137 / 145
【番外編】普通な日々 ユズver.
6☆(少しです)
しおりを挟む
学園に入学してから、先生方に兄様達の武勇伝をたくさん聞くことが多かった。
そして…僕たちは兄様達みたいに色々あったわけじゃないけど…愛を育むことが出来た。
___卒業式前___
「整理の目処もついたし、ちょっと休憩しようか。」
夕方の学園、フジ兄様達のようにギリギリまで所属していた生徒会室に僕達はいた。
今日は卒業前の荷物の整理に来ていて、後輩達にはもう寮や屋敷へと帰してオリーブと2人きりだった。
「そうだね。」
俺はお茶の用意をして生徒会の別室へと運ぶと、オリーブがソファーに座って待っていた。
「なぁ…ユズ…俺達も兄様達に負けないくらい、最後に特別な思い出作ろうか?」
「思い出?」
「そう、卒業したらここへはあまり来れない。こんな綺麗な夕日を…2人でゆっくり見るのも難しいかもしれないしな。」
「そうだね、学園は護衛がいないけど普段は近くにいるもんね。はい、お菓子どうぞ。」
「…ん…ユズ、これ美味いな。」
「あ、これ?」
オリーブが美味しいと言って食べていたのは、僕が作ったオレンジピールの様にユズを加工して、チョコを少し塗ったものだ。
「オレンジとまた違って…美味い。」
「フフッ、ありがと。作った甲斐があるよ。」
「…お前の名前だからかな…甘くも感じる…」
「もうっ、恥ずかしいなぁ。」
「嘘じゃない。お前が作ったものは全部美味い。」
「…ありがと…でも…」
「でも?」
「……顔…近いよ…」
ゆったりとしたソファーに2人で座ってお茶をしていたが、気付けばベッタリと肩が引っ付き…僕の腰に手を回していた。
「…ユズ…キスしたい…」
「…ん…良い…んっ…」
返事が途中なのにオリーブの唇が僕に合わさる。
オリーブのしたがゆっくりと入ってくると、チョコレートの香りが僕の口の中に広がった。
「…ん…甘い…ね。」
「…甘いな…チュ…ここも…チュッ…ここも…チュウッ。」
「んぅっ。」
オリーブが頬から首筋へと移り、シャツのボタンに手をかける。
___ガバッ!___
「ごめんっ…待って。」
「…っ…どうした?」
「…あの…今日はクロバイが屋敷にいて兄様達は向こうなんだけど…夜の準備をしてもらってるんだ…」
最近僕達は閨の実践で最後までしないものの身体を合わせ始めている。
屋敷の別館は兄達が使っているから使えないし…最近は兄様達がよく屋敷にいるので生徒会の別室を使ってたんだけど…
「今日…ウチに…泊まって…くれる…?」
ドキドキする…
「ユズ…」
「…急に誘って怒ってる?」
「何言ってるんだ!すごく嬉しい。」
護衛の騎士の人に屋敷で泊まることを伝えて生徒会室を後にした。
「…なぁ…俺達の3年間って、穏やかだったよな。」
「オリーブは何故か特別にこだわってる気がするけど…良いんじゃないかなって思うよ?」
僕達の3年間は楽しいものだったけど、兄様達のようなハプニングもイベントはなかった。
普通で、穏やかな日々。
「それに、生徒会を3年間も出来たし。兄様達とは違うでしょ?僕は楽しかったよ。」
「そうだな…うん、俺も楽しかった。」
門が見えてくると、ウチの御者の人が待っていた。
「あ、ユズ様。お帰りなさいませ。殿下も今日はこちらと伺いました。」
「あぁ、宜しく頼む。」
2人で馬車に乗り込む。
…今日…僕は最後までオリーブに抱かれようと思ってる…だから…
「……ねぇ…オリーブ…」
「何だ?」
「オリーって…呼んでも…良い?」
___オリー…オリーブの愛称___
兄様達はオリーと呼んでいるけど、僕はずっとオリーブと呼んでいた。
そしていつの間にか『婚約する意思を固めたらオリーと呼ぶ』事に変わってしまっていた気がする。
「…っ…それって…!」
「……ん……」
___ギュッ!___
「ユズ!あぁ…ユズッ‼︎最高だっ!本当に良いのか⁈」
「…うん…」
強く…強く抱きしめて身体を震わせるオリー…
「愛してる…ユズ…」
「…うん…僕も…愛してる…」
僕達は少し揺れる馬車の中でキスをする。
馬車から降りるとドアの前にクロバイがいて、何故か部屋まで誰とも会わずに到着した。
「…では、お食事の後にお風呂に入られてから先にユズ様が寝室で待っていて下さい。オリーブ様はご用意したものをお渡ししますのでご説明致します。」
クロバイと少し話をして、僕はいつもの閨の服と少し違う服を着た。
…前の紐を解いたら全部脱げちゃう…らしい…下は…履いてない…恥ずかしい…
寝室へ行くと香りの良いアロマキャンドルが淡い炎で雰囲気がいつもと違う。
「…ここに…座ってたら…良いんだよね?」
僕はいつも寝ているベッドに腰掛けた。
いつもの場所なのに…何だかいつもの場所じゃない気がする…
クロバイが防音の魔法を掛けたって言ってたっけ?
