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ー 伍 ー 『あの後』とまさかの展開
ちょっと顔を貸していただきましょうか
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翌朝、早めに起きた私はアンナを介してお母様に昨夜知ったことを伝えましたの。その上で朝食は私達の部屋で取ってもらうことにして改めて昨夜アルから聞いた話と今後のことを話し合うことにしましたわ。因みにデュークは、今日はアレンさんと仕事のことで話をしなければならないからと、アルの毎朝の鍛錬に顔を出した後すぐに出かけてしまいましたの。アレンさんと話し合うなんてよっぽど大きな問題でもあるのかもしれませんわ。
「旦那様…逃げましたね…」
フィリップがほんの少し眉をひそめ呟いていたことなんて私は全然気付いていませんでした。
昨夜はアルのわがままでコンラード先生が泊ってくれたので今日の朝食はアルにコンラード先生の接待を頼み、ついでにお父様の見張りを兼ねて食堂で朝食をとってもらうことにしましたの。私とお母様はその間にお父様の話ですわ。
「夜中にこっそり部屋を出ていることは知ってたけど、まさかまだ幼い子供を起こすようなことまでしていたなんて…。どおりでルナだけじゃなくアルもよくお昼寝をすると思ったわ」
お母様がプリプリ怒っています。
そうなんですね…アルがルナぐらいだった頃もよくお昼寝をしていたから不思議にも思わなかったのだけれどアルぐらいの年になるとそれほどお昼寝をしなくてもいいようになってくるらしいですわ。逆によくお昼寝をするということは夜眠れていない、眠りが浅いなど、環境が良くないこととされているようです。そう言われてみると私がアルぐらいの頃はあまり覚えていませんが、ロレインもリリアナも今のアルほど長いお昼寝ではなかったように思いますわね。特にロレインは眠いのを我慢してでもお庭で走り回ろうとするものですから、どちらかというと夜寝る時間が私達より早くなり朝起きる時間は遅くなってお母様がたたき起こしに来るという感じでしたわね。
まぁ、思い出話は置いておくとして、結局の所お父様は自分の心の安定を優先させるためにアルの健康を害していたということですわね。
「そういう訳ですので、お母様からもお父様に一言…いえ、十言でも百言でも言っていただけないでしょうか?」
「あら、私が言わなくても貴女が言えばいいじゃない。貴女はアルの母親でこの家の女主なんだから。お気楽な隠居の身でな~に癒やされなきゃならないようなことがあるのかしら…って」
…あぁ、お母様、きっとご自分で叱るとなると止め処なくお叱りの言葉が出てきてしまうから私に丸投げしようとしていますのね。
「私はあの人がどんな言葉で責められようと止めませんよ。思う存分言ってやりなさい」
「はい…そうですね。私がアルとルナの親なんですもの、お父様に一言言ってやりますわ!」
「じゃあアンナ、子供達の食事が終わり次第…いえ、それでは逃げられるかもしれませんわね、今すぐ!大旦那様をここにお呼びして。子供達のことはフィリップに任せるといいわ」
フィリップが気を利かせたのか、アンナが扉を開けると丁度お父様がノックをしようとしていたのか、片手を上げた格好で立っていました。
「あ…あぁ、アンナか…フィリップから二人が呼んでると聞いて来たんだが…どうした?何かファルガルド殿下のことで相談があると……」
フィリップ、よくやりましたわね。
私達が呼んでいるとだけ言うときっとお父様は昨夜のことで叱られると思って逃げる。そう考えてもう一つの理由を告げたのでしょう。今回の働きを労って例のお茶会の日は特別にアルとルナの護衛につけてあげましょう。
「お父様、少し込み入った話になると思いますので先ずはこちらにお座りください」
そう言って私とお母様との間に座らせます。…ふふっ、まんまとかかりましたわ。
「旦那様…逃げましたね…」
フィリップがほんの少し眉をひそめ呟いていたことなんて私は全然気付いていませんでした。
昨夜はアルのわがままでコンラード先生が泊ってくれたので今日の朝食はアルにコンラード先生の接待を頼み、ついでにお父様の見張りを兼ねて食堂で朝食をとってもらうことにしましたの。私とお母様はその間にお父様の話ですわ。
「夜中にこっそり部屋を出ていることは知ってたけど、まさかまだ幼い子供を起こすようなことまでしていたなんて…。どおりでルナだけじゃなくアルもよくお昼寝をすると思ったわ」
お母様がプリプリ怒っています。
そうなんですね…アルがルナぐらいだった頃もよくお昼寝をしていたから不思議にも思わなかったのだけれどアルぐらいの年になるとそれほどお昼寝をしなくてもいいようになってくるらしいですわ。逆によくお昼寝をするということは夜眠れていない、眠りが浅いなど、環境が良くないこととされているようです。そう言われてみると私がアルぐらいの頃はあまり覚えていませんが、ロレインもリリアナも今のアルほど長いお昼寝ではなかったように思いますわね。特にロレインは眠いのを我慢してでもお庭で走り回ろうとするものですから、どちらかというと夜寝る時間が私達より早くなり朝起きる時間は遅くなってお母様がたたき起こしに来るという感じでしたわね。
まぁ、思い出話は置いておくとして、結局の所お父様は自分の心の安定を優先させるためにアルの健康を害していたということですわね。
「そういう訳ですので、お母様からもお父様に一言…いえ、十言でも百言でも言っていただけないでしょうか?」
「あら、私が言わなくても貴女が言えばいいじゃない。貴女はアルの母親でこの家の女主なんだから。お気楽な隠居の身でな~に癒やされなきゃならないようなことがあるのかしら…って」
…あぁ、お母様、きっとご自分で叱るとなると止め処なくお叱りの言葉が出てきてしまうから私に丸投げしようとしていますのね。
「私はあの人がどんな言葉で責められようと止めませんよ。思う存分言ってやりなさい」
「はい…そうですね。私がアルとルナの親なんですもの、お父様に一言言ってやりますわ!」
「じゃあアンナ、子供達の食事が終わり次第…いえ、それでは逃げられるかもしれませんわね、今すぐ!大旦那様をここにお呼びして。子供達のことはフィリップに任せるといいわ」
フィリップが気を利かせたのか、アンナが扉を開けると丁度お父様がノックをしようとしていたのか、片手を上げた格好で立っていました。
「あ…あぁ、アンナか…フィリップから二人が呼んでると聞いて来たんだが…どうした?何かファルガルド殿下のことで相談があると……」
フィリップ、よくやりましたわね。
私達が呼んでいるとだけ言うときっとお父様は昨夜のことで叱られると思って逃げる。そう考えてもう一つの理由を告げたのでしょう。今回の働きを労って例のお茶会の日は特別にアルとルナの護衛につけてあげましょう。
「お父様、少し込み入った話になると思いますので先ずはこちらにお座りください」
そう言って私とお母様との間に座らせます。…ふふっ、まんまとかかりましたわ。
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