囚われの亡者

月夜

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Bloody hood A

美醜の価値

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「それでも、あなたはいつか必ず私のものになるわ。だって私はその子よりも美しくなるもの。人は美しいものに心惹かれるものだから」
マリィはそう言って不敵に微笑みました。自分の勝利は確定しているとでも言いたげに。
「どうしてそんなに僕のことを求めるのですか?僕程度ならその辺に転がっていそうですよ?」
「いいえ、それはないわ」
あっさり否定されてしまいました。流石に僕もびっくりです。
だって即答ですし。
少しは考えたりするのではないでしょうか。
少なくとも僕は多少は考えます。
先輩なら別ですが。
どうしてそこまでして僕を求めるのでしょうか。
「だって貴方は他の人とは違う何かを持っていると思うの。少なくとも私はそう感じるわ。私の勘って結構当たるのよ?」
まぁたしかに持ってますが...
それで好きになるのもなんだかおかしな話のように思いました。
そう感じるのも僕が狂っているからかもしれませんが。
「それと私は美しいものが好きなの。だからすきになったの」
そこで、マリィは僕のことをアクセサリーと思っていることがわかってしまいました。
なんだか僕は悲しい気持ちになりました。
物扱いされるって先輩以外だと不快にしか思えなくて。
先輩に物扱いされたら僕はきっと嬉しいと感じると思います。
それで大切にしてもらえるなら。
特別になれるなら構いません。
ですが他人に物扱いされるのはとても不愉快で。
僕は心底彼女を嫌ってしまいそうです。
だって、僕の実の親は最後まで僕を道具としか見なかったから。
僕を国を繁栄させる為の使い捨ての道具としか思っていなかったから。
美しくなって態度を変えたって、利用価値が上がったとしか考えてくれなくて。
僕自身なんて見ていなくて。
それがとても苦しくて、痛くて。
だから僕は物扱いされるのは地雷なのです。
とても大きな地雷。
決して癒されることがない苦痛を伴う物。
膿んだ傷跡をさらに傷つけて、その上に消毒液を浸けるような、そんな痛みが全身に回るのです。
だから嫌だ。
「貴方は僕のことをアクセサリーとしか思っていないのですね」
「...?なんか言った?」
「いいえ、なんでもありません。そろそろ帰りましょうか」
思わず呟いてしまった言葉は届かなかったようです。
そのことに安堵しながら家に帰ることを勧めました。
このままここにいるのも苦しくなりました。
この傷も先輩に会えたら癒えると信じて。
僕は帰路について家に帰るまでの道を歩き始めました。
夕焼けに花畑は沈んでいきました。
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