社長の奴隷

星野しずく

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社長の奴隷.33

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 信楽の手は自然と自身の股間に移動した。

 下着をずらすと、既に形をかえていたそれを上下に扱いた。

 一瞬でMAX状態に突入し、美緒の声と、目の前でうごめく妖艶な姿によって、あっという間に頂点へと昇りつめた。



 お、俺は、な、なにをして・・・。

 信楽は、自分のしてしまったことに呆然とする。

 それが余りにも抵抗なく、自然で、そして気持ちよかったことが逆にショックなくらい。



 しかし、困ったことにその欲望は、一度達成されたからと言って解消される程度のものではなかった。

 信楽はそれから呆れるくらい何度もその映像を繰り返し見た。

 そしてその手の中に己の欲望の証を吐き出した。



 な、何で・・・。

 自分はこういうことには淡白だと思っていた。

 もちろん、自慰行為を全くしない訳ではなかったけれど、こんなに時間を忘れるくらいのめり込むなんてことは一度もなかった。

 そして、今の自分は頭も気分もすこぶるスッキリしてしまっているのだ。

 社長の言った通りに・・・スッキリと・・・。

『ほうら、僕の言った通りでしょ』と社長がニンマリしている顔が浮かんで、信楽は頭を抱えた。

 

「久しぶりの社長、何だか格好よさに更に磨きがかかってたな~。きっと、向こうでもモテモテだったんだろうな~。まさか、フランス人女性と夜の生活も楽しんできちゃったとか?そんなのやだぁ~」

 美緒は部屋に帰ると、社長をおかずに妄想にふけっていた。



 そんな不埒なことを趣味にしている美緒だから、社長が自分の映像をおかずにしていたことに対して驚きはしたものの、嫌悪感などは全くない。

 ただ、あんなに格好いい社長からしたら、自分の様な平凡な容姿の女の子をわざわざおかずにしなくても、リアルに彼女がいるわけだし、彼女じゃなくても女の子なんて、よりどりみどりだろう。



 そんな訳で、自分が社長におかずにしてもらえたことが美緒には格別に嬉しかった。

 なぜならそれは、社長には自分が性的対象として見てもらえているということになるのだから。.

 これも他人には言えないけれど、美緒は社長をおかずにすることで、ひとりぼっちの淋しい夜を何度も乗り越えたきた。



 これまではそのことに多少の罪悪感があったけれど、今はそれも解消された。

 社長が私で感じてる・・・。

 それを知ってしまった今、社長から受ける人体実験も、写真撮影も、その全てが意味をもち始める。



 今までは社長にとってはただの仕事でしかないと思っていた。

 美緒は仕事としてやってはいるものの、少しでも社長に女性として見てもらいたいという下心は常に持っていた。

 だから今日なんかは、それが分かった初日で、もちろん今までも感じていたけれど、この瞬間、社長も感じてるんだと思うと、もう尋常じゃない位感じてしまって・・・。

 こんな幸せな仕事って他にあるだろうかなんて、バカなことを考えてしまったくらいだ。



 だけど、その先は・・・。

 それを考えると、そんなにお気楽ではいられなくなる。

 仕事は楽しいし、社長は恰好いいし、おまけに社長が自分のことを性的な目で見てくれてる。

 だけど、社長には彼女がいるのだ。

 社長が自分を女性として見てくれるようになったことは、確かに以前よりは進歩したと言える。

 しかし、そこから先が自分にはあるのだろうか。

 そんな現実的なことを考えてしまうと、美緒は途端に暗い気持ちになってしまう。



 やめよう・・・、先のことなんて考えたって分かんないんだもん・・・。

 前よりよくなってるんだから、贅沢言っちゃだめだ・・・。

 美緒はマイナスな考えに時間を費やすより、瞳の奥に焼き付けた美しいその姿、そして大事な場所に刻み込んだ寛成の感触を鮮明に思い出すことに使う方を選んだ。
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