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出会い〜天上界へ
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その後、俺とアルさんはネル姉さんのカフェで頻繁に会うようになった。
独身で一人暮らしの俺は、年上だけど同じく独身のアルさんとネル姉さんと一緒にいるのが居心地が良くて、人と一緒に過ごす楽しさを知ってしまってからは晩御飯は大抵ここだ。
___チリンチリン…___
「ただいまぁ~。」
「お疲れ様~。」
知り合ってから2ヶ月。
もう何年も前からの知り合いのように接してくれるネル姉さんは俺の好みを既に熟知していて、お店の簡単な手伝いをする代わりに無料で毎日晩御飯を用意してくれる。
「はい、お水。今日は疲れてるわね。」
「大丈夫、ネル姉さんのおかげで最近胃の調子が良いんだ。今日はガッツリ食べたいな。」
「了解。でも、今日は油物じゃなくて海鮮丼にでもしましょうか。良いお魚仕入れたの。」
「フフッ、あんまりカフェメニューっぽくないね。」
「賄いだからなんでもアリよ♪」
ネル姉さんがウインクして厨房へと消えた。
……ん……店が…ちょっと、いつもと違う?
店のBGMは程よく流れ、客もそこそこいるけど…ちょっと寂しいかも。
ネル姉さんは店長権限なのか、基本俺とアルさんしか接客しない。
それを気付かせないくらい、テキパキとスタッフが動いている。
うん、いつもの店なんだけど…
俺がキョロキョロしていると、厨房から戻ってきたネル姉さんが笑って言った。
「アルは仕事が押してんのよ、もう来ると思うわ。」
そっか、アルさんがいないからだ。
「ねぇ、ネル姉さん。アルさんって何の仕事してるの?」
アルさんの第一印象は樹に似てると思ったけど、知れば知るほど違っていた。
何で似てると思ったんだろ?雰囲気かなぁ…
ネル姉さんもだけど、アルさんも顔が整っているから外国人モデルだと思ってたけど違うという。
「何だろうね。」
「外資系の…証券会社とか…?」
よく電話してるし…
「う~ん…ごめんね、私からは言えないのよ。」
「そう…なんだ…」
何だか壁を作られた気がした。
「あっ、アンタが信用できないからじゃないのよっ!その…秘密事項が多いというか…」
「あ~…会社によってはあるよね。」
確かに、同僚が前に勤めていた会社は仕事内容を家族にも伏せるように言われていたと聞いた事がある。
「うん、まぁ…アルの会社って、そんな所なのよ。ゴメンね。」
「…うん…」
じゃぁ…なんでネル姉さんは知ってるんだろう…
「……っ…もうっ!そんな顔しないでぇっ、アンタのその顔に弱いのよ、私っ!」
「んぷっ!」
ネル姉さんはカウンターから出てきて俺を抱き締めた。
ネル姉さんって…アルさんもだけど結構大きいから、抱き締められると俺でも小さく感じる。
「時期が来たら分かると思うからっ!だから…今は許してっ!」
「むぐ…っ…姉さん…苦しいっ…」
姉さん…豊満な胸が…苦し…あれ…そういや、最初も思ったけど…胸…胸筋……あれれ?
「アハハ~、ゴメンゴメン。アンタを見てると本当に『母性』ってこんなかなって思うのよ。あ、これぇ?ウフフ~本物みたいでしょ?さっ、ご飯食べちゃいなさい!」
ネル姉さんが胸をユサユサと揺らした後、何事も無かったように厨房スタッフが用意した海鮮丼をカウンターに用意する。
…よく聞かれるのかなぁ?
