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三章 雫ポイズン
雫の夢論
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夢は、死ぬまで努力し切ってから手放すべきだ。
もうこれ以上頑張れない。
全力を出した。
これ以上やったら死んでしまう。
そこまで考えたらやっと終わりが近づく。
けど、大抵はそうなる前に叶っている物なのだ。
世の中という物はそういうものだけど。
(良いじゃないか。普通を叫ぶことのできる人間に生まれただけ。僕からしたらそれすらがうらやましい)
思った通りの事を口にしたら、凪から礼を言われた。
なぜだろうと考えて、一緒の事を思っていたのかもしれないと、勝手にまた喜んで、そんな自分を少し好きになった。
今までこんな気持ちになった事すら無かったものだから。
なんだか、普通に、化物から別の存在に変われる気がして。
「なぁ、人魚の国って知っているか?」
クラスメイトのうわさ話に足を止める。
凪は不思議そうな目をこちらに向ける。
心臓が勝手に音を立てる。
「あぁ、知ってる。最近有名になったんだよな。世界有数の金排出国だって」
金。
僕が生み出した財源。
僕の生まれ持った体質と、魔法を組み合わせて作り上げた価値のある金属。
「今、国が凄い大金持ちだからさ、他国との政略結婚も視野に入れてて、メイサイ王国に申し込んだらしいんだよ」
人間の国の中でも最大規模の国。
あそこの国の王族は美人が好きらしい。
人魚は美形が多いからいけると思ったのだろうか。
「けど無理だったみたいで、断られたって話だろ?王子が好きな人いるから無理って。その報復に戦争を仕掛けるって話だよな」
それを聞いて、凪も完全に動きを止めた。
戦争。
それは両国を傷つけるだけでなく、負けた方はかなりの痛手を負う物。
凪はメイサイ王国出身だったみたいで、あせり始めていた。
かくいう僕も内心焦っていた。
クズ共とはいえ、一応身内だ。
心配くらいはする。
そんな戦争危険だ。
メイサイ王国には、鎖の勇者と歌姫がいるらしく、どうやっても勝ち目は無い。
僕が入ってようやくドローになるかならないかの戦力差なのだから。
「ふふふ…。ね、雫、困ったでしょ?今すぐ海へ帰って来なさい!」
突然そんな声がしてふり返ると、緑色のウェーブがかかった髪に青の瞳を持つ少女と、フードを深くまでかぶった人物がいた。
目が覚めたら、海の中だった。
まるでどっかの物語みたいな始まり方だなぁ…って、違うだろ。僕は今日から夢のような生活が待っているんだ。
大好きな子と二人っきりで過ごす夢のような生活が。
学校とかいう所に通うのも、成績とかもハッキリ言ってどうでも良い。
そんな物よりも、二人きりで、傍にいれるというのが一番なのだ。
僕が最強なのは初めから決まっているから。
だから何でも良い。
そんな生活が待っていたはずなのに。
目が覚めたら、海の中。
隣にいたはずの凪がいない。
さてこれはどういう事なのか。
まったく分からない。
とりあえずストーカー用につけた小型追跡魔法で状況を探らなければ…
「まてまて誰この人!!誰なのこいつ!!ベタベタくっつきやがって!!」
まったく知らない奴が相棒面していた。
どういうこと!?
浮気なの!?
いや、まだ付き合ってない。
プロポに近いセリフは言ってもらえたけど。
「とにかく早くあっちに向かわなきゃ…。てかここどこだよ」
もうこれ以上頑張れない。
全力を出した。
これ以上やったら死んでしまう。
そこまで考えたらやっと終わりが近づく。
けど、大抵はそうなる前に叶っている物なのだ。
世の中という物はそういうものだけど。
(良いじゃないか。普通を叫ぶことのできる人間に生まれただけ。僕からしたらそれすらがうらやましい)
思った通りの事を口にしたら、凪から礼を言われた。
なぜだろうと考えて、一緒の事を思っていたのかもしれないと、勝手にまた喜んで、そんな自分を少し好きになった。
今までこんな気持ちになった事すら無かったものだから。
なんだか、普通に、化物から別の存在に変われる気がして。
「なぁ、人魚の国って知っているか?」
クラスメイトのうわさ話に足を止める。
凪は不思議そうな目をこちらに向ける。
心臓が勝手に音を立てる。
「あぁ、知ってる。最近有名になったんだよな。世界有数の金排出国だって」
金。
僕が生み出した財源。
僕の生まれ持った体質と、魔法を組み合わせて作り上げた価値のある金属。
「今、国が凄い大金持ちだからさ、他国との政略結婚も視野に入れてて、メイサイ王国に申し込んだらしいんだよ」
人間の国の中でも最大規模の国。
あそこの国の王族は美人が好きらしい。
人魚は美形が多いからいけると思ったのだろうか。
「けど無理だったみたいで、断られたって話だろ?王子が好きな人いるから無理って。その報復に戦争を仕掛けるって話だよな」
それを聞いて、凪も完全に動きを止めた。
戦争。
それは両国を傷つけるだけでなく、負けた方はかなりの痛手を負う物。
凪はメイサイ王国出身だったみたいで、あせり始めていた。
かくいう僕も内心焦っていた。
クズ共とはいえ、一応身内だ。
心配くらいはする。
そんな戦争危険だ。
メイサイ王国には、鎖の勇者と歌姫がいるらしく、どうやっても勝ち目は無い。
僕が入ってようやくドローになるかならないかの戦力差なのだから。
「ふふふ…。ね、雫、困ったでしょ?今すぐ海へ帰って来なさい!」
突然そんな声がしてふり返ると、緑色のウェーブがかかった髪に青の瞳を持つ少女と、フードを深くまでかぶった人物がいた。
目が覚めたら、海の中だった。
まるでどっかの物語みたいな始まり方だなぁ…って、違うだろ。僕は今日から夢のような生活が待っているんだ。
大好きな子と二人っきりで過ごす夢のような生活が。
学校とかいう所に通うのも、成績とかもハッキリ言ってどうでも良い。
そんな物よりも、二人きりで、傍にいれるというのが一番なのだ。
僕が最強なのは初めから決まっているから。
だから何でも良い。
そんな生活が待っていたはずなのに。
目が覚めたら、海の中。
隣にいたはずの凪がいない。
さてこれはどういう事なのか。
まったく分からない。
とりあえずストーカー用につけた小型追跡魔法で状況を探らなければ…
「まてまて誰この人!!誰なのこいつ!!ベタベタくっつきやがって!!」
まったく知らない奴が相棒面していた。
どういうこと!?
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いや、まだ付き合ってない。
プロポに近いセリフは言ってもらえたけど。
「とにかく早くあっちに向かわなきゃ…。てかここどこだよ」
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