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新学期もスタートし、常に一緒に行動する俺とユキに実咲が追加された。
朝の食堂で合流し、学校も一緒に行ってクラスも同じ。
1学期が終わる頃には3人でいるのが当たり前になってきた。
おかしい…実咲は攻略対象者なんだけど…
「マコ、ここ空いてる。」
「あ、ホントだ~。」
昼食時間の食堂で3人で座れる丸テーブルを実咲が見つけて素早く席を取り、ユキが食堂の献立ボードを見て俺に声を掛けた。
「マコ、今日の定食は海老フライだって。」
「やった、海老フラ~イ♪」
「クスクス、買ってくるから座ってて。」
「ユキ、俺も一緒に行く!」
「うん、良いよ。」
オホッ、順調に進んでるねぇ♪
券売機に向かって歩くユキの後ろを実咲が追い掛けるのかと思ったら、こちらに振り向いて言った。
「マコ、お前プリン好きだったよな?」
「うん。」
短期間でよく俺の好みを把握したよな。
ここのプリン、大人気ですぐに売り切れるからあんま食べれてないけど。
「今日は早めに来たし、買えたら買ってくるよ。」
「え、良いの?」
「うん、3人で食べようぜ!」
そう言ってユキの所へ走って行った。
あ~…3人ねぇ…確かにユキもプリン好きだもんな。
俺に気を遣わなくても良いのに。
券売機で合流して実咲が何かを話してユキが微笑んだ。
俺以外にあんな笑顔出来るんだ。
___モヤッ___
ん、胸焼け?
何だろ、今胸がモヤッてしたけどそれは近くのある声で解消された。
「…俺、怒ってんだからな。」
「それはゴメンって、だから何でも頼んで良いって言ってるだろ?」
___ガバッ!___
うっひょおっ‼
今の声はっ。
「…あの事…俺は…そのっ…は…初めて…だったんだからなっ。」
西園寺とまた違ったワンコ可愛い系男子と…
「……っ!」
頬を染めて驚いているイケメン男子。
「何だよっ。」
「…いや……ゴニョゴニョゴニョ…」
「え、何?」
『参ったな…初めてだったのか…』と、申しております。
喜んで照れてんだなこれが。
「何でもない…ほら、買いに行くぞ。」
誤魔化してイケメンがワンコの腰を引き寄せる。
___グイッ___
「ひゃっ…腰掴むなよっ…もぉ…お前…近ぃっ…」
この2人はモブカップルでゲームにチョロっと出てくるんだけど、イケメンが同室になったワンコに一目惚れして思いを募らせ、寝ているワンコにキスしたら実は起きていた…ってね☆
謝るわけでもなく、バレたら告白して今は絶賛アプローチ中なんだよね。
ゲームの賑やかし要員だけどこのカップルも好きなんだよなぁ~。
前回見なかったからつい反応してしまった。
「クスクス…あ、今日の定食エビフライだって。デザートにプリンは…今並んでもなさそうか。」
「じゃぁ…プレミアムアイスで許してやる。」
プレミアムアイス、1個500円くらいするんですけど。
味は美味しいけど量の割に高いんだよなぁ。プリンより高いし。
「…それは割に合わないな…」
ワンコの耳に口を寄せて囁いた。
「…………」
___ボンッ!___
「じゃぁ、いらねぇっ!」
うんうん『もっとキスしなきゃね』って、言われたんだよね。
前々回の時に聞こえたよ♪
ご都合に合わせて気持ち悪がったり拒否ったりしない所がBL世界の良い所。
その恥じらい顔…ごっつぁんです。
「クスクス、待ってよ。冗談だって。」
顔を真っ赤にして逃げるワンコにニマニマしながら追いかけるイケメン。
今日は思い出しながら飯3杯はイケるぜ…
「お待たせ。」
「ん、どうした?何か面白いことがあったのか?」
うん、どちゃクソおいしいBL展開でした!
