囚われの亡者

月夜

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Bloody hood A

神様

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元宿り主で共に過ごしたこともあるから、そう簡単に死んで欲しくない。
だから言わない。
けれど、勘のいい颯太なら気づいてしまうかもしれない。
「ねぇアテネ。お前って最低ですね」
良かった。
気づいていないようだ。
僕は心底安堵して、言葉を紡ごうとした。
しかし、その前に颯太が口を開いた。
「僕、昔思ったことがあるのです。僕が生きている世界とは別の世界があって、そこで僕は勇者として生きているって。僕と同じように愛しい人がいて、同じくらい愛しているって」
急に何を言い出すのだろうか。
そんなこと今言わなくてもいいじゃないか。
心臓がバクバクと音を鳴らす。
自然と呼吸が荒くなる。
気づいていない筈だ。
いくら頭が良いからって。
「そしたら案の定その推測は当たっていました。それでそのあと考えていたことがあるんですよね。いた、心の片隅で思っていたこと...でしょうか?」
冷や汗が滲む。
心が軋むように痛い。
心臓は鳴りすぎて既に痛み始めている。
「本当なら輪廻に聞こうと思っていたのですが...聞く前に消えちゃいましたし。余計なこと言われましたし」
段々颯太が近づいてくる。
その瞳は僕に真っ直ぐと向けられている。
その勢いに負けて僕は目を逸らした。
視界から外した。
なのに圧が消えない。
「ねぇアテネ。僕の世界がオリジナルの理想の世界ならば、先輩の理想の世界もあるのですよね?そこで先輩は何をしているのですか?」
あぁ、聴かれてしまった。
いつかくるち思っていた質問。
僕が一番答えたくなかった質問。
「...良いんですか?その質問はあなたの身を滅ぼすかもしれませんよ?好奇心は猫をも殺すと一度は聞いたことあるでしょう?」
まだ間に合うから引き返してくれよ。
「...そんなに必死に隠すということは何か余程重大な事実を隠しているんですね?それも僕に知られてはいけないほどの」
だから聞くのをやめてくれよ。
なのに颯太は追撃の手を緩めない。
僕に何としても言わせる気だ。
「...死にませんか?」
「は?」
「事実を聞いた時、あなたはちゃんと生きますか?」
そういえば怪訝そうな顔をする。
そりゃあそうだよね、知っていたよそんな反応することくらい。
足掻いたって良いじゃないか。
だって知ったら君は狂ってしまう。
わかりきっている事をどうして僕はしなくちゃいけないの?
どうして壊さなくちゃいけないの?
「そんなに恐ろしい事なんですか?」
だから聴かないでほしい、何て言えば、颯太は僕の首を絞めた。
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