___コンコン___
「はっ…はいっ!どうぞっ‼︎」
「…クスクス…入るぞ……っ!」
僕の顔を見てオリーが固まる。
僕の格好…変かな?
「ごめっ…変だよね…こんな格好っ、シオン兄様みたいな人に向いてるのにさっ。」
「違う…凄く…綺麗で…ドキドキしてる。」
オリーが嬉しそうにこちらに来て座った。
___ギシ…___
「本当に良いのか?」
「…うん…」
「最後まで…」
「うん…オリー…愛してる。」
僕はオリーの首に手を回し、オリーがゆっくりと僕を倒す。
「ね…今日…月が綺麗だよ…フフッ、オリー…月の光でキラキラ光ってる。綺麗…」
「お前だって…凄く綺麗だ…愛してる…」
沢山のキスをして、沢山…沢山愛撫する。
___ポゥ…___
気のせいかもしれないけど…僕達の周りにキラキラと光が集まってる気がしたけど、僕達は気付かず夢中になって抱き合っていた。
そして…僕たちは兄様達みたいに色々あったわけじゃないけど…愛を育むことが出来た。
___卒業式前___
「整理の目処もついたし、ちょっと休憩しようか。」
夕方の学園、フジ兄様達のようにギリギリまで所属していた生徒会室に僕達はいた。
今日は卒業前の荷物の整理に来ていて、後輩達にはもう寮や屋敷へと帰してオリーブと2人きりだった。
「そうだね。」
俺はお茶の用意をして生徒会の別室へと運ぶと、オリーブがソファーに座って待っていた。
「なぁ…ユズ…俺達も兄様達に負けないくらい、最後に特別な思い出作ろうか?」
「思い出?」
「そう、卒業したらここへはあまり来れない。こんな綺麗な夕日を…2人でゆっくり見るのも難しいかもしれないしな。」
「そうだね、学園は護衛がいないけど普段は近くにいるもんね。はい、お菓子どうぞ。」
「…ん…ユズ、これ美味いな。」
「あ、これ?」
オリーブが美味しいと言って食べていたのは、僕が作ったオレンジピールの様にユズを加工して、チョコを少し塗ったものだ。
「オレンジとまた違って…美味い。」
「フフッ、ありがと。作った甲斐があるよ。」
「…お前の名前だからかな…甘くも感じる…」
「もうっ、恥ずかしいなぁ。」
「嘘じゃない。お前が作ったものは全部美味い。」
「…ありがと…でも…」
「でも?」
「……顔…近いよ…」
ゆったりとしたソファーに2人で座ってお茶をしていたが、気付けばベッタリと肩が引っ付き…僕の腰に手を回していた。
「…ユズ…キスしたい…」
「…ん…良い…んっ…」
返事が途中なのにオリーブの唇が僕に合わさる。
オリーブのしたがゆっくりと入ってくると、チョコレートの香りが僕の口の中に広がった。
「…ん…甘い…ね。」
「…甘いな…チュ…ここも…チュッ…ここも…チュウッ。」
「んぅっ。」
オリーブが頬から首筋へと移り、シャツのボタンに手をかける。
___ガバッ!___
「ごめんっ…待って。」
「…っ…どうした?」
「…あの…今日はクロバイが屋敷にいて兄様達は向こうなんだけど…夜の準備をしてもらってるんだ…」
最近僕達は閨の実践で最後までしないものの身体を合わせ始めている。
屋敷の別館は兄達が使っているから使えないし…最近は兄様達がよく屋敷にいるので生徒会の別室を使ってたんだけど…
「今日…ウチに…泊まって…くれる…?」
ドキドキする…
「ユズ…」
「…急に誘って怒ってる?」
「何言ってるんだ!すごく嬉しい。」
護衛の騎士の人に屋敷で泊まることを伝えて生徒会室を後にした。
「…なぁ…俺達の3年間って、穏やかだったよな。」
「オリーブは何故か特別にこだわってる気がするけど…良いんじゃないかなって思うよ?」
僕達の3年間は楽しいものだったけど、兄様達のようなハプニングもイベントはなかった。
普通で、穏やかな日々。
「それに、生徒会を3年間も出来たし。兄様達とは違うでしょ?僕は楽しかったよ。」
「そうだな…うん、俺も楽しかった。」
門が見えてくると、ウチの御者の人が待っていた。
