ただの魔法使いです

端木 子恭

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半輪の月を眺む

シェリーの杖2

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 城を出てすぐに杖からカケスが飛び立った。

「シェリーを探して。見つけたらそばについていて」

 一番近くの扉から、幕壁の外へと進む。
 放置された森は道なんかどこにもなくて、グラントは息を切らしながら道を開いた。
 だから幼い自分は溶岩を出したのだと思い出す。

 大砦を出たらすぐに川が流れていた。
 崩れた橋の上をみんなで渡って外へ出た。

 そこは背丈ほどある気合の入った藪で、払うのが大変だった。
 溶岩で燃やしてしまえばどうかとやってみた。

 森林火災みたいになってオークたちと必死に消火した。

 夜になれば魔物も出たが獣も寄ってきた。
 その度に怖くて溶岩を投げつけてはやはり火の海になり。

 朽ちた牧場の跡地でスイートを見つけた時には嬉しかった。
 消火作業の人員が増えた上に、飲み物が確保された。

 その近くには、魔法使いが住んでいたという家にフットマンがいた。
 彼らは獣を一撃で焼き尽くすのを見て面白がった。
 必要なものを取り出せるフットマンは火事を止める重要な存在だった。

 野宿しに入り込んだ洞窟でエコーを見つけた。
 廃れた領地の醸造所跡でバレルに会った。
 森の中で飛び抜けて大きな一本杉の近くで、大岩に張りつくモスを見つけた。

 みんなで面白がって剥がしたら、すごく迷惑そうな顔をして現れた。
 静かに出てきたのでしばらく気づかなかった。
 
 モスがいるとちょっとした魔物は寄り付かない。
 顔が陰気なせいだろうか。

 グラントからしてみれば、頼りになる精霊だった。
 
 大杉の周りで焚き火を起こそうとしていたら、ジェロディに出会った。
 森の中で魔物が暴れているみたいだと相談を受け、調べに来ていた。 

「……、火を扱う魔物がいるようだって、聞いたんだが」

 騎士団を辞めたばかりのジェロディは、グラントの様子を見て唖然としていた。

 精霊たちは驚いて隠れてしまった。

「オーク、一緒に戦って」

 グラントの言葉にジェロディは笑ったのだ。
 愉快そうな表情だった。

「やるのか」

 オークがグラントの前に現れて、剣を抜いた。

「確かに戦うつもりできたけど、子どもかぁ。
 なあ、リビー」

 のんびりした口調とは裏腹に、素早く地面に杖を差し向けた。
 木の精霊リビーが現れて、伸びてきた杉の木にあっという間に捕まった。

「待って、この子は相性が最悪だ」
 すぐにリビーはグラントだけ放り出した。
 ジェロディの前に投げ出されたグラントは、杖が振り下ろされるのを見て目を閉じた。

「それ、あったかそうなんだけどね。今は身につけない方がいいかなあ」

 ジェロディが杖で押さえたのはケープだった。
 襟の紐を解いて剥ぎ取る。

「右手は人間の手に戻らない? それだと力出しすぎになる」

 教えてくれているのだと知って、グラントは静かに右手を見た。
 いつからそうだったのか自分でも気づいていなかった。
 だいぶ前に草で巻いて紋章を隠した覚えはある。

 手の方だけ黒い。
 固くなった溶岩のような感じだ。
 腕の方は砂のような色の魔物の姿。

「落ち着いたらきっと戻る。それまではあまり使わないことだよ」

 ジェロディはリビーにオークを解放するように言った。
 十人全員で駆けてきて、あっという間にグラントに群がった。

「その子、すごい立派な杖を持ってる」

 リビーの手にある杖をよくよく見て、ジェロディは一瞬慄いた。

「溶岩か……」
「だから僕とは相性最悪なの」

 木の精霊は苦手そうにグラントを見た。



 思えば、あの当時のジェロディは今よりちゃんと教えてくれていた。

 
「……」

 なんでシェリーにはあの時みたいにちゃんと教えてくれなかったんだろう。

 

  


