうだった。
だってそうだ。
十年。
十年も僕を閉じ込めていた存在が。
颯太や美空という強大なものを生み出した存在が、こんなちっぽけだったなんて。
小さくて、少し攻撃すれば、弾けて消えてしまいそうなものだったなんて。
所詮権力を傘に威張る豚じゃないか。
理久がこちらを見る。
目が笑っていた。
「さて、これからお前は別の場所にて暮らす事となるのだが…、言い残す事はないか?」
そんなもの、無い。
まるで遺言みたいだなと思ったけれど。
この国には二度と帰らない気がするから、間違いでもないのかもしれない。
「本授業が始まるのは四月からとなるから、しばらく分校に留まる事になる。そこには数多くの種族が集まるところだ。お前なんて一瞬で食われるだろうよ」
多くの種族、か。
なら、友達できるかな。
食われたって再生するから意味がない事は知っているくせに。
「問題ないから。それよりその長い話はいつまで続くの?僕もう限界」
もう限界が来たようで、理久が抗議の声を上げる。
今まで、理久の事なんて眼中になかった王が、理久に、視線を向けた。
「ふむ…、似てるな。そうだ、ここを立ち去るお前らへ最後の提案だ。心して聞くが良い。奴隷になる気はないか?」
僕達は顔を見合わせた。
そして目の前の男の顔を見た。
多分、正気だ。
信じたくないけれど、それだけは確かだ。
正気で発言してはいけない事を、こいつは発言している。
まだ何か言っているけど、よく聞こえない。
どうしようかと互いに見合わせたら、ちょうど美空が帰って来た。
美空と目が合う。
僕はそっと、男を指差した。
美空の目がどんどん暗くなっていく。
殺気を感じた理久が、それに便乗しようと魔法を練り始めた。
どんどん状況ばかりが悪化していくが、その中心にいる王は、流石王と言うべきか、愚王と言うべきか。
まったく気づかずに熱弁を繰り広げる。
美空が手で銃を作る。
「ばん」
その瞬間、光線が一直線に伸び、王の頬をかすめ、王座を破壊した。
仕上げに理久がえいやっと言って、服を破った。
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