…とも言えず…
「…あ…あぁっ、外にいる雀のケンカが面白くてさ。雀でも取っ組み合いってあるんだな。可愛いやらおいしいやら。」
うんうん、スズメとスズメの絡み合い…可愛いやらおいしいやら…
「…おいしい?」
「…おいしい…ハッ!あ、間違えた。面白いだ!実咲のプリン見てたらついっ。」
「確かに美味しそうだよね。マコ、生クリーム好きでしょ。俺の分はマコにあげるからね。」
「いやいや、家じゃないんだから。あ、俺っ、水取ってくるな。」
「ホントにお前ら仲良いよな~。」
実家にいた時にユキの母親の手作りプリンが大好きで生クリームをたっぷり添えてもらってよく食べてたっけ。
あまりにも嬉しそうに食べるからとユキの母親がスプーンに生クリームを乗せて食べさせてくれたのは幼稚園の時。
小学生になったらユキが自分のをくれたんだよな。何故かユキの母親みたいにスプーンに乗せて食べさせてくれたけど…
俺はその場を逃げる様に水を汲みに行き、3人分の水を入れたコップをトレーに乗せてテーブルへと移動する。
2人が見えた時、思わず足が止まった。
「………じゃん?」
「うん、だから……」
ユキと実咲が肩が触れるほど近くに顔を寄せて話している。
雰囲気からして今回の西園寺ルートは思ったより早いのか?
前回なかなかユキ呼びを許さなかったのに、今回は最速だよな。
1年で結ばれた時もあったよな……その時はBL展開で18禁モードに突入するんだよなぁ♪
___モヤッ___
あれ?
嬉しいのに、また少し胸がモヤっとした。
プリン…止めとくべきか?
いやいや、プリンは食わねば。
「マコ?」
「あ、水持ってきた~。」
何事もなかったかのように2人は離れ、俺を真ん中の席に座るようにユキが促す。
う~ん…2人の邪魔になるとは思うけど、少し胸がスッキリした。
でも…
「マコ、あ~ん♡」
「おまっ…ここ外っ!」
「へぇ~、部屋なら良いんだぁ♪」
「実咲まで何けしかけてんだよ!」
エビフライ定食を食べた後、プリンを取ろうとしたらマコに奪われて俺に食べろと生クリームの乗ったスプーンを差し出される。
嬉しそうなユキにニヤニヤしている実咲。
何故だ!ここは実咲に「あ~ん♡」だろ⁈
周囲の視線を気にして周りを見るが、俺達のやりとりに興味や冷やかしの目を向ける者はいない。
…そうだった…ここはBLの世界だったぁぁ…
朝の食堂で合流し、学校も一緒に行ってクラスも同じ。
1学期が終わる頃には3人でいるのが当たり前になってきた。
おかしい…実咲は攻略対象者なんだけど…
「マコ、ここ空いてる。」
「あ、ホントだ~。」
昼食時間の食堂で3人で座れる丸テーブルを実咲が見つけて素早く席を取り、ユキが食堂の献立ボードを見て俺に声を掛けた。
「マコ、今日の定食は海老フライだって。」
「やった、海老フラ~イ♪」
「クスクス、買ってくるから座ってて。」
「ユキ、俺も一緒に行く!」
「うん、良いよ。」
オホッ、順調に進んでるねぇ♪
券売機に向かって歩くユキの後ろを実咲が追い掛けるのかと思ったら、こちらに振り向いて言った。
「マコ、お前プリン好きだったよな?」
「うん。」
短期間でよく俺の好みを把握したよな。
ここのプリン、大人気ですぐに売り切れるからあんま食べれてないけど。
「今日は早めに来たし、買えたら買ってくるよ。」
「え、良いの?」
「うん、3人で食べようぜ!」
そう言ってユキの所へ走って行った。
あ~…3人ねぇ…確かにユキもプリン好きだもんな。
俺に気を遣わなくても良いのに。
券売機で合流して実咲が何かを話してユキが微笑んだ。
俺以外にあんな笑顔出来るんだ。
___モヤッ___
ん、胸焼け?
