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ミニ王子
「ねえアティカス、アティカスはアーネラ様と結婚するの?」
小さな寝息で、すうすうと子供のように眠る王子の頭をなでなでする。
「なっ…!?う…まあ、そうなれば良いなとは思っている。だがアーネラ様は他国の姫君でいらっしゃるし…だからゆっくり…そうだな、アーネラ様の気持ちに沿うようになれば良いお思っている」
相手の事を第一に…アティカスらしいな。
「ふふっそっかあ、やっぱり優しいね。アティカス」
「いっ、いや…そんなことは…」
ははは、照れてる照れてる。
穏やかでみんなに優しいアティカスだけど、きっとアーネラさまには人一倍優しいんじゃないかな?
もし二人がいつか結婚して、子供が生まれたら…めちゃくちゃ可愛いんだろうなぁ。あー…想像しただけでワクワクが止まらん!
アティカスもイケメンだし、アーネラ様も美人だ。どちらに似ても可愛い赤ちゃんに間違いない!
二人の子ならどんなやんちゃな子でも、この自慢のシッポを引きちぎれんばかりにニギニギされても愛せる自信がある!
ていうかオレ、誰目線なんだろう?ははは。
「??ど、どうしたんだ、ニナ」
急ににまにまデレデレと鼻息を荒くしたオレに、アティカスが不思議そうに聞いてくる。
にんまりとアティカスに微笑む。まあこれ以上は、二人の繊細でデリケートな話しには触れない。
「ううん!なんでもっ」
「?そうか?」
「うん」
さて、王子のかわゆい寝顔を見守りつつ新しい商品の計画でも立てようかな?
アティカスも午後からは騎士団の集まりがあるみたいだし。
薬ではないけど、魔物避けのお香なんか作ってみたいんだよな。クエストが魔物以外に限るかもしれないけど、冒険者や魔物が無駄に傷付け合わずにすむようなアイテム…。
でもオレの鼻も、作っている最中にやられちゃいそうだよなぁ…。
う~んと悩んでいると、ノックの音が響き、返事をする前に部屋の扉が開いた。
「やはりここにいたか、ニナ、アティカス」
爽やかに現れたのは、王子のお兄さんのロイズ殿下!
「あっ、殿下!!」
「お久しぶりにございます、ロイズ殿下」
アティカスが殿下に敬礼をしたので、オレも何となく見よう見まねで敬礼してみる。
「ふふっ久し振りだね、二人とも楽にして。先程父上達の元へと訪ねて行ったら、ニナはもう部屋へ戻ってしまったと聞いてこちらに来てみたんだが…もう身体の方は良いのか?」
「はいっ!もう大丈夫だよ!この通りぴんぴんです」
「それは良かった…。ルイを守ってくれたと聞いたよ。本当に感謝する」
「そんな…元々はオレのせいでもあるから…」
「いや、それは違う。ニナがいてくれたからこの程度の事で済んだんだ。…それにあの二人はよく似ているからね。たまーにあの様にぶつかる事があるんだ。困ったものだよ、本当…。ああ、今日もよく眠っているな…」
苦笑いの後、溜め息を溢しつつ深く眠る王子を心配そうに見つめる殿下。
きっと、こんな風に深い眠りにつく王子を何度も見てきたのだろう。魔力暴走という、命を削るような王子の危うさに胸を痛めながら。
王子…殿下が来てるよ。
「今日もよく眠っているな」って殿下が言ってたから、きっと昨日も王子の様子を見に来てたんだろうな。
王子の眠るベッドの横で、割りと大きな声でお喋りしていても全く起きる気配がない事に、ずしんと心が重くなる。
普段の王子なら、すぐ目覚めてしまうだろう。
自然と溜め息をつきそうになったその時。
「お父様ぁ…」
突然部屋の中に、天使のような可愛らしい声が響いた。
ん??
扉からちょこっとだけ顔を覗かせた声の主は、真っ白な肌に頬をピンク色に染めたキラキラの美少年。
「はっ、はわわっ!!」
ナニコレ、ナニコレ!!だって、だって!!
「えっ??なっ、!?おっ、王子??!!」
なんと!そこには、奇跡のように愛らしいミニ王子がいたのです!!!
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