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第58話 陽キャのノリについて行けない三人
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「陽キャのノリにはついて行けない」
「それには概ね同意だけどおいて行って良かったのかな? 」
「愛莉には愛莉で、俺達以外の付き合いもあるだろ? 」
「放任主義なのですね? あまりかまってあげないとフラれますよ? 」
「だとさ。これから気をつけろよ、トモ」
「え?! 僕の話だったの?! 」
校庭に備えられたベンチに座り俺達は駄弁っていた。
外は寒いが中の熱気に当てられるよりかはマシである。
掲示板の前もそうなのだが教室も騒がしいだろう。
クラスメイトの騒がしさに未だ慣れることのできない俺は、結果発表後はある時からこうして外で時間を潰している。
全員が騒いでいる時その場にいないこと。
これも俺の影が薄い原因の一つだろうとは思うが、注目の的になるよりかは心が落ち着くのも事実。
やっぱり俺には陰キャの素質があるようだ。というか陰キャそのもの。
「でもいっつも一緒に勉強していたのにレン君がいないと寂しがるかもよ? 」
トモが読めない表情でそう言ってきた。
そんなことない、と言いかけた所でぐっと言葉が詰まる。
――そうであってほしい。
そう、思ってしまったのだ。
愛莉には愛莉の付き合いがある。
だから彼女が作るあの輪の中に入らなかったし、三人でここにいる。ある意味勉強会を始める前のコミュニティーになっているのだが、どこか寂しい。
これが恋心からくるものであるとわかっている。
しかし、だからといって俺が一方的に彼女の交友関係を崩していいわけがない。
俺があの輪に入ることにより愛莉の立場を悪くさせる可能性も無きしも非ず。
ならばここで一歩引くのが一番というもの。
あの様子だと彼女は「おめでとう会」のような所へ行くだろう。
ここにいて欲しいというのは俺の単なるエゴで愛莉に強制するものではない。
よって俺はあの輪に入らない。
「レン君。……お? 」
トモが俺を呼んだかと思うと不思議な声を上げて俺の肩の向こう側を見ている。
その目線を追うように俺も顔を横に向けると、――愛莉がこっちに向かってきていた。
「レン。探したよ」
愛莉が怒ったかのような口調で、ずしずしという擬音が聞こえそうな足取りで近づいて来た。
かのような、ではないな。これは本当に怒っているな。
「……愛莉」
「全く学年首席様がどこにいっているのかと思えばこんなところに」
「こんなところに、はこっちの話だ。何か祝勝会? 的なやつは……やらなかったのか? 」
「断ってきた! 」
「「「え? 」」」
俺達が驚く中空いている俺の隣に愛莉が座る。
足に肘をつき顔を支えてぷくーっと顔を膨らませる。
「皆失礼だよね。確かにボクは三十位の中に入ったのに、レンや佐々木君、冴香のお祝いをしないなんて」
「それは……俺達も距離を開けているし? 」
「誘われても断るし? 」
「けど!!! 話に出ないなんておかしいよ! 」
「「「ま、まぁ確かに」」」
学年トップ三がクラスにいるのだ。愛莉の疑問もおかしくはない。
けど俺達は積極的にクラスメイトと交流をしていないから一方的にクラスメイトが責められるのもかわいそうだ。
交流の無い人のお祝い事よりも交流のある人のお祝い事をする方がよっぽど自然。
「レンに至っては「宇治原簾? えっと……そんな人いたっけ? 」だって。ほんとムカつく!!! 」
俺の為に怒ってくれているのはありがたいが、逆に俺の影の薄さが原因な気もする。
顔の知らぬクラスメイトに心の中で謝りつつも隣を見る。
そこには小柄な顔があってまだ膨れていた。
ならば愛莉を祝う行事がないのか。
ならば——。
「代わりに重原さんのお祝いをレンの家でやろうよ」
「え? いいの?! 」
「これなら僕達も一緒に祝うことになるし……ってなに僕の脇腹を捻っているのさ」
「……うるさい」
俺が言おうとしたことを取りやがって。
「レンは……嫌なのかな」
「そんなことは無い。俺達でお祝い会をやろう」
言うと隣の愛莉が「うん! 」と機嫌のいい返事をする。
