目が覚めたらBLゲームの悪役令息になったけど、山に引き籠もりたいので全力で主人公を応援しますっ!

mana.

文字の大きさ
111 / 145
【18歳】

【18歳】8☆ オークver.

しおりを挟む
最近、クロバイやカイエの厳しい特訓に耐えていたら、日に日に力が漲って行くのが分かる。
魔力も何故か増幅し、剣術や武術もカイエとカヤを相手でないと物足りない。
城での仕事は兄と、兄の補佐に付くカリン先輩とフジ先輩とに任せれば良いと思っていたら……何故か仕事が沢山回り始めてきた。

「はぁ……ヒイラギ……」

「……何ですか?」

王宮の俺の執務室で飲み物を運んできたヒイラギに声を掛ける。

「……俺は王位何位だ…」

「1位…では、ないのですが……」

「前々から思っていたが、俺は……また担がれてるよな。」

うん、逃げよう。

「ヒイラギ。」

「はい。」

「俺は、仕事を放棄しようと思う。」

「真顔で何言ってんですかっ⁉」

許されるならばすぐにでも王族から退き、シオンの元で…何ならシオンの屋敷でずっと過ごしていたい。

連れ去って山奥にでも攫って行きたが……

……シオンの大事な弟妹がいるんだよな……

ユズとサクラは今の俺にとっても可愛い弟妹だ。
神は何て愛らしい人間を作ったのだろうと思う。
最近ユズは行儀見習いで王宮に行って俺の弟と一緒に遊ぶこともあるようだ。
……弟がユズを気に入っているのは……血筋…なんだろうか?
ヒイラギから俺が今王族から退くと、シオンの屋敷に警備している事やその他諸々、撤退する事になると言われて言葉に詰まった。
そうなると…かなり厳しいな…

「……と、冷静になって頂いた所…でっ…こちら書類です。」

ドサッと、追加されて資料を見て俺は折衷案を出した。


___仕事するから仕事場をシオンの屋敷にしてくれ!___


そこから、強引に理由を付けてシオンの屋敷で仕事をしているが…全くシオンに触れられない……何故って?

___キィィィンッ!!!___

「そこっ!動きが鈍いっっ!!」

「……くっ!」

訓練時はやたらと流暢に喋りだしたカイエ。
…アイツ…本気の訓練は結構覇気もあって長時間だ。

そしてこちらも……

「魔力を最大に。」

「ぅっ…くっ!」

「弱い!貴方ならもっといけるだろうっ!!」

……火力最大って…何に使うんだよっっ……

訓練はカヤと合同の時もあるが、基本交代で1対1でガッツリ行われた。

せめて夜は…と、シオンと共に寝る。
そう……隣で子供の様に…それでも今は良い。
そばにいたい…………コイツカヤは邪魔だがな。
シオンの屋敷にある精霊の樹の周りに、見たことのない花が咲き乱れているとヒイラギ達から報告が上がった。
最近精霊の木のそばで訓練をする事がないから全く気が付かなかった。

そして夜……シオンに呼び出された。

「……あ、オーク。」

 
……俺を見て微笑むシオンの背景にある精霊の樹を囲む様に咲いた薄紅色の花は……

なんてこんな切ない気持ちにさせるんだろう………


「ごめんな、大変な時に呼び出して。」

「…………」

「オーク?」

「……っ……いや………大丈夫だ。それよりこの花は…」

「…あぁ、この花は俺の前の世界の花だよ。桜って言うんだ。妹の…サクラの名前の由来の花だよ。」

「…あぁ…この花がそうなのか……」

なんて美しい花なんだろう……コイツの育った世界は…きっと美しいものに溢れていたんだろうな。
2人でしばらく見上げていると、ふいにシオンが口を開いた。


「……なぁ…オーク……俺…決めた……」

「………そうか………」

「……ごめん……」

……ハハッ……何となくそんな気がした。
やっぱり……アイツを選ぶのか……


___カヤとオーク……2人が好きだ___


……今……何て言った?

「あれ、聞こえなかった?」

「……いやっ…聞こえなかった………のか?」

「あっ……やっぱり、都合が良すぎるよなっ!」

「いや……ぇ……その………つまり……」

「……うん……俺には2人が必要なんだ……ごめぅっ!」

俺は俯いて話すシオンに抱き着いて唇を合わせた。

「……んっ……ふっ……ぁ…んんぅ……っ。」

思わず激しくシオンを求めて舌を入れてしまった。
最近触る事がなかなか無かったので、一度タガが外れるとシオンをもっと感じたくて一気に服を脱がしていく。

「……ん…ぁっ……オーク…ッ…!」

すると、シオンも応えるように俺の首に腕を絡めてきた。

「もう…を外して…っ……良いっ…て……事か…よ?」

「んぁっ……っ…ふぁっ……そぅ………た…だっ……」

シオンの背を桜の樹に付け、脚を股の間に潜らせて股間を刺激する。
すると、シオンは身体を撓らせてこちらを見る。

「……アイツも……一緒なんだな……」

「あぁんっ……!」

グリッと、ワザと脚で擦るように上下に揺らすと、シオンが愛らしい声が耳元で聞こえた。

「……ごめっ……!」

「謝ってほしくてやったわけじゃねぇよ……」


…………でも……っ!


「……シオン……しっかり掴まっとけ……」

「ぁっ……んんぅっ!!」

俺はシオンの片足を持ち上げて後孔を慣らさず、そのまま自分のものをねじ込んだ。
今では慣らさなくてもすんなり入るとは思うが、いきなりの圧迫感はあるだろう。
でも……慣らす時間が惜しい……

「あっ……オー…クッ……」

「……くっ……んっ!!」

「あぁぁあああっ!!」

樹を背にしているからと、もう片方の脚を勢い良く上げると反動とシオンの自重で俺を一気に飲み込んだ。
快感が一気に身体をかけ巡る。

……コイツも……同じ気持ちでいてくれているだろうか……

「……シオ…ンッ……愛してる……」

「……オークッ………俺も…ぉっ……」

「………っ!」

「…愛……して…る……あぁぁああああっっ!!!」

体中の血液が沸騰してしまったんじゃないかというほどに熱を感じ、心臓の音が木霊する。
コイツは……本当に……敵わない…!

「……オーク…ッ……」

「…何だっ……」

外でのこういう行為は、いつもならこの辺で「止めて」と懇願するんだけど…

「気持ち……いっ……もっ…と………」

「……え…⁉」

「……良ぃ……かっ……っ……らぁ……っっ……姉さん……に……人…ぁっ…払ぃ……頼ん……やぁっ!!おっきっ!!!」

グッと、身体の中心に熱が籠もる。
桜の花びらがシオンの髪に降りてくる。


……あぁ……やっと……俺のシオンになってくれた……


いや…の…ではないけれど……


……少しでも俺を残しておきたくて……何度も…何度もシオンの中に注ぎ込む………あぁ……なんて……幸せで……なんて残酷な告白だろう……
でも……俺はそれでも良い。
俺はシオンのそばにいたいんだ。

俺は人払いの時間が終わる、月明かりが頂上に来るまで……俺は桜の樹の下で、シオンを何度も抱いた。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?

詩河とんぼ
BL
 前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

推しの完璧超人お兄様になっちゃった

紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。 そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。 ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。 そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。

処理中です...