可愛くなりたい訳じゃない!

mana.

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「なぁ…何で黙ってたって怒らないんだ?」

見慣れたはずの王宮のベリルの部屋は、私物を全て自分の国へと送り返したせいか何だか少し寂しさが込み上げる。
自分の部屋よりこんなに寂しくなるなんて…俺はこの部屋によく過ごしていたと言う事なんだろうか?

「ん、怒って欲しいのか?」

「そんな訳じゃ無いけどさ…」

ベリルの香りがするベッドの端で、優しく自分の膝に乗せて俺に微笑む。

「…言う…つもりだったんだけど…」

だってさ…転生者だったらお前…色々考えて身を引くとか思ったんだよ。

「俺の事を考えたんだろ?」

「……」

ベリルが俺を引き寄せて抱き締めた。

「確かに転生者は国の宝だ…この国がお前を離さないと言うのであれば、俺は自分の国を捨てる覚悟をしていたんだ。」

「それはダメだっ!」

だって、ベリルが継がなかったら誰が継ぐんだよっ!

「リオ。」

「お前は自分の国のためにこの国に来たんじゃないか!お前の国で沢山の民が待ってんだろ?それを自分の気持ちだけで…そんな軽い気持ちで……って、何だよっ。何笑って…」

ベリルの気持ちは嬉しかったけど、そういう訳にはいかない。
俺のせいで自分の国を捨てるなんて…それは出来ないと言おうと顔を上げたら満面の笑みで俺を見るベリルがいた。

「リオ…俺や俺の国の民をこんなにも考えてくれて……流石は俺の未来の妃と言うべきかな。」

「お前っ、俺は真剣にだなぁ!」

「あぁ、俺も真剣だぞ?だからバニラやダイヤ様、モルダ様とも話し合ったし、ウチの親にも手紙を書いたんだ。」

「…え?」

それってもしかして…

「そりゃ、お前が転生者と分かった時点で話さない訳にはいかないだろ?ただ、お前を混乱させたくなかったし…」

「っ…お前…誰にも話してないって…」

「…あ゛。」
「………」

___ギリギリギリ___

「イヒャヒャヒャヒャッ!」

俺は思い切りベリルの両頬をつねって言った。

「お~ま~え~なぁっ、それを俺にいつ言うつもりだったぁ!」

れは…の…」

自分の事を棚上げてるのはよく自覚している、してるけどさっ!
少し罪悪感を覚えて俺はベリルの頬をすぐに外すと、ベリルは頬をさすりながら答えた。

「俺は絶対お前と離れるのは嫌だったし、そうならない為にはこちらの国を巻き込んでしまおうと思ったんだよ。それにさっきも話したが、この国がお前を離そうとしないなら俺は王位継承を辞退してでもお前と共にいるつもりだった。」

「ベリル。」

「……で、お前はどうなんだよ?」

「え?」

「お前の事だから、ダイヤ様や俺の国に迷惑が掛かるならいっそ消えてしまおうかとか考えてたんだろ?」

「……っ。」

それは確かにそう思っていた。
それに、離れ離れで辛くなるからいっそヴェルディに頼んで人間のいない精霊や妖精が暮らす森へ移住しようかと思っていた。

「…その顔……ダメだからな。」

ベリルが俺を引き寄せて肩に顔を埋めた。

「…っ…何がだよ。」

「お願いだから俺の前から消えないでくれ。」

「…んっ…」

少し強く抱きしめるベリルの吐く息が首筋に熱く当たる。
さっきまで行っていた行為のせいか…いつも以上に感じた。

「黙って逃げられないように…」

___トサッ…___

「ベ…リル…?」

優しく押し倒されて見上げた時のベリルの顔は…少し影があったせいか…

「……動けなくなるまで抱かなくちゃな…ジュッ。」

「なっ…んんっ!」

そこから一気に弱い場所を徹底的に攻められ、何度も突かれて何度もイッて………

「ひゃ……あぁっ………もっ……ベリ…ッ……あ゛ぁっ!俺…もっ…出なぃぃいっ!」

「くっ……フフッ…何言って…んだよ…さっきから…もう……中イキしかしてないだろ?……それに…」

___グンッ!___

「あぁあっ!」

何度もイッて気絶してもおかしくないのに快楽が再び波のように襲ってくる。
抜かずに何度も俺の中で復活しては突かれ、俺はきっと情けない顔をしているはずだ。
はずなのに……

「フフッ…リオ…可愛い…」

「可愛く…なぃぃっ…もっ…おぉ…抜けっ…てぇ…」

「ん……確かに…もう…寝ないと明日起きれないよな…」

「そう…んっ…だよ…明日…旅立つ…の……えっ⁈」

その言葉に安心したのも束の間。

____ズチュンッ‼︎____

「ヒュッ…‼︎」


俺はこの最後の一突きでやっと気を失った。



************************************



___チチチチチ……___


「……朝……ベリ…ん゛⁈」


目を覚まして横を見ると、床の上に正座をして頭にタンコブを作ったベリルとその前で仁王立ちのジルコンの姿が目に入った。

「…ジ…ル゛……ン゛…」

おぉぉ…喉が枯れて声が濁声だ。

「リオッ、迎えに来たぞ…大丈夫…じゃなさそうだな…帰ったらハチミツ入りのハーブティを作ってやるからな。」

「…ん…」

俺はベリルに手を伸ばし、ベリルは俺に掛かった掛け布団を剥がして…

「…あ゛ぁ゛っっ‼︎」

___バサァッ!___

間髪入れずに掛け直された。

「…え゛…ジル…」

___ゴゴゴゴゴ…___

「……おい…そこのバカ王子…」

「…何だ?」

「…何だ?…じゃねぇ…ウチの子に何してくれてんだ…」

「何って……」

___バキィッ!___

「ウ゛ッ!」

「お前なぁっ!結婚式を控えた未来の妃になんて痕付けてんだ‼︎」

……え…痕……

「ぴゃあ゛ぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛っ‼︎」

何だこれっ⁈キスマークにしてはありすぎだろうがよっ!

「結婚式まで会うの禁止だっ!帰るぞっ、リオッ‼︎全く…ラリマーは何やってたんだ!」


___ガバッ!___


「リオォッ!」

ラリマーは王妃専属だからあいつに罪はないと思うんだけど。
いつの間にかベリルの部屋にあった綺麗なシーツで俺は包まれ、ジルコンに軽々と持ち上げられて俺は屋敷へ戻り、そのまま気を失うように再び眠りについてしまったため隣国への出立は数日延期となった。
それまでの間にジルコンはベリルの両親へ謝罪と報告。
結婚式までにはジルコンの努力の甲斐もあってキスマークは綺麗に消えてくれた。
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