キミとふたり、ときはの恋。【立葵に、想いをのせて】

冴月希衣@商業BL販売中

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キミとふたり、ときはの恋。【第二話】

立葵に、想いをのせて【2−2】

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「では、今から発表するグループごとに講習会に参加してもらいます。一年一組と二組、それと二年一組と三年一組。以上がグループAです。次に――」
 あ、一組と同じグループだ。前の席に座ってる明石さんと山田くんが振り向いて笑ってくれた。嬉しいな。
 明石さんと山田くんは、1年1組の保健委員。奏人と同じクラスだ。
 去年の春スキー合宿で同じ班だった二人。今年はクラスが分かれちゃったけど、偶然にも同じ委員会になれた。
 中二の時からつき合ってるっていう二人は、部活も委員会も同じで本当に仲良しだ。そこは、ちょっとだけ、ほんとにちょっとだけ羨ましい。
 でも私、バスケ出来ないし。出来たとしても男バスには入れないし。マネージャー……には、なる勇気がないから無理、なんだけどねー。
 ところで、二年と三年の先輩方はどちらにいらっしゃるのかしら?
「チカちゃ……あれ? チカちゃん、どこ?」
 先輩方についてチカちゃんに聞こうとしたんだけど、隣にいたはずなのにいなくなってる。

「おい、終わったか?」
「え? あ、煌先輩。えと、まだですけど。今グループ分けをしてて、それで……」
 グループ分けのために周囲がちょっとざわめいたせいか、煌先輩が目を開けて話しかけてきた。
「何だ、まだかかるのか。だりぃな」
 机に肘をついて、その手に頭を乗せた状態で、下から見上げられる。鋭い印象の切れ長の黒瞳にじっと見つめられると、ちょっと落ち着かない、かも。
 奏人は、こういう姿勢をすることがないからかな? なんか落ち着かない、な。
「白藤さんっ」
「あ、安倍先輩。こんにちは」
 料理部の安倍先輩に名前を呼ばれた。安倍先輩は満里奈ちゃんのお姉さんで、優しくて頼りになる素敵な人だ。
「講習会、同じグループよ。よろしくね。あ、そこの居眠りくんもよ。君、当日は居眠り出来ないくらいこき使うから、覚悟しといてね」
「あ、はい、よろし……ええっ?」
 安倍先輩だけじゃなく煌先輩も一緒っ? えーと……言いにくいけど、何か濃いメンバーな気がするわ。講習会、どんな一日になるんだろ。

「は? 講習会? 何だ、それ」
「『何だ、それ』じゃない。目上に対する言葉遣いに気をつけなさい。活動補佐としての仕事ですよ」
「何すんだよっ」
 煌先輩の頭の上で、パコンと音が鳴った。花宮先生が委員会の資料を丸めて煌先輩の頭を軽くはたいたの。その後ろでチカちゃんが笑ってる。なんだ、花宮先生のところにいたのね。
「安倍さん。この子、口も態度も悪いけど、責任感は強い子なんですよ。当日は目をかっ開いてチャキチャキ動くと思いますので、よろしくお願いしますね」
「お任せください。パッチリと目を開けて働いてもらいますので」
 花宮先生と安倍先輩が、ニンマリと同じ種類の笑顔で言葉を交わす。
「ということだから花宮くん、私の顔を潰さないようにね。あ、当日は学校保健部のメンバーとして佐伯先生が引率で参加します。皆さん、しっかり学んできてください」
 わ、佐伯先生も? 学校保健部かぁ。先生方にも私たちの委員みたいな役割があるのねぇ。
 佐伯真澄さえきますみ先生は、私のクラス、一年二組の担任。男性だけど、家庭科の先生で、私とチカちゃんが所属してる料理部の顧問。
 それで祥徳のOBで、昔、先生も料理部だったんですって。チカちゃんの大人版みたいな感じの、優しい先生だ。
 再来週、消防署まで出向いて受ける救急法講習会。講習で学んだことを、今度は講師として自分のクラスで発表、伝達しなくちゃいけない。
 責任重大だわ。すごく緊張するけど、頑張らなくちゃ!
「はぁ……マジ、だりぃ」
 煌先輩がぼそりと呟く横で、当日の使命感に燃えた。


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