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6章。みんなと合体する。超竜機神アルティメット・ドラグーン

72話。人造聖剣VS魔王の剣

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 聖竜機が、発光する超巨大な人造聖剣【聖竜剣バハムート】へと変形する。
 海竜機神リヴィアサンが【聖竜剣バハムート】の柄を握り締めた。

『はあぅううううッ……!? か、感じるわ。聖竜機を通してあなたを!』

 ティアが嬌声を上げながら、身悶えする。
 因果律を支配する【聖竜剣バハムート】の力を体感し、圧倒されているのだろう。
 
「おもしれぇ。なら俺も本気で相手をしてやるぜ。開け【ハデス・ゲート】!」

 アスモデウスの前に、再び底無しの黒い穴が出現した。
 あれは防御系の魔法じゃなかったのか……?
 警戒する俺を尻目に、アスモデウスは黒い穴【ハデス・ゲート】に手を突っ込んだ。

「我が召喚に応えよ、魔王の剣……【死を招く者】(デスブリンガー)!」

 アスモデウスは黒い穴より、闇が凝縮したような漆黒の大剣を掴み取った。
 その剣から、周囲の空気を汚染するすさまじい瘴気が噴出される。

『どひゃああああッ!?』

 ティアが悲鳴を上げてのけ反る。
 【死を招く者】(デスブリンガー)の瘴気に触れた木々が急激に枯れ、鳥たちが地にバタバタと落ちた。

「マスター、あの剣から生命力を奪い取る高濃度の呪いが発散されています」
「そういえば、コイツは呪術の類も得意だったな……」

 シルヴィアの足に回復不能の呪いをかけたのは、ランディだ。

「ティア、レナ、下がれ! 安全な場所まで退避するんだ」
『わ、わかったわ!』
『すみませんロイ様、頼みます!』

 ふたりの少女が、慌てて下がって行く。

「ハハハハハッ! すげぇだろう? 地獄の悪魔どもに鍛えさせた死の魔剣だ。まさに、殺しを生業(なりわい)にする俺にふさわしい武器って訳だ」

 アスモデウスが魔剣【死を招く者】(デスブリンガーを叩きつけてきた。

「うぉおおおおおーッ!」

 俺は【聖竜剣バハムート】で、それを猛然と弾き返す。

「ハッ! すげぇ俺の【死を招く者】(デスブリンガーと互角かよ!」

 次々に撃ち込まれる剣をいなし、逆に斬撃を返す。聖剣と魔剣がぶつかり合う度に、大気に激震が走る。
 必滅の【因果逆転斬(ワールド・ブレイク)】を叩き込んでやりたいが、そのためには一瞬、無防備になる。なんとか剣戟で競り勝って、隙を作らなくては……
 だが。

「パワー負けしているッ!?」

 徐々に、海竜機神はアスモデウスに押し込まれ、劣勢になっていく。
 武器の性能は同程度だが、機体パワーで差をつけられていた。剣術もランディの方が数段上手だ。

「【因果逆転斬(ワールド・ブレイク)】だったか? その人造聖剣の切り札については、アザゼルから転送されたデータで知っているぜ。使うには数秒の溜めが必要なんだろう?」

 しかも、こちらの弱点まで知られてしまっている。
 クソッ、なんとかしないと。

『はぅううッ! 申し訳ありません。ロイ様、も、もう限界です!』
「レナ!?」

 海竜機神に魔力を供給しているレナ王女が、疲労困憊となっていた。
 これ以上、彼女に負担を強いれば、最悪、命に関わるぞ。

「そらそら、どうした!? やっぱりお前は錬金術師としては天才だが、戦士としては3流だな! 王女の魔力をすべて奪い取れば、一瞬だがアスモデウスの出力を上回れたかも知れねぇのによ!」

 ランディが嘲笑う。

「強者は弱者を喰らって、生き延びる! それができねぇクソ甘ちゃんのお前は、結局、すべてを奪われるのさ!」

 アスモデウスが振った一撃が、海竜機神を弾き飛ばす。体勢が大きく崩れた。
 まずい……っ!

『ああっ、ロイ!?』
「そら、トドメだ!」

 魔剣を大きく構えたアスモデウスが突進してくる。

『お兄ちゃんをバカにするなぁ!』

 その時、猛然と突っ込んできた風竜機が、アスモデウスに体当たりを喰らわせた。

「なに!? 雑魚が邪魔しやがって!」
「シルヴィア!?」

 風竜機はアスモデウスの闇のオーラを受けて、装甲が腐食して崩れる。

『うぐっ!? 大丈夫だよ、お兄ちゃん! 今度は私と合体して!』

 顔を苦痛に歪めながらも、シルヴィアが叫んだ。

『ティア! あなたなんて嫌いだけど、お兄ちゃんのために、今だけは一緒に戦ってあげる!』
『シルヴィア!? う、うん、ありがとう!』

 シルヴィアからの通信に、ティアが喜びの声を上げる。

『ランディ! 他人を裏切って生きる、あんたみたいなヤツに、ロイは絶対に負けないわ!』
『その通りですわ。わたくしも、最後の力を振り絞ります!』
『お兄ちゃん! みんで一緒にコイツをぶっ飛してやろう!』

 3人の少女たちが、口々に叫んだ。

「マスター、これは……」
「ああっ、条件が整ったかも知れない」

 計器類に視線を落としたルーチェが、目を瞬く。

「シルヴィア! 助かった。ぶっつけ本場だが、こうなったら4体合体だ!」
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