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月夜

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凪編

美空の告白

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「あれ...?渚先輩、今日はアテネ来ないんですか?」
「遅れて来るんだって」
「そうなんですか」
そう言うと美空は少し嬉しそうに笑った。
「美空、大事な話があるんだ」
そう言うとキョトンとした顔をしながら聴いてくれた。
けれど、僕がアテネと遠い遠い場所に行って戻ってこないつもりだと言った瞬間に美空は行動に出た。
美空は僕を押し倒して、そのまま乗っかった。
そして、
「そんなの許さないから...俺を置いていかないでくださいよ...ねぇどうして...?俺を独りにしないでよ...俺の元から去ろうとしないで...」
その姿が、アテネを失った時の僕にそっくりだった。
その瞬間、僕は理解してしまった。
まるで昨日の僕を見たかのような、そんな気持ちだった。
もしかしたら、僕がアテネといる時、常に僕のような気持ちを持っていたのかもしれない。
けれど、そんなの関係ないと思う自分もいた。
でも、どうして。
そんな事を思っていれば、美空は笑った。
「多分わかっちゃいましたよね...はは...ねぇ、渚先輩。きっと気持ち悪いだとかそう言うことは思わないんでしょ...いつもそうだから」
泣きながらそんな事を美空はいう。
瞳から溢れ落ちた涙が、僕の頬を濡らしながら地面を染めていく。
「今すぐ答えを言わないでください...いうことはちゃんとわかってるんです...渚先輩が誰を好きなのか、ちゃんと知っているから。ねぇ先輩。来週の日曜日、花火大会あるじゃないですか。そこで返事ください...どうせなら最後の思い出が欲しいです。だからその日まで、この街に留まってください...」
僕は頷いた。
美空の意志を尊重しようと思ったから。

だから待つことにした。
美空は良かった、と言って僕の上から退いた。
そのまま涙を拭って、顔を少し水で洗ってから弁当を広げ始めた。
僕もそれに習ってお昼ご飯の準備をした。
少し遅れて、アテネがやってきた。
僕と美空を見て、少し首を傾げた後、いつも通りの昼食の時間がやってきた。
僕の心に少しのしこりを作りながら。

帰り道、アテネは思い付いたかのように言った。
「渚は、僕と颯太と美空の三人のうち誰かを選べと言われたら誰を選びますか?」
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