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凪編
デート
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美空の名前が出たことに驚いて思わず固まってしまった。
だって、アテネの口から美空のことが出て来ると思わなかったから。
アテネは笑いながら当然僕を選んでくれますよね?と言った。
いつもなら即答するくせに、僕の口が開かない。
脳裏に美空がよぎって上手く言葉を吐き出せない。
流石にアテネも不思議に思ったようで、
「何かありました?」
なんて聞いてきたから、首を振って何もないよ、当然アテネを選ぶよ。
なんて言った。
けれどその声が何時もと何だか違くて。
まるで嘘のように感じられて何故か嫌になった。
どうして美空に揺れてしまう自分がいるのだろうか。
そんな僕をアテネは暫く見つめてから、何を思ったのか、僕の手を掴んで走り出した。
それに合わせて二人で駆ける。
アテネは笑いながら走る。
段々その様子がおかしく思えて僕も笑いながら走る。
夕焼け。下校道に笑い声が二つ。
いつまでも響いていた。
「ねぇ渚。僕は渚が大好きです」
「僕も好きだよ。大好きだ」
「...ですよね」
その時のアテネの顔は何故か影に重なって上手く見えなかった。
黒く塗りつぶされているような。
どんな顔をしていたのかわからない。
仮に分かったとしてもこれから起こることは何一つ変わることはない。
夏祭り当日。メッセージアプリから通知が届く。
「今夜6時に神社集合で」
了解。と打った後、僕は着替えを始めた。
美空との最後の思い出作り。
出来る限り良い思い出にしてやりたいなんて思ったから。
約束の時間の5分前に行けば、すでに美空は待っていた。
「ごめん、待った?」
「俺も今来たところなので大丈夫です。行きましょうか」
美空が手を差し出してきたから握る。
恋人繋ぎをしながら屋台を回った。
そこに意味はない。
あるとしたら美空の僕への思いだけ。
僕は美空に対して友達以上の感情を持ち合わせていないから。
だからやましい訳では無いけれど。
二人で屋台を回るのは楽しかった。
美空は終始笑顔で、僕の手を引いて色んな場所に連れて行った。
僕はそれに対して笑いながら一緒に歩く。
だって、アテネの口から美空のことが出て来ると思わなかったから。
アテネは笑いながら当然僕を選んでくれますよね?と言った。
いつもなら即答するくせに、僕の口が開かない。
脳裏に美空がよぎって上手く言葉を吐き出せない。
流石にアテネも不思議に思ったようで、
「何かありました?」
なんて聞いてきたから、首を振って何もないよ、当然アテネを選ぶよ。
なんて言った。
けれどその声が何時もと何だか違くて。
まるで嘘のように感じられて何故か嫌になった。
どうして美空に揺れてしまう自分がいるのだろうか。
そんな僕をアテネは暫く見つめてから、何を思ったのか、僕の手を掴んで走り出した。
それに合わせて二人で駆ける。
アテネは笑いながら走る。
段々その様子がおかしく思えて僕も笑いながら走る。
夕焼け。下校道に笑い声が二つ。
いつまでも響いていた。
「ねぇ渚。僕は渚が大好きです」
「僕も好きだよ。大好きだ」
「...ですよね」
その時のアテネの顔は何故か影に重なって上手く見えなかった。
黒く塗りつぶされているような。
どんな顔をしていたのかわからない。
仮に分かったとしてもこれから起こることは何一つ変わることはない。
夏祭り当日。メッセージアプリから通知が届く。
「今夜6時に神社集合で」
了解。と打った後、僕は着替えを始めた。
美空との最後の思い出作り。
出来る限り良い思い出にしてやりたいなんて思ったから。
約束の時間の5分前に行けば、すでに美空は待っていた。
「ごめん、待った?」
「俺も今来たところなので大丈夫です。行きましょうか」
美空が手を差し出してきたから握る。
恋人繋ぎをしながら屋台を回った。
そこに意味はない。
あるとしたら美空の僕への思いだけ。
僕は美空に対して友達以上の感情を持ち合わせていないから。
だからやましい訳では無いけれど。
二人で屋台を回るのは楽しかった。
美空は終始笑顔で、僕の手を引いて色んな場所に連れて行った。
僕はそれに対して笑いながら一緒に歩く。
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