天界へ行ったら天使とお仕事する事になりました

mana.

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本編

17☆

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天界に戻ってからは新しい部署の立ち上げにバタバタしてアルさんと恋人らしい付き合いはなかった。
立ち上がったら立ち上がったで仕事は山積みだ。
書類と地上界から運用したタブレット端末は大活用で書類全てとはいかないが、一部の契約書はタブレット端末で出来るようになった。
俺は紙媒体のメッセンジャーボーイとなり、あちこちの部署へと書類を運んだりアルさんやネル姉さんのサポートをしている。

「アルさん。」

アルさんは地上界の監視を兼ねて調査の案件が出れば異世界へと赴く。
俺との恋人らしい付き合いがないけど…

「ルカ。」

「審査お疲れ様。今戻ったの?」

他部署へ書類を届けに行く途中、廊下でアルさんに会った。

「あぁ……あっ…この書類を持っていかねばっ。」

変にソワソワして凄くよそよそしい。

「この書類、ゼスさんだよね?決済の書類ならデータで送れば…」

「いや、口頭で伝えたい事もあるからこのままで良い。」

んん?今まで異世界からすぐにデータとして光で送ってたのに。

「じゃあ……またあとでな。」

ふわりと優しく俺の頭を撫でてアルさんは行ってしまった。
また『あとで』…って、最近の『あとで』は頼りにならない。

___パタバタパタ___

「アル~ッ!って、もういない。」

廊下の向こうからヘミーが掛けてきたが、羽根を使ったのかアルさんはどこにもいなかった。

「いつもルカにベッタリだからここだと思ったのに。」

「……それはどうかな…」

「え?」

そうだよね。

「アルさん…異世界で好きな人が出来たかも……」

「えぇっ、それはありえないよっ!」

最近アルさんは極秘調査で異世界にいる事が多い。
極秘調査だから俺は詳しく知らないけど、みんなに優しいアルさんがいつも以上に気を使って、書類を持っては色々な部署を駆け回っていた。

「……だと良いんだけどね…」

モヤモヤする…好きになるって、こんな気持ちにもなるんだね。
俺達は付き合ってもキスでさえこの前の旅行から全くしていない。
もしかしたら好きな人が出来たから俺には何もしなくなったのかもしれない。

「あ~…今の極秘調査については話せないけど、アルはルカの事が好きだから……あ、ゴメン…僕呼ばれてるから。」

「……うん…」

歯切れ悪くヘミーが言うと、他部署の人の方へと走っていった。


***************


___地上界での半年後___


いつものように変わらない日々。
いつものようにアルさんがよそよそしいのも変わらない日々だ。
そんな時、出張所でゼスさんから声を掛けられた。

「ルカ、お前にここを任せたいんだが。」

ゼスさんから新しい転生者のサポートを任された。
場所は樹の転生した世界……

「そうだ、樹の子どもだ。」

「樹の⁉」

「お前達と同じ所からだが、幼い時に病気で転生している。思い切り駆け回りたいと希望しての転生だ。幼い分、私達天使よりもお前の方が良いだろうと思ってな。」

「…ありがとうございます…」

……また会えるんだ…

「この担当に関してはアルがあちこちの部署を駆け回って成立したものだ。極秘というのも、もし駄目な時にお前のメンタルを心配しての事だ…だから、礼ならアルに言ってやれ。」

「アルさんが?」

凄く忙しそうに回ってたのはこれだったのか。

「お前の事しか見えてないからな、アイツは。だから、変な事を考えるな。」

そう言って、ゼスさんが優しく頭を撫でてくれた。

「…噂をすれば…だな……あ、異世界からコールが来たな。俺が聞いてくるから話してこい。」

「…はい。」

ゼスさんは異世界を繋ぐ部屋へと移動し、俺はアルさんの元へと歩いていった。

「お疲れ様。アルさん、聞いたよ…樹の事。」

「あぁ、遅くなってすまないな。」

優しく頭を撫でてくれる。
前は頬だったのに。
離れて行く手を俺は捕まえて言った。

「アルさんっ、アルさんは俺の事……いらなくなっちゃった?」

「…突然…何を言ってるんだ?」

「だって、最近よそよそしいし…それに…」

恥ずかしいけど、アルさんに言わなきゃ。

「……俺に……キス…してくれないっ…し…」

「………っ…」

「俺より…好きな人…出来たなら……アルさん?」

「……いない…」

アルさんの顔が近付いてくる。
また頬を撫でてくれるのかな?

「…そっか……それなら良かっ……ん…」

頬ではなく優しくキスをしてくれたけど、それだけでは終わらなかった。
最初は前みたいな啄むようなキスだったのに…

「………んっ…んっ……っ…ぁ…っっ!」

腰を引き寄せられ、息を吸おうと少し口を開けたらアルさんの舌が入ってきた。

「……んんっ………ふぁ………ア…ル……んぅ……」

逃げる度にアルさんが強く腰を引き寄せて舌を絡めてくる。

「んんんっ……ふぅ……んぅっ。」

下半身に違和感を感じてきた。
これって…生きてる時、朝起きたらなってたヤツ?
樹とこうなる事がなかったから……どうしようっ……恥ずかしい。

「アルさ…ん…離れ……わっ!」

___トン…___

壁際の奥の席に座らされ、アルさんが優しく微笑み掛ける。

「ルカ…好きだ…」

___ゾクンッ___

アルさんの手が俺のズボンの前を開けられ、下着をずらされると俺の陰茎が顕になる。
恥ずかしくて両手で隠そうとしたけど、軽々とアルさんに塞がれた。
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