機械と人間

月夜

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クロノスの案内

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目が覚めると、まったく知らない場所だった。
「やっと起きたの?遅いなぁ。」
若草色の髪に、青い瞳を持つ、ひょっとしたら自分より幼いかも知れない少年。
それに突然声をかけられた。
「……あのさぁ、僕はこの世界が生まれた時から生きてるし、君より遥かに年上だからね。」
思考が読まれた?
辺りを見渡すと、ラッパスイセンに黄色のスイセン、アイビー、色とりどりの花が咲き誇るなか、ひっそりと、所々に黒いバラ、トリカブトが咲いている。
それも、たくさん。
「ここはどこですか?」
「ここ?ここは地下20階。いわゆる準備の場所、かな。僕が管理してるフロアだよ。」
フロア………?
「どういう事ですか?」
「え?もしかしてメッセージ見てないの?一応聞くけど君って月影リンカ君だよね?」
「月影……って名字は知りませんが、リンカっていう名前です。」
「じゃあ、あってるよ。まぁ、簡単に説明すれば、君は今から権利を勝ち取って貰うんだよ。」
「権利?」
「次のフロアに向かう権利とマインドをコントロールする権利……かな?」
マインドをコントロールする。
それはこの世界では神になることに等しい行為。
参加しないわけ、ないだろう。

「はい、これが詳しいルールが載ってる紙。」

説明書
・フロアは地下20階から地上1階まであるよ!それぞれのフロアにはボスがいるからその人達から鍵を奪ってね。その時どんな手を使ってもOK!

・君達は500人程度の人数だし、一緒のフロアになることもあるだろう。その時一緒になった人と手を組んでもいいよ!その代わり、次のことに注意してね!
 
1.鍵は複数同時に使用可能。
 
2.もし仲間を裏切り殺すことが出来れば
ここから解放、もしくは最終フロアに案内してあげよう。

3.それぞれのフロアでボスがいるけど、そのボスを倒すか何かして鍵を奪ってね。

4.スイッチを押して次の階に進んでね。

「解放………?どういう事なんだ?」

「言葉の通りだよ?ここから抜け出して、元の生活に戻ること。」

クロノスはそんな風に言った。
解放されるってどんな意味なのか?

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