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社長の奴隷.22
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「その・・・、処女の私が言うのもなんだけど、童貞ってことは、彼女はいないんだよね」
どうして女性はこうも恋愛の話が好きなんだ?
男同士で集まっても、全く恋愛の話なんてしないで過ごせるのに・・・。
「恋人もいませんし、好きな人もいませんよ」
「そうなんだ・・・」
だから、それが何?
女性はいったい何が言いたいのか、本当に分からない。
目的を先に言ってくれ。
会話はキャッチボールだ。
美緒が恋人は?好きな人は?と聞いたのなら、美緒もそれを聞いて欲しいのだが、信楽にはそれが分からない。
しびれを切らした美緒は自分から話し始めた。
「私ね、好きな人ができてね、その人に告白しようとするとね、大抵その人にはもう相手がいるんだ~」
「ふ~ん」
それで俺に何と言えと?
信楽はそれ以上言葉が見つからない。
「実はこっちに出てきたのも、好きな先輩を追いかけてきたんだけど、会ってみたら、もう結婚してて・・・。それで、この会社に拾ってもらって、今度は社長のことを好きになっちゃったんだけど、社長も彼女がいるんだよね」
じゃあ、諦めるしかないじゃないか。
信楽は世間話くらいはさすがに必要だと思っているが、こういう恋愛話は本当に苦手だ。
それは自分が女性を好きになったことがないせいもあるとは思っている。
「あ、ゴメンね。こんな話、興味ないよね・・・」
信楽のあまりの反応の薄さに、美緒は話すのをやめた。
沈黙が訪れる。
「いや、前も言った様に、女性のことを好きになったことがないから。すみません、話し相手になれなくて」
「ううん、全然いいよ。私こそゴメン。こっちに来てから、友だちにも会ってなくて、つい話し相手が欲しくなっちゃって。ダメだね、信楽君にお礼しようと思ったのに、また頼ろうとしちゃった」
「いや、僕の方こそお役に立てなくて申し訳ない」
信楽はどこまでも謙虚だ。
「あの、ひとつ質問していいですか?」
「なに?」
「好きな先輩を追いかけて出て来たあと、すぐに今度は社長を好きになるって、そんなに早く、次の人を好きになることって出来るんですか?すみません、失礼な質問で」
「ああ・・・、好きになることが出来るっていうか、好きになっちゃうんだから、自分でも分からないんだよね~」
「分からない?だいたい、その人がどういう人か理解するまでにかなり時間が必要じゃないんですか」
「そう言われてみればそうだね。でも、もう瞬間的にビビってきちゃうんだよね。私の場合はだけど。あっ、でも友達だと、時間かかる子とかいたよ。最初は友達で、だんだん好きになっていったみたいな」
「へえ」
信楽は、初めてまともに会話ができた気持ちになった。
そして、自分は美緒みたいなタイプではなく、その友達みたいなタイプなのかもしれないと思う。
それが分からなかったから、最初のきっかけさえも拒絶していた。
だから、恋に発展することもなかったのかもしれないと、自分の恋愛経験ゼロの理由を冷静に分析する。
「だけど、やっぱり分からないな。たとえ友達になったとしても、その子のことを必ず女性として好きになるかは分からないんだよね。だったら、僕は一瞬でなんて女性を好きになれないし、友だちから始めても好きになる確率はハッキリしないとしたら、一生恋人ができないかもしれないんだ」
信楽はもう明るい未来など存在しないかのように絶望的な表情になる。
どうして女性はこうも恋愛の話が好きなんだ?
男同士で集まっても、全く恋愛の話なんてしないで過ごせるのに・・・。
「恋人もいませんし、好きな人もいませんよ」
「そうなんだ・・・」
だから、それが何?
女性はいったい何が言いたいのか、本当に分からない。
目的を先に言ってくれ。
会話はキャッチボールだ。
美緒が恋人は?好きな人は?と聞いたのなら、美緒もそれを聞いて欲しいのだが、信楽にはそれが分からない。
しびれを切らした美緒は自分から話し始めた。
「私ね、好きな人ができてね、その人に告白しようとするとね、大抵その人にはもう相手がいるんだ~」
「ふ~ん」
それで俺に何と言えと?
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「実はこっちに出てきたのも、好きな先輩を追いかけてきたんだけど、会ってみたら、もう結婚してて・・・。それで、この会社に拾ってもらって、今度は社長のことを好きになっちゃったんだけど、社長も彼女がいるんだよね」
じゃあ、諦めるしかないじゃないか。
信楽は世間話くらいはさすがに必要だと思っているが、こういう恋愛話は本当に苦手だ。
それは自分が女性を好きになったことがないせいもあるとは思っている。
「あ、ゴメンね。こんな話、興味ないよね・・・」
信楽のあまりの反応の薄さに、美緒は話すのをやめた。
沈黙が訪れる。
「いや、前も言った様に、女性のことを好きになったことがないから。すみません、話し相手になれなくて」
「ううん、全然いいよ。私こそゴメン。こっちに来てから、友だちにも会ってなくて、つい話し相手が欲しくなっちゃって。ダメだね、信楽君にお礼しようと思ったのに、また頼ろうとしちゃった」
「いや、僕の方こそお役に立てなくて申し訳ない」
信楽はどこまでも謙虚だ。
「あの、ひとつ質問していいですか?」
「なに?」
「好きな先輩を追いかけて出て来たあと、すぐに今度は社長を好きになるって、そんなに早く、次の人を好きになることって出来るんですか?すみません、失礼な質問で」
「ああ・・・、好きになることが出来るっていうか、好きになっちゃうんだから、自分でも分からないんだよね~」
「分からない?だいたい、その人がどういう人か理解するまでにかなり時間が必要じゃないんですか」
「そう言われてみればそうだね。でも、もう瞬間的にビビってきちゃうんだよね。私の場合はだけど。あっ、でも友達だと、時間かかる子とかいたよ。最初は友達で、だんだん好きになっていったみたいな」
「へえ」
信楽は、初めてまともに会話ができた気持ちになった。
そして、自分は美緒みたいなタイプではなく、その友達みたいなタイプなのかもしれないと思う。
それが分からなかったから、最初のきっかけさえも拒絶していた。
だから、恋に発展することもなかったのかもしれないと、自分の恋愛経験ゼロの理由を冷静に分析する。
「だけど、やっぱり分からないな。たとえ友達になったとしても、その子のことを必ず女性として好きになるかは分からないんだよね。だったら、僕は一瞬でなんて女性を好きになれないし、友だちから始めても好きになる確率はハッキリしないとしたら、一生恋人ができないかもしれないんだ」
信楽はもう明るい未来など存在しないかのように絶望的な表情になる。
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