俺は空腹だったのを思い出して、しっかりとお腹に収めた。
「フゥ……あ。」
___チリンチリン…___
「…ただいま、あ…ルカ。」
「お帰り、アルさん…っ…その手っ!」
少し疲れた顔で戻ったアルさんは、手のひらに怪我をしていた。
「あぁ…ちょっと、そこで転んでね。手を着いたからかな。」
「砂が入っちゃうかも、ネル姉さん!」
「ハイハイ慌てないの…ん~…こんなの、舐めりゃ治るわよぉ。」
「…冷たいな。じゃぁ、ルカだったら?」
「もちろん、病院に連れてくに決まってんでしょ?」
「フッ、確かにな。」
「何で?俺じゃなくても場合によってはアルさんも病院だよ?」
「ねぇ…ルカ。」
「…何、アルさん?……あぁ、スーツに汚れ付いてんじゃん…払わなきゃ。」
夢中でアルさんの身体に異変がないか確認していたら耳元で囁いた。
「じゃぁ…ルカに舐めてもらったら…治るかな?」
「えっ…」
___ベシッ!___
「痛っ。」
「アンタ、ウチの大事な子に何言ってんのよっ!」
「お前が産んだ訳じゃないだろ?」
「産んだのよっ!」
「…今なんて言った?」
「……って、思ってる位大事なのよっ!ほら、手ぇ洗ってらっしゃい!」
「分かったから…とにかく離れろ、ルカが汚れる。ルカ、ちょっと待ってて。」
アルさんが優しく俺を引き寄せて頭を撫でると、厨房へと入って行った。
血がシャツの袖に付いていた程出ていた気がするけど…酷い怪我じゃないのだろうか?
少ししてアルさんが出てくると、スーツの上着を着ていなかった。
「怪我、酷かったの?」
「大した怪我じゃない。ほら、傷も小さいだろ?暑くて脱いだだけだ。」
アルさんが俺に手のひらを見せてくれて安心したせいか、ふとアルさんの身体に目が行った。
「アルさんって…何か運動してたの?」
シャツ越しでも分かる、日本人にはないガッシリとした体つきだ。
「あぁ…まぁ…運動…ね、してるかな。」
元々筋肉の付きにくい俺からしたら、身長があっても軽く抱き抱えることが出来るだろう。
「そうなんだ。マシンジムとか…似合いそうだね。」
「ありがとう。ルカに褒めてもらえるとこの身体も悪くないな。」
「あ…アルさん、手を出して。」
「ん。」
「そっちじゃない、こっち。」
俺は怪我をした手を捕まえて、カバンから出していた絆創膏を貼った。
「……これは…」
「貼ったことない?絆創膏。」
「バンソー…コー…」
「怪我したら貼るの。俺、よく転ぶからさ。」
「…ブフゥッ…アル…可愛い♡」
「あ、ゴメン!今これしかなくて…」
前に会社で同期の女の子にあげた絆創膏のお返しで「バリエーションあった方が楽しいでしょ?」と、キャラクター物の絆創膏をもらったやつだった。
男なのに、キャラクター物だから仕事ではなかなか使えなくて残ってたやつだけど。
今はこれしかないんだよね。
「あぁ…大丈夫だ…ルカ、ありがとう…」
フワッと、アルさんが俺を抱き締めた。
アルさんから香る男らしい…ちょっとスパイスが入ったような香り。
海外の人はスキンシップが激しいとは聞いているけど、ネル姉さんもよく俺にハグをする。
……父から匂う様な加齢臭じゃないんだよなぁ…何だろ?香水?良い匂い。
上着を脱いだせいか、香りがいつもより強く感じた。
「ううん、アルさん…大怪我してないみたいで良かったよ。晩御飯食べた?俺、食べちゃった。」
「まだ食べてない。じゃぁ、話だけでも付き合ってくれ。」
「うん。」
俺は、アルさんとカウンター席に座ってネル姉さんが用意してくれたお酒を片手に今日あった出来事を話して1日の疲れを取った。
