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66.いざ伯爵邸へ
エストと話した後、軽く軽食を取った俺は明日に備えて寝る事にした。
衝撃的な事実が幾つも判明した、ショックと興奮で眠れないかと思ったが速攻で夢の国に旅立った。
自分のこういった図太さは悪くないと思う。
朝もしっかり食事を摂って、それから入浴もしてきっちり外出用の身嗜みも整えた。
本日の俺もセシリアのドレスがよく似合う。
いや、俺だってノリノリで着ているわけじゃない。
アリオスに偽花嫁だと白状したし、そもそも彼は最初から知っていたし俺だって男の格好をしたい。
でも持ってきている服が全部女性用なのだ。セシリアのふりをして輿入れしたから当然なのだが。
アリオスに服を貸してくれなんて図々しいことは言えないし、悔しいがそもそもサイズが合わない。
そういえばアリオスは俺にこれからも公爵邸にいて欲しいみたいだけど、その場合はやはりセシリアの代わりということだろうか。
彼は子供を作る必要もないし、相手の性別なんて正直どうでもいいだろうが妻は必要みたいだからな。
女装にも大分慣れてきたから俺は別にいいけど。
ただその場合本物のセシリアはどうなるんだろう。逆にセレストと名乗って俺の代わりになるとか。無いな。
それも彼女に会ってから考えることにしよう。結局セシリアの話を聞かなければ肝心なことは何一つわからないのだから。
妹に聞きたいことは幾らでもある。その中の一つに俺の元婚約者アイリーンの行方があった。
彼女は好きな人と一緒になるという書置きを残して実家から消えたらしい。
それがセシリアの失踪と前後していたので俺は愚直にも二人が駆け落ちしたと思い込んでしまった。
だがセシリアが父によって監禁されているのならそれは間違いになる。
ならアイリーンは今何所にいるのだろう。自分意思で家を出たのか、それともセシリアと同じように親に捕らえられているのか。
恋愛感情は無いとはいえ幼馴染だ。無事でいて欲しいし行方も知りたい。だが流石にアイリーンの件までアリオスを頼る訳にはいかない。
父とセシリアの件が片付いたら俺自身で、そして可能ならセシリアに協力して貰って彼女を捜すことにしよう。
そう自分への宿題を増やしていると馬車の用意が出来たと呼ばれた。
アリオスが用意した馬車は二台あった。どうやら俺とアリオス、そしてエストとオリバーという組み合わせらしい。
以前の俺だったら彼と二人きりなんてストレスで胃を痛めてしまいそうだが、今は大丈夫だ。寧ろ気楽さまで感じている。
アリオスに手を差し伸べて介助して貰いドレス姿の俺は立派な馬車に乗り込んだ。
行先はリード伯爵家だ。アリオスは事前連絡を一切していないらしい。証拠隠滅をされたら面倒だからと話していた。
まだ午前だから父も母も家にいるだろう。外に出たり人と会う仕事は長兄夫妻が大分前から一任されているらしいし。
次代のリード伯爵として顔を売り込む為らしい。一つ屋根の下に暮らしているのに完全に他人事だ。
長男は体が弱いけど穏やかな人で、その妻になった人も物静かな人だと記憶している。実際の性格なんてわからない。
年が離れているから余り関わることも無かったし。
でも父の本性にも全く気付かずにいたのだから単に俺が家族に無関心なだけかもしれなかった。
そんなことを考えながらぼんやりしていると違和感に気づく。
少しずつ移り変わる窓の外の景色が、どう考えても実家への道ではないのだ。
衝撃的な事実が幾つも判明した、ショックと興奮で眠れないかと思ったが速攻で夢の国に旅立った。
自分のこういった図太さは悪くないと思う。
朝もしっかり食事を摂って、それから入浴もしてきっちり外出用の身嗜みも整えた。
本日の俺もセシリアのドレスがよく似合う。
いや、俺だってノリノリで着ているわけじゃない。
アリオスに偽花嫁だと白状したし、そもそも彼は最初から知っていたし俺だって男の格好をしたい。
でも持ってきている服が全部女性用なのだ。セシリアのふりをして輿入れしたから当然なのだが。
アリオスに服を貸してくれなんて図々しいことは言えないし、悔しいがそもそもサイズが合わない。
そういえばアリオスは俺にこれからも公爵邸にいて欲しいみたいだけど、その場合はやはりセシリアの代わりということだろうか。
彼は子供を作る必要もないし、相手の性別なんて正直どうでもいいだろうが妻は必要みたいだからな。
女装にも大分慣れてきたから俺は別にいいけど。
ただその場合本物のセシリアはどうなるんだろう。逆にセレストと名乗って俺の代わりになるとか。無いな。
それも彼女に会ってから考えることにしよう。結局セシリアの話を聞かなければ肝心なことは何一つわからないのだから。
妹に聞きたいことは幾らでもある。その中の一つに俺の元婚約者アイリーンの行方があった。
彼女は好きな人と一緒になるという書置きを残して実家から消えたらしい。
それがセシリアの失踪と前後していたので俺は愚直にも二人が駆け落ちしたと思い込んでしまった。
だがセシリアが父によって監禁されているのならそれは間違いになる。
ならアイリーンは今何所にいるのだろう。自分意思で家を出たのか、それともセシリアと同じように親に捕らえられているのか。
恋愛感情は無いとはいえ幼馴染だ。無事でいて欲しいし行方も知りたい。だが流石にアイリーンの件までアリオスを頼る訳にはいかない。
父とセシリアの件が片付いたら俺自身で、そして可能ならセシリアに協力して貰って彼女を捜すことにしよう。
そう自分への宿題を増やしていると馬車の用意が出来たと呼ばれた。
アリオスが用意した馬車は二台あった。どうやら俺とアリオス、そしてエストとオリバーという組み合わせらしい。
以前の俺だったら彼と二人きりなんてストレスで胃を痛めてしまいそうだが、今は大丈夫だ。寧ろ気楽さまで感じている。
アリオスに手を差し伸べて介助して貰いドレス姿の俺は立派な馬車に乗り込んだ。
行先はリード伯爵家だ。アリオスは事前連絡を一切していないらしい。証拠隠滅をされたら面倒だからと話していた。
まだ午前だから父も母も家にいるだろう。外に出たり人と会う仕事は長兄夫妻が大分前から一任されているらしいし。
次代のリード伯爵として顔を売り込む為らしい。一つ屋根の下に暮らしているのに完全に他人事だ。
長男は体が弱いけど穏やかな人で、その妻になった人も物静かな人だと記憶している。実際の性格なんてわからない。
年が離れているから余り関わることも無かったし。
でも父の本性にも全く気付かずにいたのだから単に俺が家族に無関心なだけかもしれなかった。
そんなことを考えながらぼんやりしていると違和感に気づく。
少しずつ移り変わる窓の外の景色が、どう考えても実家への道ではないのだ。
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