席を立ち俺の方を見て少し上半身をこちらに突き出し、笑顔で言った。
「ありがとう」
「……それほどでも」
「それには概ね同意だけどおいて行って良かったのかな? 」
「愛莉には愛莉で、俺達以外の付き合いもあるだろ? 」
「放任主義なのですね? あまりかまってあげないとフラれますよ? 」
「だとさ。これから気をつけろよ、トモ」
「え?! 僕の話だったの?! 」
校庭に備えられたベンチに座り俺達は駄弁っていた。
外は寒いが中の熱気に当てられるよりかはマシである。
掲示板の前もそうなのだが教室も騒がしいだろう。
クラスメイトの騒がしさに未だ慣れることのできない俺は、結果発表後はある時からこうして外で時間を潰している。
全員が騒いでいる時その場にいないこと。
これも俺の影が薄い原因の一つだろうとは思うが、注目の的になるよりかは心が落ち着くのも事実。
やっぱり俺には陰キャの素質があるようだ。というか陰キャそのもの。
「でもいっつも一緒に勉強していたのにレン君がいないと寂しがるかもよ? 」
トモが読めない表情でそう言ってきた。
そんなことない、と言いかけた所でぐっと言葉が詰まる。
――そうであってほしい。
そう、思ってしまったのだ。
愛莉には愛莉の付き合いがある。
だから彼女が作るあの輪の中に入らなかったし、三人でここにいる。ある意味勉強会を始める前のコミュニティーになっているのだが、どこか寂しい。
これが恋心からくるものであるとわかっている。
しかし、だからといって俺が一方的に彼女の交友関係を崩していいわけがない。
俺があの輪に入ることにより愛莉の立場を悪くさせる可能性も無きしも非ず。
ならばここで一歩引くのが一番というもの。
あの様子だと彼女は「おめでとう会」のような所へ行くだろう。
ここにいて欲しいというのは俺の単なるエゴで愛莉に強制するものではない。
よって俺はあの輪に入らない。
「レン君。……お? 」
トモが俺を呼んだかと思うと不思議な声を上げて俺の肩の向こう側を見ている。
その目線を追うように俺も顔を横に向けると、――愛莉がこっちに向かってきていた。
「レン。探したよ」
愛莉が怒ったかのような口調で、ずしずしという擬音が聞こえそうな足取りで近づいて来た。
かのような、ではないな。これは本当に怒っているな。
「……愛莉」
「全く学年首席様がどこにいっているのかと思えばこんなところに」
「こんなところに、はこっちの話だ。何か祝勝会? 的なやつは……やらなかったのか? 」
「断ってきた! 」
「「「え? 」」」
俺達が驚く中空いている俺の隣に愛莉が座る。
足に肘をつき顔を支えてぷくーっと顔を膨らませる。
「皆失礼だよね。確かにボクは三十位の中に入ったのに、レンや佐々木君、冴香のお祝いをしないなんて」
「それは……俺達も距離を開けているし? 」
「誘われても断るし? 」
「けど!!! 話に出ないなんておかしいよ! 」
「「「ま、まぁ確かに」」」
学年トップ三がクラスにいるのだ。愛莉の疑問もおかしくはない。
けど俺達は積極的にクラスメイトと交流をしていないから一方的にクラスメイトが責められるのもかわいそうだ。
交流の無い人のお祝い事よりも交流のある人のお祝い事をする方がよっぽど自然。
「レンに至っては「宇治原簾? えっと……そんな人いたっけ? 」だって。ほんとムカつく!!! 」
俺の為に怒ってくれているのはありがたいが、逆に俺の影の薄さが原因な気もする。
顔の知らぬクラスメイトに心の中で謝りつつも隣を見る。
そこには小柄な顔があってまだ膨れていた。
ならば愛莉を祝う行事がないのか。
ならば——。
「代わりに重原さんのお祝いをレンの家でやろうよ」
「え? いいの?! 」
「これなら僕達も一緒に祝うことになるし……ってなに僕の脇腹を捻っているのさ」
「……うるさい」
俺が言おうとしたことを取りやがって。
「レンは……嫌なのかな」
「そんなことは無い。俺達でお祝い会をやろう」
言うと隣の愛莉が「うん! 」と機嫌のいい返事をする。
席を立ち俺の方を見て少し上半身をこちらに突き出し、笑顔で言った。
「ありがとう」
「……それほどでも」
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