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麦秀に寄す心
辺境の地
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寝不足は危険。
グラントはよくよく知っている。
交渉の場に睡眠不足で臨んだりなんかしたらきっとキレて判断を誤る。
そう考えて、昨夜はちゃんと寝た。
ただ、古いウールの塊に寄りかかって寝たので背中が痛い。
昨夜のうちに魔物の鳥たちが沿岸に配置した。
リケの港へも後片付けを手伝う者が数名ついている。
向こうでは船の整備が終わり、帆船は朝方に出航した。
魔物たちが協力するので昼にはこちらへ着く。
この領地の城は山の上にあった。
山頂部分は広く平らになっていて、城の背面に大きな泉が湧く。
そこに、魔物が現れた。
ひとりは湖の主トーニャ。
もうひとりは海砦を守るダルコ。
「あんた、海水でしょ。泉に何の用なの?」
膝まで届くような赤毛の髪を梳きながら、細身のドレスを着た女性が嫌な顔を向けている。
その先にいるのは、漁師の格好をした男性だった。
白い肌をしている。
「水生生物なんだよ。水辺に来らあ」
「水、かけないでよ! 元に戻っちゃうから!」
「人魚が水を嫌がる……」
意地悪く笑った男性が泉の水を手ですくった。
「ダルコ、嫌がらせするな。トーニャがヘソを曲げたら厄介だ」
エルネストが声をかける。
「よう。弱ってるな、エルネスト」
ダルコは盾の魔物をまじまじと見た。それから、傍らに立つ魔法使いを見る。
「それが、昨日助けにきてくれたグラントか」
手のひらから水を遠くに投げた。
「俺はダルコ。海砦を守ってる。
敵は現在総数300ほど。港に200くらいいる。
トーニャの方に残りがいて、湖の底にも100ほど沈んでる。
あとは海か森の中かな。かしらは派手めな赤い軍服を着た人間だよ」
早口に戦況を説明する。
「で、これから停戦交渉するの? あいつらもここに暮らすのか?」
「まだ分からない。ここに来た目的はなんだろう。聞いている?」
グラントの問いには否と言った。
「食料と武器はないのかって、聞かれたな。
封印符をたくさん持ってた。俺は最初に貼られて突破された」
「今も? 封印された状態で人の姿を保ってるの?」
「そうだよ。普通のイカに戻ってしまうほど強力なやつじゃない。
使ってるのはただの人間だし。
あれが封印得意な魔法使いなら俺はここに来れてない」
使い方は上級編までありそうだ。
ビギナーキットではそういう使い方は解説されていない。
グラントが封印符を剥がすと、ダルコは驚いたように札を掴んだ。
「楽になった。ありがとう。
魔力は余裕があるのか? とるの早いんだな。
二日くらいかけてゆっくり剥がすのかと思った」
そういうふうにしたら負担が少なそう。
「城へ入ろう。領民も起き始めた頃だ」
エルネストがトーニャを促した。
ダルコはいったん泉に近づいて、落ちていた紐を引く。
「朝飯持ってきたよ。みんなで食べよう」
歩くほどに大きなかげが姿を現した。
それは目の細かい網で、中には大量の貝や魚がある。
「芋かなんか、残ってるといいんだけど」
「ミルクは無限に出せるよ」
グラントの言葉に顔を明るくした。
「スープを作るか。うまそうだなあ。
腹減った!」
グラントがそんなダルコからちょっと離れた。
魚介類は扉に引っかかるほどの量だ。
朝から、また競技会が開催された。
朝食が片付いた頃に、帆船が入港すると連絡が入った。
隣国の兵士の方も城門の前に集まっている。
グラントは崩れ落ちかけているゲートハウスに上った。
右手の小指には布が巻いてある。
魔王は不満げだ。
赤い軍服の人物が隊列の中程にいる。
副官か。
グラントはエコーを呼んだ。
小さな女の子の姿の妖精は胸壁の間から敵兵を覗く。
「隣国での経緯は聞き及んでいます」
グラントの声は静かだが、奥の兵士まで届く。
「どうして早々に離脱したんです?
