可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

文字の大きさ
51 / 105

50☆

しおりを挟む
ベリルは優しく俺を抱いた後、クリーンの魔法を掛けて俺達はベッドの上で食事をした。

「…今日はもう良いのかよ?」

「湯あたりさせたからな。」

「自覚はあるんだ。」

「フフッ、すまないと思ってるよ。」

ジルコンが頼んでくれたのか、夕食にしては軽くサンドイッチとミネストローネだった。

「これ…ゴンドラの時もこんな感じだったな。」

「肉の入ったサンドイッチとトマトのスープな。」

「美味しかったなぁ。」

「あぁ、また行こう。」

最近俺の目がおかしくなったのか、ベリルが大人びて見える時がある。
出会った頃のあの突っ走る感じは…確かにまだ少し残ってるけど…何だろう…こんな時の仕草や話し方…俺よりずっと…大人っぽい。
ロードもだけど…何か…ずるいよなぁ…

「…リオ?」

「ん?」

「まだ辛いか?」

「ううん、大丈夫。何かさ、ちょっとずるいなぁ…って思っただけ。王族って、早く大人になるのかな。」

「何で?王族なら、お前もじきになるだろ?」

「いや、王族とかじゃなくって…その…」

大人っぽくてカッコイイなんて…言えるかよっ。

___プイッ___

「何でもないっ。」

「…プッ!」

「何だ…っん…」

ベリルが俺の持つカップを取り上げてキスをした。

___ドサッ___

「な…ん…っ…ふぁっ…クチュ…」

「もう…っ…お前…可愛す…ぎ…クチュ…」

舌が入って俺の歯列をなぞり、上顎を舌でくすぐられる。
背筋の奥がゾクソクして、さっきまで入っていた俺の後孔が反応する。

「あ…んっ…も…っ……」

可愛いって言うなって言いたいのに言わせてくれない。
俺、こんなによがって…カッコ良くないよな。
可愛い……そっか…コーラルもカッコ良くなってるし、俺だけ…カッコ良くなれない。

「…リオ…っ…」

あれ…俺…

「大丈夫か?」

「俺、何で…」

気が付いたら俺は泣いていて、ベリルに抱き締められていた。

「ごめっ…そんなつもりじゃ…」

「大丈夫だ…今日はもう寝よう…チュ。」

「ベリル…っ…中途半端じゃ…グズ…辛いじゃん。」

「泣いてるお前を抱くほど俺は飢えてないよ。でも、今日は最初から抱き締めて寝かせてほしい。」

「……どう…しても?」

「ん…どうしても。」

ベリルが両手を広げる。
ベリルと一緒のベッドの時は、大体意識がない状態で起きたら腕枕だったりするから…最初からとか初めてじゃないかもだけど…

「…分かった…」

俺は何も聞かずにわざと我儘を言ってくれてるベリルに甘えることにした。

「おやすみ…チュ…リオ…良い夢を。」

「ん…お休み…ベリル…」

目を閉じるとベリルの温かい体温と鼓動が聞こえる…俺はそのまま夢の中へと導かれていった。




**************************




身体が弱るとネガティブになるのかな?
俺は結局昼過ぎまで眠り続けたようで、1日しっかり眠ると身体の調子も戻り昨日のことも引きずらずに何だかスッキリしていた。
まぁ、深く考えすぎてもしょうがないかもな。

___カチャ___

「起きたか?」

「あ、ベリル。」

上半身裸のベリルが首に布を掛けて頭を拭きながら入ってきた。

「あれ、お風呂に入ってたの?」

「あぁ、お前が気持ち良さそうに寝ていたし、ちょうど剣術のトーナメントをしようと護衛達が話していたのを聞いて参加して来たんだ。良い汗かいたよ。」

結果は…聞かなくても分かる。

「でも…あぁ、クソッ…次は負けねぇ…」

「あれ?ベリル、負け「負けてねぇ!あれはズルいっ!」」

___コンコン___

「ズルくないです~、あれは試合じゃなくて試合だろ?敵を欺くためにはズルさも必要だ。」

「ジルコンも出たの?」

苦笑いのジルコンが手紙を持ってやって来た。

「あぁ、護衛騎士のみんなから誘われてな。最近オニキスの剣術に付き合うことが増えてたら、見込みがあるとか言われて護衛騎士との訓練にも参加することが増えたんだ。仲良くなったんで誘われたんだが…従者たるもの護身術も必要だろ?」

いやいや、貴族の従者が王宮レベルはどうなんだ?王子に勝っちゃってるよ。
あ、でもジルコンは貴族でもあるから良いのか?でも騎士志望じゃないしなぁ…王属騎士団長とかやきもきしてんだろうな。

「はい、ロードからの返事。10日後にガーネットと来るってよ…で、妖精や精霊と契約出来たら入れ替わりにお前達は王宮で10日ほど過ごすと良いってさ。」

「分かった。じゃぁ、リオと長く過ごせるな。」

「王宮に…良いのか?」

「まぁ、こっちもフォスター公には報告済みだ。『婚約者と仲睦まじいのは良いことだ。それなら私達も子どもがいなかった時に戻って睦まじく過ごそうと思う。ゆっくりと過ごすと良い。』だって……近々兄弟が出来そうだな。」

「…マジそれ洒落にならんから…」

確実に来年には出来そうだよ…

「王宮にはロードが王へ申告済みだそうだ。特別な部屋を用意してくれるみたいだぞ?良かったなリオ♪」

「特別…?」

ジルコンが耳元で囁いた。

『…声が外に響かない仕様で、王宮の端にあるそうだ。新婚の王族が使われる部屋だって。』

「ピャッ!」

___ガバッ!___

「ジルコン!」

「アハハ、お前のための情報でもあるんだぞ~。内容はリオに聞いとけ。」

ジルコンから引き剥がされて、ベリルの腕の中に入った俺は顔が真っ赤になってしまって俯いてしまった。

「…なぁ…リオ、ジルコンは何て言ったんだ?」

「いやぁあぁあぁっ…何でもないっっ!」

「何でもない声でも顔でもないよな?顔上げないし。」

「暑いから上げられないのっ!もっ…離れろっ!」

「……何か今…超絶可愛い顔してるっぽいから…やだ…」

___ギュッ!___

「な゛っ!」

ベリルが更に強く抱き締めて俺を離さない。

「ハイハイ、お熱いのはよ~く分かった。あ、今日は精霊達はいなかったぞ。クッキーは食べてたみたいだけど返事は無かった。もしかしたら夜に来るかもな。俺も様子を見に行ってみるけど、夜の森は綺麗だぞ?今日の月明かりは特に綺麗だ。行ってみると良い。」

「うん、そうする。」

ベリルは俺が食べた後の皿やカップをキッチンワゴンに乗せて部屋を出て行った。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~

朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」 普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。 史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。 その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。 外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。 いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。 領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。 彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。 やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。 無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。 (この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)

売れ残りオメガの従僕なる日々

灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才) ※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!  ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。  無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...