同居人は王子様。

mnkn

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何かが変わる予感。

#19

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んー、よく寝た。

ベッドの上で大きく蹴伸びをした。

あれ?レオン、ベッド譲ってくれたのかな?

そう思いながら目を覚ますと、視界に飛び込んできた天井が、いつもの天井では無かった。

「あおいちゃん、起きた?」

その声で我に帰る。

ここは、我が家ではない。

「めぐろさん....?!」

目の前には、ラフな白いTシャツを着てこっちを見つめる、寝癖のついた目黒さんがいた。

「わ、わたし、えっ」

もしかして、そう思って自分の身体を確認するが、バッチリ服は昨日のままであった。

「襲ったりしないよ。ただ、ひとつだけ」

そう言うと、目黒さんは私のおでこに思いっきりデコピンをくらわせた。

「お前、本当重かったんだからな。飲み過ぎんなって言っただろ」

いつもの優しい目黒さんとは思えない口の悪さにすらキュンとしてしまった私は、重症なのかもしれない。

「でも、俺もあおいちゃんに謝らないといけないことがある。携帯、勝手に電話出ちゃった」

そう言われて、スマホを取り出して確認するとレオンから大量の着信履歴が入っていた。

「そのレオって人、彼氏さんでしょ?すごい心配してたけど、俺が喋ったら怒っちゃってさ.....勝手に出てごめんね」

そうだった。蓮井の姐さんに見られた時、都合が悪いからレオンではなく名前をレオに変えておいた。

初めて会った時、レオですって言っちゃったからね。

いや、今はそんなことどうでもいい。

レオンに慌てて電話をかけ直したが、何コール経っても彼には繋がらない。

「こういう時は直接会いに行くのが一番だよ」

そう言われて、あおいは気がつくと目黒の家を飛び出していた。

昨日、そういえばあの通知を見たあと、返事をし忘れていた。

カレー、1人でちゃんと食べたかな。

レオンにものすごく心配かけちゃった。

ごめんね、ほんとごめんね。

息を切らせながら、我が家への道を急ぐ。





「レオン!!!!!」

切羽詰まった声で叫びながら玄関の扉を開けた。

だがしかし、そこに彼の姿は無かった。

「どこ行っちゃったのよ」

あいつはいつもほぼほぼ家の中で生活していた。

だから、こんな朝から目的を持って出かけるなんてないはずだ。

冷蔵庫には昨日作ったものであろう、カレーが入った皿が2つ入っていた。

もしかしてあいつ、ご飯食べてないんじゃ.....

もう一度、電話をかけてみる。しかし繋がらない。

行く当てなんてわかるわけがなかった。

"昨日の夜は連絡を返さなくてすみませんでした。心配してるので、気がついたら電話をください"

レオンにメッセージを送って、溜め息をつきながらベッドに寝転がった。
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