可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

文字の大きさ
17 / 105

16

しおりを挟む
___翌日___

おっほぉ…朝日が眩しいぜ…
結局一睡も出来なかった。

ガーネットへの硝子細工の土産はベリルの母上にも選んだ切子グラスにした。
夫婦茶碗みたく将来の夫婦グラスだ。
今はノンアルコールカクテルでも、将来は美味い酒を2人で飲めたら良いだろう。
結婚祝いにはもっと良いのを贈ったら良いしな。
家に帰って限定の鳥の小物入れの蓋を開けたら、中に俺が気になっていたとんぼ玉が2つも入っていた。
ジルコンに相談したら、それを使って防御の加護を与えるからと持って行かれたけど。
薄いブルーの小物入れは、結局ベリルに渡して俺はピンクをもらった。
告白前に「折角だから、やっぱり今日の記念に…お揃いで持ってようぜ。」って言ったんだけど…言わなきゃ良かった…

俺は可愛いものが好きだ。
可愛い女の子が好き。コーラルを女の子にしたみたいな感じ。
フワフワして柔らかくて…可愛い声で…可愛いものが好きで……でも、コーラルは1人の人間として好きだけど…恋愛になると、友情以上の感情はない。
可愛いもの好きだから一緒に店巡りしようとは話してるし…理想そのまんまなんだけどなぁ。
何でだろ?男だから?
いやいや、今はコーラルのことじゃなくてベリルのことだろう。

「はぁ…」

___コンコン___

「リオ、起きて…るな。大丈夫か?」

「……もうパンク寸前……ジルコン、気付いてたの?」

ジルコンには帰った時に防御魔法を掛けた石が1つ欠けたこともあって、寝る前に少し話をしている。

「気付かなかったのはお前とベリル様くらいだろ。」

___バァンッ!___

「おっはようございまぁすっ♡リオ様っ!昨日はバタバタして聞けませんでしたから、ガーネット様のお世話も終わりましたのでやって参りましたぁ!」

「おぉ…おはよ、パール。朝からテンション高いな。」

「えぇっ!前から可愛いリオ様には可愛い令嬢よりカッコイイ令息が…と、思っておりましたけど、まさか隣国王子だなんて…さぁ、教えて!さぁ、語って!!さぁ、包み隠さず言えぇぇぇ!!!」

「いやぁぁぁっ!怖いぃっ!!」

何だこの感じ、怖いぃっっ!

「妄想の列車を止めろ馬鹿者!誰かいないか⁉」

グイグイ来られたパールを走ってきた使用人達が引きずるように連れて行った。

「…ハァ…食われるかと思った…」

「リオ。」

「ん?」

「これ、今付けてるネックレスと交換だ。」

今まで付けていたネックレスを戻すように言われたので外してジルコンに渡すと、代わりに昨日買ったとんぼ玉が通されたブレスレットを渡された。

「これ…」

「同じように防御の加護を付けといた。ついでにガラス強化の魔法も使ったから、普通のとんぼ玉より硬いから気にせず使え。」

とんぼ玉の間に俺の瞳の色の赤い石があった。
ん?昨日見たとんぼ玉よりキラキラしてる気がする。

「あ、ちょっと魔法でキラキラした感じになってると思う。」

うん。可愛いが増して良い感じだ♪

「ありがとう。」

「おぅ。今日は学園行けそうか?」

「あ~…うん、多分。大丈夫だろ。」

俺は朝食を済ませた所にロードが迎えにやって来た。

「…おはよう、ガーネット…♡」
「おはよう、ロード…♡」

ガーネットとロードがいつもの朝の挨拶をしている横で、俺達はモジモジと固まっていた。

「……お…おはよう…リオ…」

「おおお…おはよ!ベリリュッ!」

そうだよな!ロードと同じ王宮から、ベリルも来るよな。そうだっ、毎日来てた!

