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四章 雪闇ブラッド
そう断言できるのが羨ましい。
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理久はこちらを見ると、あぁ、雪か、と言った。
どうやらこちらに気づいていなかったようだ。
「そうだけど。ついでに処刑もやったし。大変だけど、凪がいるって思えば」
ふふ、なんて笑う。
以前は一切笑顔なんて浮かべなかった。
淡々と告げて後は寝るだけ。
魔力を使った後の理久はいつもそんな感じだ。
こんな生き生きとした顔なんてしなかった。
これも凪のお陰か。
恋してるなぁ、と思いながら、
「惚気は程々にしてくれよ?俺あんま聞きたくな~い」
なんて言って見せる。
すると理久も、
「教えるわけないだろ?僕は凪との日々は大切だから誰にも話したくないんだ。ずっと僕の中だけに留めてたい」
なんて言った。
あぁ、恋って夢みたいだ。
だって今の理久の顔、夢見心地だもの。
ものすごく幸せそう。
前までそんな表情全くしなかったのに。
一瞬で表情が色づいて。
毎日幸せですとでも言いたげな顔になった。
幸せな夢程、覚めた時の反動は大きい。
みんな知っていること。
幸せな夢はいつまでも見たいって思うのに。
でもいつか覚めてしまうという。
夢見たままではいられないということ。
そんなの理久だってわかっているはずなのに。
むしろ理久が一番わかってるはずだ。
誰よりも綺麗事を嫌っているのだから。
そんな理久が夢なんて見るはずがない。
そんなの見たら崩れるってわかってる癖に。
夢見る事をやめようなんてしない。
むしろずっと見ていたいとすら思っている。
やっと出会えた凪っていう運命を。
覚めないように必死に守ってる。
こっちが可哀想になるくらい必死に。
一生懸命に零れ落ちそうな希望をかき集めて。
それだけで良いよとでも言いたげに。
「どうして凪の事が好きなの。そこまで執着するの」
わかりきっているくせにその問いを理久にぶつけずにはいられなかった。
「おんなじような条件なら誰でも良いんでしょ」
そういうと、理久は笑う。
「そんなの凪にも言われたよ。どうしてって。なんで僕にそんな執着するのって。そんなにしてもらうほどの人間じゃないよって」
その目はドロドロと紅が煮詰まっていた。
紅が美しく輝きながら。
「でも僕には凪じゃないとダメなんだ。あの子じゃなきゃ。今更あの温もりなしで生きるなんてできない。そう思えるんだ」
そう言って、その瞳に黒が僅かに混じったような気がした。
じゃあね、なんて言って別れて。
どうやらこちらに気づいていなかったようだ。
「そうだけど。ついでに処刑もやったし。大変だけど、凪がいるって思えば」
ふふ、なんて笑う。
以前は一切笑顔なんて浮かべなかった。
淡々と告げて後は寝るだけ。
魔力を使った後の理久はいつもそんな感じだ。
こんな生き生きとした顔なんてしなかった。
これも凪のお陰か。
恋してるなぁ、と思いながら、
「惚気は程々にしてくれよ?俺あんま聞きたくな~い」
なんて言って見せる。
すると理久も、
「教えるわけないだろ?僕は凪との日々は大切だから誰にも話したくないんだ。ずっと僕の中だけに留めてたい」
なんて言った。
あぁ、恋って夢みたいだ。
だって今の理久の顔、夢見心地だもの。
ものすごく幸せそう。
前までそんな表情全くしなかったのに。
一瞬で表情が色づいて。
毎日幸せですとでも言いたげな顔になった。
幸せな夢程、覚めた時の反動は大きい。
みんな知っていること。
幸せな夢はいつまでも見たいって思うのに。
でもいつか覚めてしまうという。
夢見たままではいられないということ。
そんなの理久だってわかっているはずなのに。
むしろ理久が一番わかってるはずだ。
誰よりも綺麗事を嫌っているのだから。
そんな理久が夢なんて見るはずがない。
そんなの見たら崩れるってわかってる癖に。
夢見る事をやめようなんてしない。
むしろずっと見ていたいとすら思っている。
やっと出会えた凪っていう運命を。
覚めないように必死に守ってる。
こっちが可哀想になるくらい必死に。
一生懸命に零れ落ちそうな希望をかき集めて。
それだけで良いよとでも言いたげに。
「どうして凪の事が好きなの。そこまで執着するの」
わかりきっているくせにその問いを理久にぶつけずにはいられなかった。
「おんなじような条件なら誰でも良いんでしょ」
そういうと、理久は笑う。
「そんなの凪にも言われたよ。どうしてって。なんで僕にそんな執着するのって。そんなにしてもらうほどの人間じゃないよって」
その目はドロドロと紅が煮詰まっていた。
紅が美しく輝きながら。
「でも僕には凪じゃないとダメなんだ。あの子じゃなきゃ。今更あの温もりなしで生きるなんてできない。そう思えるんだ」
そう言って、その瞳に黒が僅かに混じったような気がした。
じゃあね、なんて言って別れて。
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