囚われの亡者

月夜

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Bloody hood A

欲望

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僕は先輩に笑ってほしい。
僕の隣で良かったと心から思ってほしい。
そう思えた。
それは僕が先輩を束縛して無理やり手に入れた心で描かれるものじゃなくて、先輩が自ら僕のことを選んでくれる未来。
それが一番いいと思えた。
以前までの僕なら絶対そんなことは思わなかった。
けれど、先輩が受けてきた傷を癒せるような人間になりたい。
アテネのようにはなれずとも、先輩に支えられるだけでなく、先輩を支えられるような人間に。
そう考えるようになったのは輪廻の尋問のお陰とも言えるから。
それでも輪廻にとっては嫌味に聞こえたと思うけど。
それはそれで仕方ないと思う。
「凪の光になりたいってわけね...お互いを依存し合う関係。まぁ良いじゃん、でもさ...」
輪廻のまとう雰囲気が変わる。
「そんなの出来るの?理久がいるのに?」
まだ揺さぶってくるつもりなのかと思う。
輪廻なりの反撃なのだろう。
たしかに永遠に生きる理久と先輩はお似合いかもしれないが。
「できます。それに選ぶのは先輩でしょう?輪廻でもないし僕でもない。案外先輩は人間が好きかもしれません。短い命で必死に争う命が」
そう言ってやれば輪廻は不敵に笑い、
「完全に光に振り切っちゃったんだね。本当オリジナルとは正反対」
思考回路も何もかもさ、なんて言う輪廻に僕は何も言い返せない。
喜べば良いのか悲しむべきなのか分からないから。
「さぁ、輪廻の理由も話してくださいよ」
「嫌だ、てか言っても絶対理解できないよー?だって輪廻自身もまだ完全に理解できてないもの」
そういうと急に地下室へと走りだす。
僕は後を追う。
試験管の先輩の生首へと手を伸ばし、
「どうしてこの生首にこんなに強く惹かれるのかも、何もかも輪廻はわかんないの」
なんて言い出した。
先輩が魅力的だからじゃないですか、なんて言えば違うと言う。
だとしたら全くわからない。
「輪廻の髪は茶色だし、目の色はオレンジだし。凪との共通点なんて一切ないから兄弟って線も薄そうだし。なのに何故だか生きててほしいって願う。そこまで知らないのにさ」
表面を撫でる。
輪廻の表情はどこか切なげで、悲しそうで...
そこで昔聞いた話を思い出した。
王家ではなくなった第一子に続いて第二子を産もうとした夫婦がいたが、第二子は悲しく胎の中で死亡したという話を。
それがどの夫婦かはわからないけれど。
それが何故か輪廻に関係あるような気がして。
「これ以上は話さないからねー?ここから先は次また輪廻に会ったらってことで!」
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