 日が天頂を過ぎた頃、カケスが1羽やって来た。
 魔物ではないようである。
 言葉を話せなかった。

 窓から黙ってシェリーを見ている。
 普通の野鳥か。

 レシャクの物語が一通り終わった。
 彼はこの場所に押し流されてから三百年近く経っている。

 防腐剤のよく染み込んだ船体と、シュッツフォルトの低温のせいでこれまで土に還らず残ってきた。

 レシャクは人間と過ごす生活が気に入っていたようである。
 できればまた人間の近くで暮らしたいが、乗っていた船はもう動かせない。

「あなたが人間の近くに行けばいいのではない?
 ずっとこうして私を掴んでいるわけにもいかないでしょう?」

 小鳥のシェリーは尋ねた。
 もっともである。
 レシャクは布を巻いた頭を捻った。

「でもさ、本体を守らなきゃ。
 ここから取り出せないんだよ」
「本体って何なの?」

 小鳥の質問に、レシャクは壁、というか船室の天井に片手を添えた。

「この向こうにある。櫂なんだ」

 レシャクの本体は、それ自体がうんと古い櫂だ。
 ずっと折れずに働いて、とうとう精霊が宿った。
 それからは守り神的な扱いになって、船長の部屋に飾られていた。

 横倒しになった時、船の上の部分が潰れて出入り口がなくなったのだ。
 硬い木の船体は力もちのレシャクでも動かせず、ずっと板の向こう。

「ちょっとした隙間もない? 私、なんとかできるかもしれない」
「下手くそ魔法使いなのに?」

 口の悪い飼い主である。

「いつになるかは約束できないけれど、私は確かに人間の姿に戻る。
 そしてまた動物の姿になる時、触れているものも一緒に変身するの。
 もし私が持ち上げられる重さの櫂なら一緒に小さくなって持ち運ぶことができる」

