どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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二章 美空ミカエル

魔王と解呪

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「いい?今から君の呪いを解除してみるから動かないで。...凪のお願いだから今回仕方なくやるけど、本来魔王である僕が直々に解呪するなんてないんだからね?」
そのまま俺の瞳を見つめながら、なにかを唱える。
その瞬間、魔力が一気に理久に集束されていった
「人間の癖に僕の魔法が見られるなんてめちゃくちゃラッキーだね!」
辺りに風が巻き起こり、理久の目の色に青が混ざる。
足元には不気味な魔方陣が浮かび上がり、魔力がすべて集まっていく。
そんな理久の背後でガシャン、ガシャンと音を鳴らしながら鉄の処女が映っては消える。
まるで理久の魔力の象徴だと言いたげに。
血まみれになった鉄の処女がそこに鎮座しているのだ。
とにかく異様な空間だった。
まるでカルト宗教のような。
そんな空間。
変な汗が首筋を伝う。
怖い、なんて感情で覆われる。
自分より確実に力をもつ目の前の少年。
きっと、こいつの力で俺は簡単に死んでしまう。
今のままでは。
反射的に歌を歌おうと口を開く。
「だめ」
凪先輩がそう言って俺を後ろから抱き締める。
「大丈夫。理久は絶対に酷いことしないよ。もししたとしても、僕が守ってあげるから。だから、大人しくしてて」
そういった。
「そうだよ。大人しくしてくれないと僕の鉄の処女が君を殺しちゃうからさ」
そう理久も言う。
そうして、俺の解呪は行われた。
何かを探るように俺の瞳を見つめて、溜め息を吐く。
その瞬間、今まで溢れていた魔力は一気に霧散して消えた。
「僕には無理。魔族じゃ解呪出来ないようになってるみたい。これも勇者の力?めんどくさいね」
お手上げ、とでも言うように手を上へ挙げる。
あーあ、めんどくさい、なんて言ったあとに椅子に座る。
さっきまでの怖い雰囲気は一気に消えた。
まるで子供のように、凪先輩に一緒にお菓子食べよーなんていっている姿は本当に子供みたいだ。
「えーっと...あれって魔王、なんですよね...?」
「そうだよ。僕と同い年。美空からしたら一歳年上って感じかな」
そう言いながら凪先輩はどこかから取り出したお菓子を食べさせる。
羨ましいな。
俺もしてほしい。
「ところで理久。解呪できないってどういう事?」
「なんかねー、勇者側の血を引いている影響か、魔族の力を跳ね返してるんだよね。これが普通の子供だったらいいんだけど」
「...?つまり美空はなにか特殊な血を引いてるってこと?ただの平民っていってたけど」
「あー...うーんたぶんそうだね。平民でもそういうのたまにいるっぽいし」
「そんな...」
「どうしても解呪したいなら、凪が実力をつけちゃう方が早いかも」
そう言って、理久は凪先輩の頭を撫でる。
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