作戦ですか? 仲間割れですか?」
「大将とは意見が分かれた」
副官は答えた。
「この港を見て考えたのだ。
建物が残っているなら、きれいにして住めばいい。
国軍とやり合って疲労していた折である。
ここへの上陸を提案したが、大将はリケへと言った。
それで我々はこちらへ進路を変更した」
勝手に離脱といったガンナーの言葉は本当らしい。
「初めに武器をご所望でしたね。何のためでしょうか」
「リケを獲ったら、大将はここへ来る。それに備えたい」
ラーポが屋根の上にとまり、ひとの姿になった。
エルネストはグラントの隣に現れる。
ダルコは少し離れて歩廊に立っていた。
「もはや心配は無用ですよ。大将はしばらく動けません」
「大将が捕えられたというのは本当なのか。
リケ公メイソンに負けた? 国軍との戦いの直後とはいえ、海軍の首領だぞ」
「公は兵団を雇いました。指揮官には騎士団の人間を頼みましたので」
赤い軍服の副官は首を傾げる。
「こちらには魔法使いがいたであろう。
強いやつだ。一人で中隊を相手にできるような」
「その方も捕えました」
グラントは杖で軽く床を叩いた。
「あなたはどうされます? 亡命してここの領民となりますか?
それとも船を修理し逃走を続けますか?」
まだ山ほど聞きたいことがありそうな副官を見つめる。
「ここはシュッツフォルトです」
辺境領において相手に知っておいてほしいことはひとつだ。
ここはどこの国なのか。
「これ以上の攻撃は明らかな領土侵犯になります」
隊の中に細波のような動揺が広がっていった。
彼らも自分の身の上は十分承知しているだろう。
自国から逮捕状が出ている。
彼らの籍はまだ自国にあり、罪を裁かれる前の彼らは正規の軍人だった。
海軍として別の国の領土を侵犯していることになる。
この争いに負けて自国に送り返されたら二重に罪を負うことになった。
しかも、リケと異なり、ここには人質にすべき領主がいない。
あとがない戦いに巻き込まれたのだ。
「辺境領とは、国を守る盾ですよ」
魔法使いの杖が、ゆっくり副官を向く。
「打ち捨てられた土地ではありません」
それが辺境領の務めだ。
じじいは国境を守るとき、必ず言う。
たとえ国から国防費など払われていなかったとしても。
「ご返答ください」
副官に決断を迫るその瞳は、深い闇の色をしている。
悔しいことに、コーマックの怒鳴り声が、頭に浮かんでくるのだ。
この地はシュッツフォルトだ。
「今でも税は払っておりますよ。ちゃんとした国民です」
ラーポが上からこっそり教えてくれた。
副官は背後に何か指示を出す。
顎を上げてグラントに質問した。
「お前はリケが雇った兵団の人間か」
「そうです」
「団員は今、リケか。捕虜は多いのか?
兵団が到着した様子はないな」
彼らは港に拠点を置いている。
今朝まではどこからも兵士が侵入した形跡がないことを知っていた。
グラントは敵の配列を見やった。
残兵300人の軍隊は、幅二十歩ほどしか広がっていない。
グラントの魔法が十分に届く範囲だ。
前列にいるのは盾と槍。
後列にも槍が見える。
破城槌のような兵器はもう運んできていなかった。
赤服の周りを固めるのは短弓兵である。
彼自身は剣士のようだ。
「隊はここへ向かっております」
グラントは自分の周りに視線を巡らせる。
まだ無理をさせたくないエルネストとダルコ。
1対1なら得意だが、集団戦には向かないラーポ。
目下の番長がトーニャ。
「迷うな」
赤服が号令した。
「戦える魔物は一人しかいないようだ。
城の中には疲弊した人間しか残っていないんだぞ。
まだ呪符は残っており、彼の援軍は到着していない」
合図に後方の兵士たちが槍を振りかぶる。
「ここを落とすなら今だ」
後列の槍が城門に向かって放たれた。
動きかけるエルネストを止める。
「領土侵犯を選んだんですね」
杖を強く振ると、槍はゲートに届く寸前で地面に叩き落とされる。
「勝敗の着地点はどこです? ゲートが破られる? あなたが馬から落ちる?」
グラントは杖を手前の兵士に差し向けた。
剣が折れる。
「わたしは命のやりとりを望みません。
降伏したい者は早めに武器を置いて教えてください」
副官の馬が動いた。
「悪いんだが私は魔物と一緒に暮らせる性分ではなくてな。
おまえたちを一掃してから人間用に直して暮らす」
「そうですか」
グラントの指先が変化する。
赤い光が宿った。指を弾く。
手前の地面に当たって土が飛んだ。
続けて打ち続けると、隊列は徐々に下がっていく。
グラントがゲートハウスを降りた。門のところにいたトーニャがそこを開ける。
「では、溶岩と戦うか」
赤い光は徐々に水溜まりのように集まった。
どんどんかさは増えていき、泉のように大きくなる。
短弓が一斉にグラントを向いた。
射かけた矢の鏃が変な形をしている。
怪訝そうに眉を動かしたグラントが、杖で強く地面を叩いた。
矢が威力を失って溶岩に落ちる。
前列の兵士が後ろを押した。
熱を逃れたい。
傾斜のかかったその場所を、兵士は転がりながら逃げた。
溶岩が地面を焼きながら追ってくる。
副官がこちらを向いて矢を放った。
鏃を固定する箇所に布が付いている。
「封印符」
はたき落として溶岩に放り込む。
「これ、嫌いなんです」
はぁ、とため息が出た。
副官が後進を命じて、敵兵の退く速度が上がる。
こうやってエルネストたちに封印符をつけたのか。
痛い思いをすると分かってる方法でわざわざするなんて。
「最低」
だん、と地面を叩く音がした。
昨日それを見た兵士が肩をふるわせる。
泉のようになった溶岩から、大きな手が片方出てきていた。
「巨人が出てくるぞっ。鎧を捨てて逃げろ」
誰かが叫ぶ。
これ、おじいさまと遊ぶときにやってただけなんだけど。
そうは思ったがグラントは無表情でいる。
よくある祖父とのごっこ遊びで。
悪役が足りないのでこれを出していた。
この辺境領あたりに来てからたびたび思い出してしまう。
ひとの頭が出てきた。
大きな口を開けた溶岩が首を伸ばす。
兵士たちはただただ走り出していた。
そこに、クロスボウの音が聞こえた。
副官が馬から落ちた。
「グラントっ」
ウーシーの声。
「戦ってたよな? 確認しないで撃っちゃったけど」
「戦ってた」
グラントは溶岩を片付けた。
ウーシーの肩には小鳥がとまっている。
連絡してくれていたのだ。
グラントはラーポを仰ぎ見て微笑う。
「よーし、放てっ」
クロスボウを構える隊が矢を射た。
先を逃げていた兵士が倒れていく。
「クロスボウ後退、剣は前へ」
レイの声がした。
バレットとリケの兵士がそこにいる。
「突撃せよ」
隊が剣を抜いて走り込んだ。
隣国の兵士たちはすでに武器を捨てている者も多い。
副官の部隊はすぐに制圧された。
港にある倉庫に副官の部隊が集められた。
朽ちた屋根が落ちているので、雨が降らないことを祈る。
魔物の鳥たちが捕虜の肩にとまっている。
スズメだからと侮って、逃走するそぶりを見せた人間が思い切りつつかれていた。
「これからレイが交渉に行くよ」
ウーシーは大きなカバンをいつも通りがちゃがちゃ言わせていた。
「1週間くらいでまたここに戻るって。
賠償の話もまとめてくるつもりだってさ」
船には今、メイソン卿も乗っているという。
ついでにダンスの講師も乗せてきたからここに下ろしていくと言われた。
これ以上サボったら侯爵本人が来る。
「この人たちの分も交渉に入れたら、すごいことになっちゃうね」
明るく笑った。
それから少し笑みをおさめて、レイを見る。
「あのさ、グラント。いっこ事件があったんだよ」
レイはいつも通り生真面目そうな顔で、書類をまとめていた。
「ガンナーが逃げた」
グラントもレイを見る。
彼が見張りをしていた。それが逃げた?
「どっかに杖の代わりになる道具を持ってたのかなあ。
朝行ってみたら、レイが倒れてて、ガンナーはいなかった」
「……そう」
ガンナーは首謀者ではない。副官の口ぶりだと直前に雇われただけのようだった。
だから逃しても責任は大きくない。
そのはずだ。
「レイ」
兵士が離れたところで話しかけた。
レイははっとした顔をする。
「ガンナーが逃げたって? ……気にしてる?」
苦い色の表情を見せた。
「すまない。失敗した。
ここから来ていた鳥にも協力を得て探したんだが。
どういう方法を使ったのか消えた」
「あの人はそれほど深く関わってたわけじゃないらしい。
単なる傭兵だ。いてもいなくても交渉にあまり影響ないよ」
レイはちょっと考えて、口を開けて、すぐに閉じる。
「体調は?」
グラントが聞くと、なんともないと首を振った。
「レイの責任じゃないからね。わたしが不在にしていたのが悪い」
「行けと言ったのは私だ。しかも、ガンナーの前で」
あの人は、わざとレイを倒して行った気がする。
生真面目で真っ直ぐなレイの心を折るために。
「グラント、おまえに偉そうなことを言ったが」
「落ち込むよね。あの人のやり方」
グラントはそっと笑った。レイもかすかに笑って頷く。
「腹が立つ」
そう言った彼は無理をするように上を向いていた。
エリカを思い出す。心が折れても、直して立とうとしてしまう。
「どうやって幻術にかけるんだろう。
レイは術者を見ちゃいけないって分かってるのに」
「バロールの徽章だけ、見てしまったかもしれない。
手に何か彫られていたが、よくは見なかった」
「ガンナーはずるい人だね。
バロールとか、ジェロディとか。
こちらがもしかしてこの人味方になる?って思うような情報をちらつかせて。
裏切るようにタチの悪い幻術に閉じ込める」
「詐欺師だな」
「うん。詐欺師」
ひとしきり悪口を言って、お互いにひとつだけ声にして笑った。
「あの人、次は捕まえる」
「仕留める」
言ってしまってから、また、意見が分かれたことに気づいてお互い嘆息する。
「旅の目的地が一緒なのに、全然違う場所に観光に行くね」
「そうだな」
レイは書類を持ってすぐに船へ乗って行った。
港の中でウーシーを探して歩いていると、すでにダルコと仲良くなった親友を見つけた。
グラントはよくよく知っている。
交渉の場に睡眠不足で臨んだりなんかしたらきっとキレて判断を誤る。
そう考えて、昨夜はちゃんと寝た。
ただ、古いウールの塊に寄りかかって寝たので背中が痛い。
昨夜のうちに魔物の鳥たちが沿岸に配置した。
リケの港へも後片付けを手伝う者が数名ついている。
向こうでは船の整備が終わり、帆船は朝方に出航した。
魔物たちが協力するので昼にはこちらへ着く。
この領地の城は山の上にあった。
山頂部分は広く平らになっていて、城の背面に大きな泉が湧く。
そこに、魔物が現れた。
ひとりは湖の主トーニャ。
もうひとりは海砦を守るダルコ。
「あんた、海水でしょ。泉に何の用なの?」
膝まで届くような赤毛の髪を梳きながら、細身のドレスを着た女性が嫌な顔を向けている。
その先にいるのは、漁師の格好をした男性だった。
白い肌をしている。
「水生生物なんだよ。水辺に来らあ」
「水、かけないでよ! 元に戻っちゃうから!」
「人魚が水を嫌がる……」
意地悪く笑った男性が泉の水を手ですくった。
「ダルコ、嫌がらせするな。トーニャがヘソを曲げたら厄介だ」
エルネストが声をかける。
「よう。弱ってるな、エルネスト」
ダルコは盾の魔物をまじまじと見た。それから、傍らに立つ魔法使いを見る。
「それが、昨日助けにきてくれたグラントか」
手のひらから水を遠くに投げた。
「俺はダルコ。海砦を守ってる。
敵は現在総数300ほど。港に200くらいいる。
トーニャの方に残りがいて、湖の底にも100ほど沈んでる。
あとは海か森の中かな。かしらは派手めな赤い軍服を着た人間だよ」
早口に戦況を説明する。
「で、これから停戦交渉するの? あいつらもここに暮らすのか?」
「まだ分からない。ここに来た目的はなんだろう。聞いている?」
グラントの問いには否と言った。
「食料と武器はないのかって、聞かれたな。
封印符をたくさん持ってた。俺は最初に貼られて突破された」
「今も? 封印された状態で人の姿を保ってるの?」
「そうだよ。普通のイカに戻ってしまうほど強力なやつじゃない。
使ってるのはただの人間だし。
あれが封印得意な魔法使いなら俺はここに来れてない」
使い方は上級編までありそうだ。
ビギナーキットではそういう使い方は解説されていない。
グラントが封印符を剥がすと、ダルコは驚いたように札を掴んだ。
「楽になった。ありがとう。
魔力は余裕があるのか? とるの早いんだな。
二日くらいかけてゆっくり剥がすのかと思った」
そういうふうにしたら負担が少なそう。
「城へ入ろう。領民も起き始めた頃だ」
エルネストがトーニャを促した。
ダルコはいったん泉に近づいて、落ちていた紐を引く。
「朝飯持ってきたよ。みんなで食べよう」
歩くほどに大きなかげが姿を現した。
それは目の細かい網で、中には大量の貝や魚がある。
「芋かなんか、残ってるといいんだけど」
「ミルクは無限に出せるよ」
グラントの言葉に顔を明るくした。
「スープを作るか。うまそうだなあ。
腹減った!」
グラントがそんなダルコからちょっと離れた。
魚介類は扉に引っかかるほどの量だ。
朝から、また競技会が開催された。
朝食が片付いた頃に、帆船が入港すると連絡が入った。
隣国の兵士の方も城門の前に集まっている。
グラントは崩れ落ちかけているゲートハウスに上った。
右手の小指には布が巻いてある。
魔王は不満げだ。
赤い軍服の人物が隊列の中程にいる。
副官か。
グラントはエコーを呼んだ。
小さな女の子の姿の妖精は胸壁の間から敵兵を覗く。
「隣国での経緯は聞き及んでいます」
グラントの声は静かだが、奥の兵士まで届く。
「どうして早々に離脱したんです?
作戦ですか? 仲間割れですか?」
「大将とは意見が分かれた」
副官は答えた。
「この港を見て考えたのだ。
建物が残っているなら、きれいにして住めばいい。
国軍とやり合って疲労していた折である。
ここへの上陸を提案したが、大将はリケへと言った。
それで我々はこちらへ進路を変更した」
勝手に離脱といったガンナーの言葉は本当らしい。
「初めに武器をご所望でしたね。何のためでしょうか」
「リケを獲ったら、大将はここへ来る。それに備えたい」
ラーポが屋根の上にとまり、ひとの姿になった。
エルネストはグラントの隣に現れる。
ダルコは少し離れて歩廊に立っていた。
「もはや心配は無用ですよ。大将はしばらく動けません」
「大将が捕えられたというのは本当なのか。
リケ公メイソンに負けた? 国軍との戦いの直後とはいえ、海軍の首領だぞ」
「公は兵団を雇いました。指揮官には騎士団の人間を頼みましたので」
赤い軍服の副官は首を傾げる。
「こちらには魔法使いがいたであろう。
強いやつだ。一人で中隊を相手にできるような」
「その方も捕えました」
グラントは杖で軽く床を叩いた。
「あなたはどうされます? 亡命してここの領民となりますか?
それとも船を修理し逃走を続けますか?」
まだ山ほど聞きたいことがありそうな副官を見つめる。
「ここはシュッツフォルトです」
辺境領において相手に知っておいてほしいことはひとつだ。
ここはどこの国なのか。
「これ以上の攻撃は明らかな領土侵犯になります」
隊の中に細波のような動揺が広がっていった。
彼らも自分の身の上は十分承知しているだろう。
自国から逮捕状が出ている。
彼らの籍はまだ自国にあり、罪を裁かれる前の彼らは正規の軍人だった。
海軍として別の国の領土を侵犯していることになる。
この争いに負けて自国に送り返されたら二重に罪を負うことになった。
しかも、リケと異なり、ここには人質にすべき領主がいない。
あとがない戦いに巻き込まれたのだ。
「辺境領とは、国を守る盾ですよ」
魔法使いの杖が、ゆっくり副官を向く。
「打ち捨てられた土地ではありません」
それが辺境領の務めだ。
じじいは国境を守るとき、必ず言う。
たとえ国から国防費など払われていなかったとしても。
「ご返答ください」
副官に決断を迫るその瞳は、深い闇の色をしている。
悔しいことに、コーマックの怒鳴り声が、頭に浮かんでくるのだ。
この地はシュッツフォルトだ。
「今でも税は払っておりますよ。ちゃんとした国民です」
ラーポが上からこっそり教えてくれた。
副官は背後に何か指示を出す。
顎を上げてグラントに質問した。
「お前はリケが雇った兵団の人間か」
「そうです」
「団員は今、リケか。捕虜は多いのか?
