目が覚めたらBLゲームの悪役令息になったけど、山に引き籠もりたいので全力で主人公を応援しますっ!

mana.

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【番外編】普通な日々 ユズver.

6☆(少しです)

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学園に入学してから、先生方に兄様達の武勇伝をたくさん聞くことが多かった。
そして…僕たちは兄様達みたいに色々あったわけじゃないけど…愛を育むことが出来た。

___卒業式前___

「整理の目処もついたし、ちょっと休憩しようか。」

夕方の学園、フジ兄様達のようにギリギリまで所属していた生徒会室に僕達はいた。
今日は卒業前の荷物の整理に来ていて、後輩達にはもう寮や屋敷へと帰してオリーブと2人きりだった。

「そうだね。」

俺はお茶の用意をして生徒会の別室へと運ぶと、オリーブがソファーに座って待っていた。

「なぁ…ユズ…俺達も兄様達に負けないくらい、最後に特別な思い出作ろうか?」

「思い出?」

「そう、卒業したらここへはあまり来れない。こんな綺麗な夕日を…2人でゆっくり見るのも難しいかもしれないしな。」

「そうだね、学園は護衛がいないけど普段は近くにいるもんね。はい、お菓子どうぞ。」

「…ん…ユズ、これ美味いな。」

「あ、これ?」

オリーブが美味しいと言って食べていたのは、僕が作ったオレンジピールの様にユズを加工して、チョコを少し塗ったものだ。

「オレンジとまた違って…美味い。」

「フフッ、ありがと。作った甲斐があるよ。」

「…お前の名前だからかな…甘くも感じる…」

「もうっ、恥ずかしいなぁ。」

「嘘じゃない。お前が作ったものは全部美味い。」

「…ありがと…でも…」

「でも?」

「……顔…近いよ…」

ゆったりとしたソファーに2人で座ってお茶をしていたが、気付けばベッタリと肩が引っ付き…僕の腰に手を回していた。

「…ユズ…キスしたい…」

「…ん…良い…んっ…」

返事が途中なのにオリーブの唇が僕に合わさる。
オリーブのしたがゆっくりと入ってくると、チョコレートの香りが僕の口の中に広がった。

「…ん…甘い…ね。」

「…甘いな…チュ…ここも…チュッ…ここも…チュウッ。」

「んぅっ。」

オリーブが頬から首筋へと移り、シャツのボタンに手をかける。

___ガバッ!___

「ごめんっ…待って。」

「…っ…どうした?」

「…あの…今日はクロバイが屋敷にいて兄様達は向こうなんだけど…夜の準備をしてもらってるんだ…」

最近僕達は閨の実践で最後までしないものの身体を合わせ始めている。
屋敷の別館は兄達が使っているから使えないし…最近は兄様達がよく屋敷にいるので生徒会の別室を使ってたんだけど…

「今日…ウチに…泊まって…くれる…?」

ドキドキする…

「ユズ…」

「…急に誘って怒ってる?」

「何言ってるんだ!すごく嬉しい。」

護衛の騎士の人に屋敷で泊まることを伝えて生徒会室を後にした。

「…なぁ…俺達の3年間って、穏やかだったよな。」

「オリーブは何故かにこだわってる気がするけど…良いんじゃないかなって思うよ?」

僕達の3年間は楽しいものだったけど、兄様達のようなハプニングもイベントはなかった。
普通で、穏やかな日々。

「それに、生徒会を3年間も出来たし。兄様達とは違うでしょ?僕は楽しかったよ。」

「そうだな…うん、俺も楽しかった。」

門が見えてくると、ウチの御者の人が待っていた。

「あ、ユズ様。お帰りなさいませ。殿下も今日はこちらと伺いました。」

「あぁ、宜しく頼む。」

2人で馬車に乗り込む。
…今日…僕は最後までオリーブに抱かれようと思ってる…だから…

「……ねぇ…オリーブ…」

「何だ?」

って…呼んでも…良い?」


___…オリーブの愛称___


兄様達はオリーと呼んでいるけど、僕はずっとオリーブと呼んでいた。
そしていつの間にか『婚約する意思を固めたらと呼ぶ』事に変わってしまっていた気がする。

「…っ…それって…!」

「……ん……」

___ギュッ!___

「ユズ!あぁ…ユズッ‼︎最高だっ!本当に良いのか⁈」

「…うん…」

強く…強く抱きしめて身体を震わせるオリー…

「愛してる…ユズ…」

「…うん…僕も…愛してる…」

僕達は少し揺れる馬車の中でキスをする。
馬車から降りるとドアの前にクロバイがいて、何故か部屋まで誰とも会わずに到着した。

「…では、お食事の後にお風呂に入られてから先にユズ様が寝室で待っていて下さい。オリーブ様はご用意したものをお渡ししますのでご説明致します。」

クロバイと少し話をして、僕はいつもの閨の服と少し違う服を着た。
…前の紐を解いたら全部脱げちゃう…らしい…下は…履いてない…恥ずかしい…
寝室へ行くと香りの良いアロマキャンドルが淡い炎で雰囲気がいつもと違う。

「…ここに…座ってたら…良いんだよね?」

僕はいつも寝ているベッドに腰掛けた。
いつもの場所なのに…何だかいつもの場所じゃない気がする…
クロバイが防音の魔法を掛けたって言ってたっけ?

___コンコン___

「はっ…はいっ!どうぞっ‼︎」

「…クスクス…入るぞ……っ!」

僕の顔を見てオリーが固まる。
僕の格好…変かな?

「ごめっ…変だよね…こんな格好っ、シオン兄様みたいな人に向いてるのにさっ。」

「違う…凄く…綺麗で…ドキドキしてる。」

オリーが嬉しそうにこちらに来て座った。

___ギシ…___

「本当に良いのか?」

「…うん…」

「最後まで…」

「うん…オリー…愛してる。」

僕はオリーの首に手を回し、オリーがゆっくりと僕を倒す。

「ね…今日…月が綺麗だよ…フフッ、オリー…月の光でキラキラ光ってる。綺麗…」

「お前だって…凄く綺麗だ…愛してる…」

沢山のキスをして、沢山…沢山愛撫する。

___ポゥ…___

気のせいかもしれないけど…僕達の周りにキラキラと光が集まってる気がしたけど、僕達は気付かず夢中になって抱き合っていた。
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