何だろ、今胸がモヤッてしたけどそれは近くのある声で解消された。
「…俺、怒ってんだからな。」
「それはゴメンって、だから何でも頼んで良いって言ってるだろ?」
___ガバッ!___
うっひょおっ‼
今の声はっ。
「…あの事…俺は…そのっ…は…初めて…だったんだからなっ。」
西園寺とまた違ったワンコ可愛い系男子と…
「……っ!」
頬を染めて驚いているイケメン男子。
「何だよっ。」
「…いや……ゴニョゴニョゴニョ…」
「え、何?」
『参ったな…初めてだったのか…』と、申しております。
喜んで照れてんだなこれが。
「何でもない…ほら、買いに行くぞ。」
誤魔化してイケメンがワンコの腰を引き寄せる。
___グイッ___
「ひゃっ…腰掴むなよっ…もぉ…お前…近ぃっ…」
この2人はモブカップルでゲームにチョロっと出てくるんだけど、イケメンが同室になったワンコに一目惚れして思いを募らせ、寝ているワンコにキスしたら実は起きていた…ってね☆
謝るわけでもなく、バレたら告白して今は絶賛アプローチ中なんだよね。
ゲームの賑やかし要員だけどこのカップルも好きなんだよなぁ~。
前回見なかったからつい反応してしまった。
「クスクス…あ、今日の定食エビフライだって。デザートにプリンは…今並んでもなさそうか。」
「じゃぁ…プレミアムアイスで許してやる。」
プレミアムアイス、1個500円くらいするんですけど。
味は美味しいけど量の割に高いんだよなぁ。プリンより高いし。
「…それは割に合わないな…」
ワンコの耳に口を寄せて囁いた。
「…………」
___ボンッ!___
「じゃぁ、いらねぇっ!」
うんうん『もっとキスしなきゃね』って、言われたんだよね。
前々回の時に聞こえたよ♪
ご都合に合わせて気持ち悪がったり拒否ったりしない所がBL世界の良い所。
その恥じらい顔…ごっつぁんです。
「クスクス、待ってよ。冗談だって。」
顔を真っ赤にして逃げるワンコにニマニマしながら追いかけるイケメン。
今日は思い出しながら飯3杯はイケるぜ…
「お待たせ。」
「ん、どうした?何か面白いことがあったのか?」
うん、どちゃクソおいしいBL展開でした!
…とも言えず…
「…あ…あぁっ、外にいる雀のケンカが面白くてさ。雀でも取っ組み合いってあるんだな。可愛いやらおいしいやら。」
うんうん、スズメとスズメの絡み合い…可愛いやらおいしいやら…
「…おいしい?」
「…おいしい…ハッ!あ、間違えた。面白いだ!実咲のプリン見てたらついっ。」
「確かに美味しそうだよね。マコ、生クリーム好きでしょ。俺の分はマコにあげるからね。」
「いやいや、家じゃないんだから。あ、俺っ、水取ってくるな。」
「ホントにお前ら仲良いよな~。」
実家にいた時にユキの母親の手作りプリンが大好きで生クリームをたっぷり添えてもらってよく食べてたっけ。
あまりにも嬉しそうに食べるからとユキの母親がスプーンに生クリームを乗せて食べさせてくれたのは幼稚園の時。
小学生になったらユキが自分のをくれたんだよな。何故かユキの母親みたいにスプーンに乗せて食べさせてくれたけど…
俺はその場を逃げる様に水を汲みに行き、3人分の水を入れたコップをトレーに乗せてテーブルへと移動する。
2人が見えた時、思わず足が止まった。
「………じゃん?」
「うん、だから……」
ユキと実咲が肩が触れるほど近くに顔を寄せて話している。
雰囲気からして今回の西園寺ルートは思ったより早いのか?
前回なかなかユキ呼びを許さなかったのに、今回は最速だよな。
1年で結ばれた時もあったよな……その時はBL展開で18禁モードに突入するんだよなぁ♪
___モヤッ___
あれ?
嬉しいのに、また少し胸がモヤっとした。
プリン…止めとくべきか?
いやいや、プリンは食わねば。
「マコ?」
「あ、水持ってきた~。」
何事もなかったかのように2人は離れ、俺を真ん中の席に座るようにユキが促す。
う~ん…2人の邪魔になるとは思うけど、少し胸がスッキリした。
でも…
「マコ、あ~ん♡」
「おまっ…ここ外っ!」
「へぇ~、部屋なら良いんだぁ♪」
「実咲まで何けしかけてんだよ!」
エビフライ定食を食べた後、プリンを取ろうとしたらマコに奪われて俺に食べろと生クリームの乗ったスプーンを差し出される。
嬉しそうなユキにニヤニヤしている実咲。
何故だ!ここは実咲に「あ~ん♡」だろ⁈
周囲の視線を気にして周りを見るが、俺達のやりとりに興味や冷やかしの目を向ける者はいない。
…そうだった…ここはBLの世界だったぁぁ…
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