どうしようもない僕は報われない恋をする

月夜

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四章 雪闇ブラッド

脳が蕩けちゃいそう

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ゴクリ、と飲み込んで。
毒みたいに全身を蝕んだ。
俺の全てを逃さないように。
がんじがらめにするように。
それがすごく好きで。
なんだか続々来ちゃって。
もう二度と凪から離れられないんだろうなって思った。
それくらい甘くて甘美だったんだ。
「ねぇ…。僕の血、美味しい?不味かったりしない?大丈夫かな…」
そう凪が俺に問う。
美味しいよ。
「美味しいよ、すごく。ずっとずっと飲んでいたいくらい美味しいの」
そう凪に言うと、良かった、なんて笑うから。
傷口を舐めて塞いで。
そのままキスをした。
ほとんど反射的に動いていた。
キスをしながら凪の血を少し流し込む。
そのまま舌を絡ませて。
唾液を交換するかのように。
深い深い口付けを交わしてそのまま口を離した。
「どうだった?美味しかったでしょ?」
そう俺が聞くと、凪は顔をすごく赤くして、
「ば、ばか…。なんでキスするのさ…!!僕初めてなんだけど!!」
なんて言う。
ファーストキスを貰えたんだ。
そう思って、唇を人差し指で触れる。
この口が、凪の口と。
キスなんて口を合わせるだけの行為なのに。
「俺も初めてだよ。てか、キスってこんな楽しい行為だったんだな」
なんて返す。
初めてだよ。
キスしただけでこんな嬉しい気持ちになったのも。
幸せな気持ちになったのも。
そう言っても、凪はバカとしか言わない。
首元についた赤い二つの牙の跡。
しばらくは残るかな。
残ってくれるかな。
俺、本気で凪の事好きだ。
本気の本気で大好きだ。
一生離したくないって思うくらい大好きだ。
自覚しちゃったんだもん。
こんな愛しく思うのも。
何もかも全部。
愛しているからこんな気持ちになるんだもん。
そう考えながら凪に触れる。
凪に愛してるって言ったら、どんな顔するかな。
でも、やだな。
今の関係が崩れたりなんかしたら。
言えないな。
「なぁ、凪。これからも血を吸わせてもらってもいい?次はなるべくキスしないようにするから」
俺がそういうと、凪は、
「いや普通、なるべくとか気をつけないでキスしないもんなんだけど。しかも僕一応可愛い女の子とかじゃなくてただの男なんだけど。男にキスするの普通もう少しためらったりするんだけど」
そう言葉を捲し立てた。
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