日替わりでイケメン達に迫られてます

誰かイケメン達を止めてくれませんか！！.18

　ほかの図書委員には伊吹からみゆうの容体を話してもらい、予定通り６人そろって発表することになった。

　校長先生の話が終わり、保健委員の次が図書委員の出番だった。

　６人はステージにあがると、委員長の新垣君が今月のおすすめ本をざっと紹介した。

　そのあと、図書委員の６人がそれぞれ自分の好きな本のおすすめポイントを話すのだった。

　一年から順に話すため、伊吹、みゆう、美馬がそれぞれ本への熱い思いを語った。

　二年、三年と順に話し、本の紹介は終わった。

　聞いている人みんなが興味を持ってくれたわけではいことは分かっている。

　だけど、誰か一人でも今日のことがきっかけで本を手にとってくれたら、それだけで嬉しい。

　図書委員はみなそんな思いで、毎月このおすすめ本の紹介を行っている。

　発表を終え、図書委員のみんなはそれぞれの教室へ戻っていった。

「月影、いい発表だったな」

「伊吹こそ！だんだん伝え方がうまくなってるよ」

「そうかぁ？」

　伊吹はそう言いながらも嬉しそうだ。

「元気出たみたいだな」

　伊吹に言われ、みゆうは確かにそうだと思った。

「うん。なんかスッキリした」

　二人はハイタッチをすると、それぞれの教室へ向かった。

　

　夕べの衝撃的な出来事のせいで、風邪を引いてしまいたんこぶまで作ってしまって、朝の時点ではどうなることかと思っていた。

　しかし、伊吹や図書委員のみんなの熱意に元気をもらって見事復活できた。

　毎日起こる奇想天外な出来事は確かに気が変になるほど嬉しい。

　しかし、現実の生活が充実しているということは、穏やかな喜びをもたらしてくれる。

　みゆうは本が好きでよかったと、あらためて思うのだった。

　ショック療法とも言えるステージ発表のおかげで、風邪はすっかり治ってしまった。

　ただ、たんこぶが治るにはもうしばらくかかりそうだ。

　それでもたんこぶ程度ですんでよかったのかもしれない。

　ボーっとしていると、どんなことに巻き込まれるか分からない。

　これからも連日同じようなことが続くのであれば、気を引き締めて過ごさなければならない。

　それは、これからもあのおかしな現象が起こるということが前提なのだけれど、その確証は一切ない。

　それでも、こう何日も続けば嫌でも今日もくるかもしれないと思ってしまうのは自然なことだ。

　みゆうは学校が終わると気合を入れて家に向かった。