「あ、ユズ様。お帰りなさいませ。殿下も今日はこちらと伺いました。」
「あぁ、宜しく頼む。」
2人で馬車に乗り込む。
…今日…僕は最後までオリーブに抱かれようと思ってる…だから…
「……ねぇ…オリーブ…」
「何だ?」
「オリーって…呼んでも…良い?」
___オリー…オリーブの愛称___
兄様達はオリーと呼んでいるけど、僕はずっとオリーブと呼んでいた。
そしていつの間にか『婚約する意思を固めたらオリーと呼ぶ』事に変わってしまっていた気がする。
「…っ…それって…!」
「……ん……」
___ギュッ!___
「ユズ!あぁ…ユズッ‼︎最高だっ!本当に良いのか⁈」
「…うん…」
強く…強く抱きしめて身体を震わせるオリー…
「愛してる…ユズ…」
「…うん…僕も…愛してる…」
僕達は少し揺れる馬車の中でキスをする。
馬車から降りるとドアの前にクロバイがいて、何故か部屋まで誰とも会わずに到着した。
「…では、お食事の後にお風呂に入られてから先にユズ様が寝室で待っていて下さい。オリーブ様はご用意したものをお渡ししますのでご説明致します。」
クロバイと少し話をして、僕はいつもの閨の服と少し違う服を着た。
…前の紐を解いたら全部脱げちゃう…らしい…下は…履いてない…恥ずかしい…
寝室へ行くと香りの良いアロマキャンドルが淡い炎で雰囲気がいつもと違う。
「…ここに…座ってたら…良いんだよね?」
僕はいつも寝ているベッドに腰掛けた。
いつもの場所なのに…何だかいつもの場所じゃない気がする…
クロバイが防音の魔法を掛けたって言ってたっけ?
___コンコン___
「はっ…はいっ!どうぞっ‼︎」
「…クスクス…入るぞ……っ!」
僕の顔を見てオリーが固まる。
僕の格好…変かな?
「ごめっ…変だよね…こんな格好っ、シオン兄様みたいな人に向いてるのにさっ。」
「違う…凄く…綺麗で…ドキドキしてる。」
オリーが嬉しそうにこちらに来て座った。
___ギシ…___
「本当に良いのか?」
「…うん…」
「最後まで…」
「うん…オリー…愛してる。」
僕はオリーの首に手を回し、オリーがゆっくりと僕を倒す。
「ね…今日…月が綺麗だよ…フフッ、オリー…月の光でキラキラ光ってる。綺麗…」
「お前だって…凄く綺麗だ…愛してる…」
沢山のキスをして、沢山…沢山愛撫する。
___ポゥ…___
気のせいかもしれないけど…僕達の周りにキラキラと光が集まってる気がしたけど、僕達は気付かず夢中になって抱き合っていた。
11
あなたにおすすめの小説
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
なぜ処刑予定の悪役子息の俺が溺愛されている?
詩河とんぼ
BL
前世では過労死し、バース性があるBLゲームに転生した俺は、なる方が珍しいバットエンド以外は全て処刑されるというの世界の悪役子息・カイラントになっていた。処刑されるのはもちろん嫌だし、知識を付けてそれなりのところで働くか婿入りできたらいいな……と思っていたのだが、攻略対象者で王太子のアルスタから猛アプローチを受ける。……どうしてこうなった?
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
推しの完璧超人お兄様になっちゃった
紫 もくれん
BL
『君の心臓にたどりつけたら』というゲーム。体が弱くて一生の大半をベットの上で過ごした僕が命を賭けてやり込んだゲーム。
そのクラウス・フォン・シルヴェスターという推しの大好きな完璧超人兄貴に成り代わってしまった。
ずっと好きで好きでたまらなかった推し。その推しに好かれるためならなんだってできるよ。
そんなBLゲーム世界で生きる僕のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる