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続 夜の散歩道
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ニーナ様がウチに来て一週間がたった。この世界での暮らしも、先輩のハナちゃんのおかげで徐々に慣れてきたみたいだ。
とは言え私が怒鳴ってから2~3日はしおらしかったのだが、徐々に元のワガママな性格も戻ってきた。まぁニーナ様もハナちゃんに負けず劣らずカワイイので、ついつい許してしまっているのが現状だ。
「ちょっと!ニンジンは入れないでって言ったじゃない!私は食べないからね」
「もう!ニーナさんったら、ごめんなさい」
「はいはい、私が食べるから」
「お姉ちゃん、甘やかしすぎぃ」
今日は久しぶりに4人で夕飯を食べる。いつもは私の仕事が遅かったり、ナツのバイトやバンド活動があって、バラバラに食べる事が多かった。今日の献立は肉じゃがと焼き魚、ニーナ様のニンジンを私が取って食べる、こんなに美味しいのにもったいないな。ナツは二人の焼き魚の骨を丁寧に取り除く、ハナちゃんもニーナ様もハシを上手く使えないのでこれはしょうがないか。
「お魚美味しいです!」
「私はお肉の方が好きだけど、魚もまぁまぁね」
そうだ、今日はせっかく4人揃っているから、夜の散歩はみんなで行くか。さっそく提案すると、みんな快くOKしてくれた。今日はどのコースを歩こうかな?まぁコンビニで甘い物でも買って帰るコースでいいか。
「ごちそうさまでした!」
食事が終わり、ナツとハナちゃんがお喋りをしながら食器を洗っている。ニーナ様もハナちゃんの横に立って、話に加わろうとするが中々は入れないでアタフタしている。私はソファーに座って、その様子を眺める。家族団欒ってこんな感じなのかな?実家では親とギクシャクしていたので、ゴハンを食べ終わると私はすぐに自分の部屋に戻ってしまっていた。
夜の散歩もだいぶ寒くなってきた。田んぼや畑には雪が薄ら積もっている、風も冷たくて冷え性の私にはこたえる。ハナちゃんとニーナ様は走ったり飛び跳ねたり、日中のジッとしている生活の鬱憤を晴らしている。ナツも一緒になって走りまわる、まったく犬の散歩みたいだ。
私がトボトボ後をついていくと、ニーナ様がやってきた。何だろう?と思ったらいきなり雪玉を私に投げてきた、カッとなった私はニーナ様を追いかける。逃げるニーナ様の足の速い事、まぁ日頃から運動不足の私の足が遅いのか。
少し走っただけで息切れしてしまったが、身体はあったまってきた。すると後ろからニーナ様が私に抱きついてきた。
「ごめんなさい、怒った?」
「別に、でもお返し!」
と私は隠し持っていた雪玉をニーナ様の頭にポンと投げつける。
「ひどい!もう!」
頭が雪まみれのニーナ様は怒った顔をしているが、半分笑ってる。ハナちゃんとナツも笑ってる、私もつられて笑い出す、こんな家族ならずっと一緒にいたい。
コンビニに着くと、ハナちゃんとニーナ様は目をキラキラさせて見て回る。ニーナ様は特にアイスが好きで、選ぶのにかなり時間をかけた。結局いつものカップアイスを買って帰る。
帰り道、何となく四人で手を繋いで歩く。都会なら横並びで歩くと迷惑きわまりないが、ここは田舎、人や車は滅多に通らない。ハナちゃんが何となく歌い出す、するとニーナ様も歌う。私とナツはその美しい歌声を、星空を眺めながら聴き入る。
明日はいい天気になりそうだ。
とは言え私が怒鳴ってから2~3日はしおらしかったのだが、徐々に元のワガママな性格も戻ってきた。まぁニーナ様もハナちゃんに負けず劣らずカワイイので、ついつい許してしまっているのが現状だ。
「ちょっと!ニンジンは入れないでって言ったじゃない!私は食べないからね」
「もう!ニーナさんったら、ごめんなさい」
「はいはい、私が食べるから」
「お姉ちゃん、甘やかしすぎぃ」
今日は久しぶりに4人で夕飯を食べる。いつもは私の仕事が遅かったり、ナツのバイトやバンド活動があって、バラバラに食べる事が多かった。今日の献立は肉じゃがと焼き魚、ニーナ様のニンジンを私が取って食べる、こんなに美味しいのにもったいないな。ナツは二人の焼き魚の骨を丁寧に取り除く、ハナちゃんもニーナ様もハシを上手く使えないのでこれはしょうがないか。
「お魚美味しいです!」
「私はお肉の方が好きだけど、魚もまぁまぁね」
そうだ、今日はせっかく4人揃っているから、夜の散歩はみんなで行くか。さっそく提案すると、みんな快くOKしてくれた。今日はどのコースを歩こうかな?まぁコンビニで甘い物でも買って帰るコースでいいか。
「ごちそうさまでした!」
食事が終わり、ナツとハナちゃんがお喋りをしながら食器を洗っている。ニーナ様もハナちゃんの横に立って、話に加わろうとするが中々は入れないでアタフタしている。私はソファーに座って、その様子を眺める。家族団欒ってこんな感じなのかな?実家では親とギクシャクしていたので、ゴハンを食べ終わると私はすぐに自分の部屋に戻ってしまっていた。
夜の散歩もだいぶ寒くなってきた。田んぼや畑には雪が薄ら積もっている、風も冷たくて冷え性の私にはこたえる。ハナちゃんとニーナ様は走ったり飛び跳ねたり、日中のジッとしている生活の鬱憤を晴らしている。ナツも一緒になって走りまわる、まったく犬の散歩みたいだ。
私がトボトボ後をついていくと、ニーナ様がやってきた。何だろう?と思ったらいきなり雪玉を私に投げてきた、カッとなった私はニーナ様を追いかける。逃げるニーナ様の足の速い事、まぁ日頃から運動不足の私の足が遅いのか。
少し走っただけで息切れしてしまったが、身体はあったまってきた。すると後ろからニーナ様が私に抱きついてきた。
「ごめんなさい、怒った?」
「別に、でもお返し!」
と私は隠し持っていた雪玉をニーナ様の頭にポンと投げつける。
「ひどい!もう!」
頭が雪まみれのニーナ様は怒った顔をしているが、半分笑ってる。ハナちゃんとナツも笑ってる、私もつられて笑い出す、こんな家族ならずっと一緒にいたい。
コンビニに着くと、ハナちゃんとニーナ様は目をキラキラさせて見て回る。ニーナ様は特にアイスが好きで、選ぶのにかなり時間をかけた。結局いつものカップアイスを買って帰る。
帰り道、何となく四人で手を繋いで歩く。都会なら横並びで歩くと迷惑きわまりないが、ここは田舎、人や車は滅多に通らない。ハナちゃんが何となく歌い出す、するとニーナ様も歌う。私とナツはその美しい歌声を、星空を眺めながら聴き入る。
明日はいい天気になりそうだ。
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