 シェリーがちょっとむっとして説明した。
 レシャクは納得した顔で隙間を探し始める。
 木が生え育った船尾の方に、大人の拳が通りそうな隙間を見つけた。

「鳥は夜目が効かないんじゃないのか。見えるのか?」
「櫂は一つしかないんでしょう? 見えなくても平気です」
「ほら」

 レシャクが穴の近くで小鳥を放した。
 シェリーは隣の船室へ入っていく。

 真っ暗ではない。
 隙間から薄く光が入ってきていた。
 くるりと見回して、天井になっている場所に引っ掛けられた櫂を見つける。

「あった」

 飛んでいって一瞬それに足をかけた。
 
 あとは人間の姿に戻って……。

 そう考えた時、あっさりと小鳥の姿はぼやけたのだ。

「えっ…?」

 背中から瓦礫の上へと転がる。
 急に何も見えなくなった。
 光が弱すぎて視界が真っ暗だ。

「どうした? 大丈夫か?」

 外から心配そうなレシャクの声がする。

「ひとの姿に戻ったの」

 起き上がろうともがきながらシェリーは答えた。
 そして、背中から徐々に染みてくる冷たい感覚にびくりとする。

 泥だ。

 木を伝って流れ込んできた土や枯れ葉や雨水が溜まっていたのだ。


 トーニャに申し訳ない気持ちと、残念な気持ちが湧き上がってくる。


「ケガしたのか? 体が不自由って言ってたな。動けなくなったのか?」

 レシャクは隙間をガリガリ言わして覗き込んだ。
 立ち上がったものの、肩を落としているシェリーを見つける。

「暗いところが怖いのか? 早く変身して出てこい、魔法使い」

 彼にしては精一杯の気遣いだ。
 泣かせたかったわけではない。
 心配そうにシェリーの様子を見ていた。

 窓のカケスが振り返る。
 飛び立つのと同時にかき消えた。

 入れ替わるように黒い髪がのぞいた。

「どういうこと?」

 多分に不穏な声音でグラントが問う。
 その瞳はうっそりとレシャクを見つめていた。

「シェリーを迎えにきた。おまえ、何してるの?」

 はっとしたレシャクは拒否するように両手を大きく振る。

「シェリーの飼い主は今日から俺だ。横取りはなしだぞ」
「……は?」

 グラントは杖をレシャクに差し向けた。

「シェリーはわたしの友だちなんだ。
 ここで飼っていただかなくても結構だ」

 精霊の足元の櫂が砕け散る。
 レシャクはまずい勘違いをしたと悟った。

「待て! 飼うって言ったのは……!」

 失言のせいで魔法使いを怒らせたのである。

「お前の本体はどれだ」

 また別の櫂が折れた。

「この船は竜骨が折れてる。船の精霊は消えたんだな。
 おまえ、モスが言ってた櫂の精霊だ」

 怒鳴ったりはしない。
 けれど、強い声音でグラントは言った。

「シェリーは? 早く出して」

 また櫂が砕ける。

「出られない……、出なくていいぞ、シェリー。
 怖い魔法使いが来てる」

 レシャクが壁の向こうに話しかけるのを、グラントの瞳が追った。
 板の軋む音に、レシャクは悲鳴を上げる。



 あの魔法使いは壁を壊す気だ。



「やめてくれ、やめてっ……そこに俺の本体がある! 壊さないでくれ!」

 真っ青になってレシャクは叫ぶ。

「ではシェリーを」

 グラントは闇の色の瞳でレシャクを見据えた。 

「いい、わかった! 飼うのはやめる!
 だけど今は出られないんだ!」

 無言で板を軋ませる。
 ぱたぱたとパニックになって走り回る精霊は、やがて隙間に取りついた。

「俺の本体はもういいよ! シェリー、早く動物に変身して出てこい!
 ケガしたのか? もう泣くな! とにかく出て……」

 話している途中でレシャクの頭がのけぞった。
 隙間をすり抜けてきたリスとぶつかったのた。

 リスは飛び出すと船体を上る。
 窓から出てきたところをグラントがつかまえた。
 驚いて暴れる動物を抱き竦める。
 杖はレシャクを向いたままだ。

 ややしてラーポが船の上に降り立つ。
 数羽の小鳥が近くにとまった。ラーポの指示を待つように頭を下げる。

「シェリーですか?」
「うん」

 大カラスの姿のラーポは窓から中を覗いた。

「櫂が何か悪戯をしたのですか?」

 怯えて硬直している精霊にため息をつく。

「さあ。事情はよく分からない。シェリーが話せるようになったら聞くよ。
 ところで、ここからラグラスまでどのくらいだろう」
「人の足なら、そうですね……。道なりにいって、日暮れに間に合うかどうかです」
「途中に休める集落はない?」
「ありません」

 シェリーはそれほど歩けない。

 グラントはレシャクを見た。

「おまえ、名前は? シェリーに何をさせていたの?」
「俺はレシャク。シェリーは初めセキレイだった。
 姿を変える時に、もしかしたら俺の櫂と一緒に小さな動物になれるかもって。
 俺がとってこいって言ったんじゃないよ。シェリーが試すって言ったんだ」
「シェリーはここまで一人で?」
「そうだよ。小鳥だと思ったから、つかまえて飼おうとしたんだ。
 でも実は人間で、魔法使いだけど自由に変身できないって言ってた」

 レシャクは相棒が手に入らないと諦めて深く息を吐く。

「ここは人間なんか滅多に来なくて、来ても精霊なんか見えないやつばかり。
 シェリーを飼えば話ができると思ったんだ。ここに来てからずいぶん経つ。
 人間の世界の様子はずいぶん変わったんだろう?」