「はぁぁぁあああんっ!尊っ死ぃっっ!!」

「うるさい、パール。さぁ、遅刻するぞ。」

遠くにいるはずのパールの叫び声と、ジルコンの声で我にかえる。

「行ってくるっ!」

学園までのラブラブカップルに当てられながら、俺達は沈黙で学園へと向かっていった。

学園へ着いた時、俺はほんの少し馬車に酔ってしまった。
いつもは景色を見ながらみんなで話していたのに、今日は睡眠不足に食事も十分に取れてなくて下を向いていたからだろうか?

「リオ、大丈夫か?」

馬車から降りる時に、俺の手を取ったベリルが心配そうに声を掛けてきた。

「大丈夫、ちょっと酔っただけ。昨日可愛いものを買ったからテンション上がって眠れなくてさ。あ、遅くなってゴメン!昨日硝子の小物の中にこれが入ってた、ありがとう。」

チャラ…と、腕に付けたブレスレットのとんぼ玉をベリルに見せた。

「早速付けてくれたんだな…嬉しい。」

ベリルに手を添えられてブレスレットを嬉しそうに眺められて、思わす昨日を思い出す。
わわわっ…顔が…熱い…

「どうした?やっぱり…辛いか?救護室に行くか?」

「だだ…大丈夫っ!」

「しんどくなったら言えよ。」

「うん!」

しんどくなるのはすぐだった。

___ドサッ!___

「リオッ!!」

俺は初めてのロードとベリルを含んだ合同剣術の最中に倒れたらしい。



*****************



「……あれ…ここは…」

「…っ…目覚めたか。」

そばで、ベリルの声が聞こえる。

「ベリル…?」

「ここにいる。大丈夫か?お前、倒れたんだぞ?」

ベリルが俺の前髪を横に流して熱を図った。

「ゴメン、授業サボらせたな。」

「授業よりお前の方が大事だ。」

「フフッ、お前の分をロードが扱かれるじゃん。」

「フッ、それも良いだろうな。ガーネット嬢に行く愛情も少しは落ち着くだろうさ。」

「アハハ、それはそうかもな。」

今日のあの2人を見ると…学園1年目というのに、来年には結婚して再来年には子どもが出来そうな勢いだ。

「…ジルコンを呼ぼうか?」

「うん。今日は帰る。」

ちょっと眠いし…今はちょっと…考えたい。
ゆっくりと眠気がやって来る。
心地良い風、心地良いベッド…

「帰らなきゃ…」

「そうだな。ジルコンに運んでもらえ。」

「俺は…子どもじゃ…ないんだぞ。」

ヤバい…本当に眠くなってきた。

「じゃあ、俺がジルコンを呼んでくるから起こしてもらえよ。寝ときな。」

「ん…絶対起こすように言えよ。」

まぶたを開けるのもしんどくなってきた。

「フフッ、分かったよ。」

「絶対…だからなぁ~…」

「お休み…」


___チュ…___


意識が無くなる寸前、唇に柔らかいものが当たった。
ベリルが顔まで布団を掛けたなぁ…全く、過保護め。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜

隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。 目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。 同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります! 俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ! 重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ) 注意: 残酷な描写あり 表紙は力不足な自作イラスト 誤字脱字が多いです! お気に入り・感想ありがとうございます。 皆さんありがとうございました! BLランキング1位(2021/8/1 20:02) HOTランキング15位(2021/8/1 20:02) 他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00) ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。 いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います

黄金 
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻! だったら離婚したい! ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。 お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。 本編61話まで 番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。 ※細目キャラが好きなので書いてます。    多くの方に読んでいただき嬉しいです。  コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。    

転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。

星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。 前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。 だが図書室の記録が冤罪を覆す。 そしてレイは知る。 聖女ディーンの本当の名はアキラ。 同じ日本から来た存在だった。 帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。 秘密を共有した二人は、友達になる。 人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

処理中です...