**************
半年して…いつもと違う身体の異変を感じた。
まぁ、仕事も忙しいし大丈夫と思っていたけど…
「ルカ、病院に行きなさい。」
いつも笑顔のネル姉さんが真顔で私に言った。
隣のアルさんも真顔だったので、俺は翌日病院に行くと…
………皮肉にも樹と同じ…進行性の早い癌だと分かった………
独身で一人暮らしの俺は、年上だけど同じく独身のアルさんとネル姉さんと一緒にいるのが居心地が良くて、人と一緒に過ごす楽しさを知ってしまってからは晩御飯は大抵ここだ。
___チリンチリン…___
「ただいまぁ~。」
「お疲れ様~。」
知り合ってから2ヶ月。
もう何年も前からの知り合いのように接してくれるネル姉さんは俺の好みを既に熟知していて、お店の簡単な手伝いをする代わりに無料で毎日晩御飯を用意してくれる。
「はい、お水。今日は疲れてるわね。」
「大丈夫、ネル姉さんのおかげで最近胃の調子が良いんだ。今日はガッツリ食べたいな。」
「了解。でも、今日は油物じゃなくて海鮮丼にでもしましょうか。良いお魚仕入れたの。」
「フフッ、あんまりカフェメニューっぽくないね。」
「賄いだからなんでもアリよ♪」
ネル姉さんがウインクして厨房へと消えた。
……ん……店が…ちょっと、いつもと違う?
店のBGMは程よく流れ、客もそこそこいるけど…ちょっと寂しいかも。
ネル姉さんは店長権限なのか、基本俺とアルさんしか接客しない。
それを気付かせないくらい、テキパキとスタッフが動いている。
うん、いつもの店なんだけど…
俺がキョロキョロしていると、厨房から戻ってきたネル姉さんが笑って言った。
「アルは仕事が押してんのよ、もう来ると思うわ。」
そっか、アルさんがいないからだ。
「ねぇ、ネル姉さん。アルさんって何の仕事してるの?」
アルさんの第一印象は樹に似てると思ったけど、知れば知るほど違っていた。
何で似てると思ったんだろ?雰囲気かなぁ…
ネル姉さんもだけど、アルさんも顔が整っているから外国人モデルだと思ってたけど違うという。
「何だろうね。」
「外資系の…証券会社とか…?」
よく電話してるし…
「う~ん…ごめんね、私からは言えないのよ。」
「そう…なんだ…」
何だか壁を作られた気がした。
「あっ、アンタが信用できないからじゃないのよっ!その…秘密事項が多いというか…」
「あ~…会社によってはあるよね。」
確かに、同僚が前に勤めていた会社は仕事内容を家族にも伏せるように言われていたと聞いた事がある。
「うん、まぁ…アルの会社って、そんな所なのよ。ゴメンね。」
「…うん…」
じゃぁ…なんでネル姉さんは知ってるんだろう…
「……っ…もうっ!そんな顔しないでぇっ、アンタのその顔に弱いのよ、私っ!」
「んぷっ!」
ネル姉さんはカウンターから出てきて俺を抱き締めた。
ネル姉さんって…アルさんもだけど結構大きいから、抱き締められると俺でも小さく感じる。
「時期が来たら分かると思うからっ!だから…今は許してっ!」
「むぐ…っ…姉さん…苦しいっ…」
姉さん…豊満な胸が…苦し…あれ…そういや、最初も思ったけど…胸…胸筋……あれれ?
「アハハ~、ゴメンゴメン。アンタを見てると本当に『母性』ってこんなかなって思うのよ。あ、これぇ?ウフフ~本物みたいでしょ?さっ、ご飯食べちゃいなさい!」
ネル姉さんが胸をユサユサと揺らした後、何事も無かったように厨房スタッフが用意した海鮮丼をカウンターに用意する。
…よく聞かれるのかなぁ?