兵団が到着した様子はないな」
彼らは港に拠点を置いている。
今朝まではどこからも兵士が侵入した形跡がないことを知っていた。
グラントは敵の配列を見やった。
残兵300人の軍隊は、幅二十歩ほどしか広がっていない。
グラントの魔法が十分に届く範囲だ。
前列にいるのは盾と槍。
後列にも槍が見える。
破城槌のような兵器はもう運んできていなかった。
赤服の周りを固めるのは短弓兵である。
彼自身は剣士のようだ。
「隊はここへ向かっております」
グラントは自分の周りに視線を巡らせる。
まだ無理をさせたくないエルネストとダルコ。
1対1なら得意だが、集団戦には向かないラーポ。
目下の番長がトーニャ。
「迷うな」
赤服が号令した。
「戦える魔物は一人しかいないようだ。
城の中には疲弊した人間しか残っていないんだぞ。
まだ呪符は残っており、彼の援軍は到着していない」
合図に後方の兵士たちが槍を振りかぶる。
「ここを落とすなら今だ」
後列の槍が城門に向かって放たれた。
動きかけるエルネストを止める。
「領土侵犯を選んだんですね」
杖を強く振ると、槍はゲートに届く寸前で地面に叩き落とされる。
「勝敗の着地点はどこです? ゲートが破られる? あなたが馬から落ちる?」
グラントは杖を手前の兵士に差し向けた。
剣が折れる。
「わたしは命のやりとりを望みません。
降伏したい者は早めに武器を置いて教えてください」
副官の馬が動いた。
「悪いんだが私は魔物と一緒に暮らせる性分ではなくてな。
おまえたちを一掃してから人間用に直して暮らす」
「そうですか」
グラントの指先が変化する。
赤い光が宿った。指を弾く。
手前の地面に当たって土が飛んだ。
続けて打ち続けると、隊列は徐々に下がっていく。
グラントがゲートハウスを降りた。門のところにいたトーニャがそこを開ける。
「では、溶岩と戦うか」
赤い光は徐々に水溜まりのように集まった。
どんどんかさは増えていき、泉のように大きくなる。
短弓が一斉にグラントを向いた。
射かけた矢の鏃が変な形をしている。
怪訝そうに眉を動かしたグラントが、杖で強く地面を叩いた。
矢が威力を失って溶岩に落ちる。
前列の兵士が後ろを押した。
熱を逃れたい。
傾斜のかかったその場所を、兵士は転がりながら逃げた。
溶岩が地面を焼きながら追ってくる。
副官がこちらを向いて矢を放った。
鏃を固定する箇所に布が付いている。
「封印符」
はたき落として溶岩に放り込む。
「これ、嫌いなんです」
はぁ、とため息が出た。
副官が後進を命じて、敵兵の退く速度が上がる。
こうやってエルネストたちに封印符をつけたのか。
痛い思いをすると分かってる方法でわざわざするなんて。
「最低」
だん、と地面を叩く音がした。
昨日それを見た兵士が肩をふるわせる。
泉のようになった溶岩から、大きな手が片方出てきていた。
「巨人が出てくるぞっ。鎧を捨てて逃げろ」
誰かが叫ぶ。
これ、おじいさまと遊ぶときにやってただけなんだけど。
そうは思ったがグラントは無表情でいる。
よくある祖父とのごっこ遊びで。
悪役が足りないのでこれを出していた。
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ひとの頭が出てきた。
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兵士たちはただただ走り出していた。
そこに、クロスボウの音が聞こえた。
副官が馬から落ちた。
「グラントっ」
ウーシーの声。
「戦ってたよな? 確認しないで撃っちゃったけど」
「戦ってた」
グラントは溶岩を片付けた。
ウーシーの肩には小鳥がとまっている。
連絡してくれていたのだ。
グラントはラーポを仰ぎ見て微笑う。
「よーし、放てっ」
クロスボウを構える隊が矢を射た。
先を逃げていた兵士が倒れていく。
「クロスボウ後退、剣は前へ」
レイの声がした。
バレットとリケの兵士がそこにいる。
「突撃せよ」
隊が剣を抜いて走り込んだ。
隣国の兵士たちはすでに武器を捨てている者も多い。
