もふもふホワイトタヌキに転生したオレ~ほら第二王子、もふもふしてもいいんだゼ☆

まと

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ありがとう

暖かい。何て気持ちいいんだろう。
ここどこ…だっけ?ぜったい巣穴じゃないよね。
あっちに転がってもふわふわ。こっちに転がってもふわふわ…天国?

「みびゃん!!」

鼻に何かが当たって目を覚ます。痛い!

(へ…な、ななんで?)

涙目で見上げると、そこには肘をついて横になる王子がいた。

「ふっ…起きた?」

窓から降り注ぐ優しい光が、王子を包み込んでいる。
綺麗だなあ。

オレはぽけぇーと王子を見る。


王子は俺の頭をふわりふわりとなでる。

(って、なんで王子?!ここどこ?)

「ここ?王都だよ。転送魔法で弱ったタヌキをここへと移した」

王都??あっ…。あれは夢じゃなかったんだ。
そんでもってあの時みたいに、オレの言葉も王子に伝わっている。

(転送魔法?王子魔法が使えるの)

オレは撫でられながらも、すかさず仰向けになり今度は腹を撫でろポーズをとる。
これがホワイトタヌキの性なのだ。許して欲しい。

「王族の中には魔力を持って産まれるものがいる。たまたまそれが俺だったというだけだよ」

お腹をゆっくり、優しく撫でてくれる。うっとりだ。

(すごいじゃん王子!たまたまなわけない、だって転送魔法だよ?あんな魔力消費が激しいもの…もし使えてもオレだったら死んじゃうよ)

そうか…王子は選ばれし者だったんだな。




オレはゆっくりと起き上がり、王子の目を見つめた。


(王子、ありがとう。オレ、身体中が痛くて苦しくて…雨で濡れた身体のせいですっごく寒かった。でも今は何ともないよ。きっと治癒魔法もかけてくれたんだよな…感謝してます)

お座りの格好のまま、ぺこりと頭を下げた。

アンナに腹を蹴られた後、前足が痛くて動かせなかった。雨の中を、けんけんしながらだったのでうまく歩けず何度も転んだ。

あまりにも寒くて熱かったので、多分熱も出だしていたのだと思う。
ようやく巣穴に戻った時には、倒れるように意識をなくした。

痛くて、苦しくて、寂しくて…こうやって巣穴の中で、ひとりぼっちで死んでしまうんだと思った。

じわりと涙が浮かぶ。

だけど王子がオレを助けてくれた。

こんなに暖かな場所で、目を覚ませるなんて思いもしなかったよ。

涙の粒がぽろりぽろりと零れ落ちる。

(王子ぃ…うっ…ほんとにありがとお…)

頭の上にキスが落ちる。へしゃげた耳に。おでこに。鼻に。

涙でにじむ視界には、優しく微笑む王子がいる。



「ニナ、俺の名前を覚えてる?」


(……!!…イ!!!ルイ!!)



ニナと呼んでくれた事が嬉しくて、オレはジャンプしてルイにしがみついたのだった。
 









    

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