俺は空腹だったのを思い出して、しっかりとお腹に収めた。
「フゥ……あ。」
___チリンチリン…___
「…ただいま、あ…ルカ。」
「お帰り、アルさん…っ…その手っ!」
少し疲れた顔で戻ったアルさんは、手のひらに怪我をしていた。
「あぁ…ちょっと、そこで転んでね。手を着いたからかな。」
「砂が入っちゃうかも、ネル姉さん!」
「ハイハイ慌てないの…ん~…こんなの、舐めりゃ治るわよぉ。」
「…冷たいな。じゃぁ、ルカだったら?」
「もちろん、病院に連れてくに決まってんでしょ?」
「フッ、確かにな。」
「何で?俺じゃなくても場合によってはアルさんも病院だよ?」
「ねぇ…ルカ。」
「…何、アルさん?……あぁ、スーツに汚れ付いてんじゃん…払わなきゃ。」
夢中でアルさんの身体に異変がないか確認していたら耳元で囁いた。
「じゃぁ…ルカに舐めてもらったら…治るかな?」
「えっ…」
___ベシッ!___
「痛っ。」
「アンタ、ウチの大事な子に何言ってんのよっ!」
「お前が産んだ訳じゃないだろ?」
「産んだのよっ!」
「…今なんて言った?」
「……って、思ってる位大事なのよっ!ほら、手ぇ洗ってらっしゃい!」
「分かったから…とにかく離れろ、ルカが汚れる。ルカ、ちょっと待ってて。」
アルさんが優しく俺を引き寄せて頭を撫でると、厨房へと入って行った。
血がシャツの袖に付いていた程出ていた気がするけど…酷い怪我じゃないのだろうか?
少ししてアルさんが出てくると、スーツの上着を着ていなかった。
「怪我、酷かったの?」
「大した怪我じゃない。ほら、傷も小さいだろ?暑くて脱いだだけだ。」
アルさんが俺に手のひらを見せてくれて安心したせいか、ふとアルさんの身体に目が行った。
「アルさんって…何か運動してたの?」
シャツ越しでも分かる、日本人にはないガッシリとした体つきだ。
「あぁ…まぁ…運動…ね、してるかな。」
元々筋肉の付きにくい俺からしたら、身長があっても軽く抱き抱えることが出来るだろう。
「そうなんだ。マシンジムとか…似合いそうだね。」
「ありがとう。ルカに褒めてもらえるとこの身体も悪くないな。」
「あ…アルさん、手を出して。」
「ん。」
「そっちじゃない、こっち。」
俺は怪我をした手を捕まえて、カバンから出していた絆創膏を貼った。
「……これは…」
「貼ったことない?絆創膏。」
「バンソー…コー…」
「怪我したら貼るの。俺、よく転ぶからさ。」
「…ブフゥッ…アル…可愛い♡」
「あ、ゴメン!今これしかなくて…」
前に会社で同期の女の子にあげた絆創膏のお返しで「バリエーションあった方が楽しいでしょ?」と、キャラクター物の絆創膏をもらったやつだった。
男なのに、キャラクター物だから仕事ではなかなか使えなくて残ってたやつだけど。
今はこれしかないんだよね。
「あぁ…大丈夫だ…ルカ、ありがとう…」
フワッと、アルさんが俺を抱き締めた。
アルさんから香る男らしい…ちょっとスパイスが入ったような香り。
海外の人はスキンシップが激しいとは聞いているけど、ネル姉さんもよく俺にハグをする。
……父から匂う様な加齢臭じゃないんだよなぁ…何だろ?香水?良い匂い。
上着を脱いだせいか、香りがいつもより強く感じた。
「ううん、アルさん…大怪我してないみたいで良かったよ。晩御飯食べた?俺、食べちゃった。」
「まだ食べてない。じゃぁ、話だけでも付き合ってくれ。」
「うん。」
俺は、アルさんとカウンター席に座ってネル姉さんが用意してくれたお酒を片手に今日あった出来事を話して1日の疲れを取った。
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半年して…いつもと違う身体の異変を感じた。
まぁ、仕事も忙しいし大丈夫と思っていたけど…
「ルカ、病院に行きなさい。」
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