 レシャクは人間との暮らしが楽しかったのだ。
 本体から離れることが不安でここに残っている。

「今、シェリーが櫂を持っていたら、一緒にラグラスへ行く?」

 グラントの質問に、レシャクは目を見開いた。

「新しい乗り物に興味はある? 機関車が走っているんだ」
「乗ったことない。乗りたい」

 目を輝かせるレシャクに、ラーポは眉を顰めた。

「櫂を持ち帰るのですか?」

 逃げようとしていたリスが大人しくなったので、グラントは呼びかけた。

「シェリー」

 小さな体を伸ばしてリスはグラントを見上げる。

「意識はある?」

 リスは人間のように頷いた。

「今、レシャクの櫂を持ってる?」
「持ってる」

 櫂の精霊は窓に飛びつく。

「じゃあ、魔法使いの住んでるところに行っていいんだな?」

 肩の小さい子どもの姿の精霊は、するりと外へ出てきた。

「シェリー、早く人間に戻って俺に櫂を渡せ」

 その物言いにラーポの嘴が刺さる。
 痛いと言った櫂にカラスは大きく口を開けてみせた。

「シェリーはこの国の殿下なんだ。櫂が飼うのなんのと言った挙句その口のききようか」

 喰われそうな迫力にレシャクは黙る。

「おまえなど、招待するのではないぞ。ラグラスに来たら働け。いいな」
「……」

 しおらしくなったレシャクはそっと船体を滑りおりた。

「シェリーを見つけたと城へ知らせろ」

 木立の鳥に命じると、すぐ二羽が飛び立っていく。

「小鳥から人間の姿になって、すぐまたリスになったの?」

 不思議そうにグラントが尋ねた。
 リスは小さな手でその腕につかまる。

「レシャクの櫂に触れた途端、人間に戻ったの。
 あまりに突然で、ひっくり返ってしまって……」 

 シェリーがその先を言いよどんだ。

「ケガはない?」

 心配そうに尋ねるグラントに「ない」と答える。

「グラントが来たと分かったから、急いで櫂を取ろうとしたの。
 そうしたらまた姿が変わって……」
「では、今、人間に戻れそう?」

 シェリーは試したくなさそうに俯いた。

「泥だらけなの。
 せっかく今朝、トーニャが新しく下さった服だったのに。
 台無しにしてしまったことが申し訳ない」
「ただの泥でしょ? 洗えばきれいになるよ」

 しばらく黙っていたリスの姿が崩れていく。
 シェリーの姿が現れて、両手には櫂を握っていた。
 グラントが何か気づいたように目を留める。
 それからシェリーが気にしていた服を確かめた。

「トーニャが泉を通ったわけが分かった」

 小さく笑う。

 ただ早く見せたかっただけ。
 人魚にとってはいつも通っているのは泉の方だ。

 でもシェリーは怖かった。
 急に水の中に入っていったから。

「新しい服、気に入ってる?」
「とても。履き心地が良くて動きやすい。
 トーニャが決めた形なの」
「いいと思う。ケリーもほしがりそうだ。
 短い髪によく合ってる」

 それに、とシェリーをくるくる回転させる。

「泥だって大したことはないよ。乾けば払い落とせるくらい。
 前から見る分には気にならないね。城に帰るまでにはだいぶ落ちるよ」

 ラーポが嘆息した。

 事情が大体わかった。

「シェリー、申し訳ありません。
 トーニャの粗相につき合わせてしまいました」
「いいえ。トーニャはいつも私のことを最大限思ってくれています。
 泉を通ったことも粗相だなんて思っていません」

 恥ずかしそうにシェリーは言う。

「トーニャは、私の素足を最初に見た時言ったんです。
 私たち、足の形が似てるって」

 その言葉に、グラントがどきんとなった。

「私の足は人間のものと思えないと言われるのですが……。
 人魚に似ているなら、恥じなくていいと思えたんです。
 これから生きていくのに勇気を持って言える言葉をくれた。
 トーニャの行動に不信は一つもありません」

 そう思ってくれただけで、グラントはシェリーがラグラスに来てよかったと思う。
 人間の形が美醜の基準ではないこの土地に。 
 シェリーが来てくれてよかった。

「それでもトーニャには言っておきますが。
 シェリーの気持ちは大変ありがたいものです」

 ラーポは礼儀にちょっとうるさい。

「歩ける? 今はブーツ?」

 グラントがシェリーの足元を見た。
 今日はサンダルだった。

「ラーポ、ここまでラグラスの馬を呼べるかな?」
「少し時間はかかりますが、歩くよりは速いですよ。
 呼びましょう」

 また鳥が木立を発った。
 
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