目が覚めたらBLゲームの悪役令息になったけど、山に引き籠もりたいので全力で主人公を応援しますっ!

mana.

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【16歳】

【16歳】7☆

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人生で初めて走馬灯を見たわ~……
んで…目を開けると朝でした………

「ん………っと…」

あ、起きる事は出来るか………

いやぁ…スッゲー講義だったなぁ…
こっちの貴族ってこんな濃いエッチが普通なのか……?
俺…ヤるのもヤられるのも……正直自信がなくなってきた。
本当に…講義…なのかなぁ……?

___コンコン___

「失礼致します。あ、シオン様!大丈夫ですか?!」

「……わぁあっ!!カヤこそ大丈夫かぁっっ?!」

服はキチンとしているが、顔や腕やらボロボロになったカヤが驚いた顔で入ってきて俺もかなり驚いた。
だって、こんなカヤの姿…初めて見たかも。

「……あ…これは………」

「昨日の閨の件ですよ。カヤがかなり…無理をさせてしまった様で……自制も兼ねまして、朝から私が相手の訓練をしておりました。」

「あ、クロバイ。」

背景におどろおどろしい闇でも抱えてんのかと言うほど禍々しいオーラなのに満面の笑顔でクロバイがカヤの後に入って来た。

「この度は誠に………申し訳ございませんでした……」

謝罪をするクロバイから横目で睨まれてシュンとしたカヤも謝る。

「…申し訳…ございません……でした…」

「つきましては、延期しておりましたカヤとオーク様のお話を近々致しますが……シオン様…シオン様にも…お話がございます。2人のお話が終わりましたらお話させて頂きます。」

「分かった。」

何だろ?
学園の話かなぁ。

「取り敢えずは、学園にはお休みを伝えておりますので今日はゆっくりとお休み下さい。」

「カヤは?」

「主がお休みの時は基本侍従もお休みになりますのでお気になさらず。」

そう言うとクロバイは部屋を出てしまった。

おっふぅ…カヤと2人きりぃ!!

「シオン様……取り敢えず朝のお支度を…」

「………ん…」

カヤは何事も無かった様に…とはいかないよなぁ……お互いぎこち無く服の着替えをした。

「シオン様…」

「何?」

俺の背後にカヤが立ち、ジャケットに腕を通しながらポツリポツリと話す。

「もし今回の件で…俺が嫌いになったのなら………侍従を…その…別の者に…変えて………頂いても………」

後ろを見なくても分かった。
俯いて泣きそうな顔で何言ってんだか……

「………ハァ……変えないよ。」

パッと、カヤの顔が上がる。

「だって、今回は閨の最後までの相手としてでしょ?貴族の…ましてや王族の閨なんて分からないもん。」

カヤが俺の着替えをほぼ済ませてくれていたので、カヤの方を向こうとしたら後ろから強く抱き締められた。

「……っ!…最初は……そのつもりでしたが………途中から………あ……」

首元に顔を寄せ、表情を見られない様にカヤが顔を隠しながら呟いた。

「………貴方…が…好き…だから……」

……あ、やっぱりあの閨は「」じゃなかったかぁ……

走馬灯で再確認したよ。
俺も鈍かったなぁ………でもなぁ…

「……カヤ………俺も……好きだよ…でも…カヤのとは……違う…かも…」

『うん。』なんて言ったら……俺の断罪にカヤも巻き込んでしまう。
それにまだ恋愛の「好き」かどうか…よく分からないんだよなぁ。

「そう………ですか………」

「だからって…オークの事がってわけじゃないから…」

良いヤツだと思うし嫌いじゃないけど、アイツは俺を断罪する立場だからなぁ。

「じゃあ…いつかは……好きになって…くれますか…?」

一緒に山奥行ったら無敵そうだし、カヤとなら更に楽しそうだけどね。

「………考えとく…」

カヤの幸せを俺で潰すのはなぁ………

「………必ず…ですよ…」

カヤがゆっくりと離れ俺と向かい合わせになると、普段の顔に戻っていた。

「でもまぁ……『身体から始まる好き』も…あるかもしれませんし…閨は続けますので…覚悟して下さいね。」

…ヒィッ!…カヤさんっ…開き直り早ぇし…その笑顔……悪役っぽいぃっ!

結婚前の女子の閨の講義は知識のみで「処女」を重視されるが、男子の閨の講義は実地訓練ありの「床上手」を重視される。

………BLゲームだったなこれ……忘れてた………

なので…最後を1回講義して終わり…ではないのだ。
そして下手したら閨の講義は1人じゃない場合もあるよな。

俺は…カヤだけだよなぁ?
王子の婚約者候補だし。
ゲーム内の俺はオーク一筋だったから学園内のヤツとかとエッチしてないはずたし。
多分カヤとかクロバイとかに講義は受けてんだろうけど…

「シオン……」

また考え事してた!!
スルッとカヤが手を絡ませる。
…呼び捨て?!

俺の手を恋人繋で絡ませて自分の口元へ持っていき、もう片方は俺の腰に手を回して引き寄せた。

「これからは……2人の時はシオンと……お呼びする事を…許して頂きたいです…チュ……駄目…ですか…チュ……?」

「…っ……駄目…じゃないけど………」

流されねぇかなぁ…俺。

「ね……お願い…チュ…します。」

瞳を潤ませて指をスリスリしながらキスすんなっ。
頼み方がエロいわっ!

「……っ…分かった……」

「ありがとうございます……あと……」

「…あと……?」

カヤの顔が近付く。

「おはようとお休みのご挨拶に………キス…したい……チュ…」

「………んっ………」

軽くキスをして離れるが「もう少ししたい」と言う顔してる…

カヤさん?
アプローチのブースト掛け過ぎでは?

でも……俺も…したい……かも。

「…ん……しよ…」

俺は片方の空いた手をカヤの背に回して目を瞑る。

「…煽り方……上手…」

「煽ってな……ん……ぅ……ふっ……」

カヤの舌がすぐに入って来てお互いの舌を深く絡め合い、俺の息が絶え絶えとなって来た頃に銀の糸を紡ぎながらゆっくりと離れた。

「ん………ハッ……ハァ……」

「シオン……口の端が…」

ベロッと、舌を使って飲み切れなかった唾液を舐め上げる。

「ハァ…ハァ………カヤ…エッチだ……っ!」

何か悔しいっ!

「………っ!どっちが……っ!!」

カヤにしがみつきながら悔し涙溜めて言うセリフでもないんだが…立ってられないから仕方が無い。

全く…どっちがって、そっちがだろうっ!

___コンコン___

「…失礼致します……カヤだけでなく……シオン様も…色々と訓練が必要ですかねぇ……」

朝食を持って来たクロバイの笑顔が怖かった。

「はいぃっ!休みますぅぅっ!!」

一番怒らせたらいけない人は父でも国王でも無く、きっとこの人くろばいだよな…きっと。
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