副官の部隊はすぐに制圧された。
港にある倉庫に副官の部隊が集められた。
朽ちた屋根が落ちているので、雨が降らないことを祈る。
魔物の鳥たちが捕虜の肩にとまっている。
スズメだからと侮って、逃走するそぶりを見せた人間が思い切りつつかれていた。
「これからレイが交渉に行くよ」
ウーシーは大きなカバンをいつも通りがちゃがちゃ言わせていた。
「1週間くらいでまたここに戻るって。
賠償の話もまとめてくるつもりだってさ」
船には今、メイソン卿も乗っているという。
ついでにダンスの講師も乗せてきたからここに下ろしていくと言われた。
これ以上サボったら侯爵本人が来る。
「この人たちの分も交渉に入れたら、すごいことになっちゃうね」
明るく笑った。
それから少し笑みをおさめて、レイを見る。
「あのさ、グラント。いっこ事件があったんだよ」
レイはいつも通り生真面目そうな顔で、書類をまとめていた。
「ガンナーが逃げた」
グラントもレイを見る。
彼が見張りをしていた。それが逃げた?
「どっかに杖の代わりになる道具を持ってたのかなあ。
朝行ってみたら、レイが倒れてて、ガンナーはいなかった」
「……そう」
ガンナーは首謀者ではない。副官の口ぶりだと直前に雇われただけのようだった。
だから逃しても責任は大きくない。
そのはずだ。
「レイ」
兵士が離れたところで話しかけた。
レイははっとした顔をする。
「ガンナーが逃げたって? ……気にしてる?」
苦い色の表情を見せた。
「すまない。失敗した。
ここから来ていた鳥にも協力を得て探したんだが。
どういう方法を使ったのか消えた」
「あの人はそれほど深く関わってたわけじゃないらしい。
単なる傭兵だ。いてもいなくても交渉にあまり影響ないよ」
レイはちょっと考えて、口を開けて、すぐに閉じる。
「体調は?」
グラントが聞くと、なんともないと首を振った。
「レイの責任じゃないからね。わたしが不在にしていたのが悪い」
「行けと言ったのは私だ。しかも、ガンナーの前で」
あの人は、わざとレイを倒して行った気がする。
生真面目で真っ直ぐなレイの心を折るために。
「グラント、おまえに偉そうなことを言ったが」
「落ち込むよね。あの人のやり方」
グラントはそっと笑った。レイもかすかに笑って頷く。
「腹が立つ」
そう言った彼は無理をするように上を向いていた。
エリカを思い出す。心が折れても、直して立とうとしてしまう。
「どうやって幻術にかけるんだろう。
レイは術者を見ちゃいけないって分かってるのに」
「バロールの徽章だけ、見てしまったかもしれない。
手に何か彫られていたが、よくは見なかった」
「ガンナーはずるい人だね。
バロールとか、ジェロディとか。
こちらがもしかしてこの人味方になる?って思うような情報をちらつかせて。
裏切るようにタチの悪い幻術に閉じ込める」
「詐欺師だな」
「うん。詐欺師」
ひとしきり悪口を言って、お互いにひとつだけ声にして笑った。
「あの人、次は捕まえる」
「仕留める」
言ってしまってから、また、意見が分かれたことに気づいてお互い嘆息する。
「旅の目的地が一緒なのに、全然違う場所に観光に行くね」
「そうだな」
レイは書類を持ってすぐに船へ乗って行った。
港の中でウーシーを探して歩いていると、すでにダルコと仲良くなった親友を見つけた。
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そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
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【著者プロフィール】アルファポリスより『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』を出版、オリコンライトノベル部門18位を記録。本作は2月に2巻刊行予定。
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