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「おお」
よし、行くかとあの門をくぐった位置に足を付いた時には、目の前は違う場所だった。いきなりパッと変わったのでびっくりしたけど、自分がやった時も同じといえば同じなので、まあ、こんなもんかという感じ。
「なんか地味だな……」
「移動に派手さは要らんだろう」
「そりゃそうだけど、なんかエフェクト付いてたら面白かったのに」
「……移動に面白さ」
「も要らないもんなあ」
アハハと、ソランツェとギュッと腕を組んだまま笑い合っていたけど、視線を感じて思い出す。そうだったそうだった。腕を離してご挨拶。ソランツェは後ろに下がってしまったので横が寂しいけど……。
「おはようございます。ジェロイスさん、みなさん」
俺が来るのを待機していた大神官ジェロイスさんを始め色んな方々。ジェロイスさん以外は跪いているのが居心地悪いぜ。
「おはようございます。ようこそおいで下さいました、リヒト様。お二人の仲睦まじいお姿、アシュマルナ様もさぞお喜びで御座いましょう」
「え?いや、あの……。アハハ」
うおおおお……めっちゃくちゃ恥ずかしいんですけど?!距離感が恋人のそれっていうのを他人から指摘されるとかいたたまれない……!
一気に熱くなった顔を咄嗟に両手で隠すという判断ミスにジェロイスさんの優しい笑い声が聞こえた。ホッホッホッって笑う人いるんだね、と脳内は現実逃避を図るも
「可愛らしいですな」
孫を見る祖父母の様な暖かい眼差しで俺を見ているジェロイスさんに負けた。なんの勝ち負けよく判んないけど、負けた気がする。
「……恥ずかしいんですが」
++++++
「まずはリヒト様のお部屋に移動しましょうかな」
今いる部屋は各地に繋がる転移門を集めた部屋らしい。数はロイトダシェーン内の転移門が設置されている教会分ある。他の国の部屋もあるみたいだ。面白いなあ。
部屋を出るとそこは円形のホールの様になっていて壁には各国へ繋がる転移門部屋への扉がいっぱいあった。この部屋の中心にも門がありそこから大神殿とは別にある城へ転移出来るっぽい。
城へ転移しライアスが先導となり部屋まで移動する。えーっと、城の内部は派手な訳ではないけどしっかり華美な感じ。品が良いっていうのかな?うん、俺に語彙力は無いんだ。因みに、俺が『降りて来た』時から用意されていた部屋らしく、お披露目が終わるまではそこに滞在する事になっているそうです。
「そういえば、あの、さっきの……」
なんかソランツェと俺の関係の最新事情を知っていそうな感じなのはどういう事ですかね?と廊下を歩きながらジェロイスさんを見ると
「お部屋に着けば判りますので」
それだけ言ってニコニコと笑っているので、情報元を喋る気無いなと判断。いや、聞かなくても判ってるんですがね?どういう事だよ?とね、そこを俺は聞きたいのですが。くそ~。
あ、そうだ。さっき気付いた事聞いていいかな。
「話は変わりますが、前に居た補佐の方は今日はいらっしゃいませんね」
ララタスで付き人のように一緒にいた大神官補佐の方がいないんだよね。ぞろぞろ付いてくる後ろの方にも。
「ああ、彼は今はちょっと他国へ行ってもらっておりましてな」
「そうですか……それは残念です」
うーん、それだけで答えが判りましたよ。
「あの方にも腕輪のお礼言いたかったんですけどね」
「そなたの贈った腕輪をリヒト様が気に入って下さったようだぞと伝えると震えんばかりに喜んでおりました」
「そうですか」
「はい」
わ~他国ってどこだろうね~帰ってくるのかな~?これ以上聞けないね~!あはは~怖~!
++++++
俺がこのじいちゃん敵に回せねぇなって思いながら城内をしばらく歩いて辿り着いたのは、見るからに豪華な装飾の施された扉の前。縁取りの金って本物?とかってどうでもいい事が気になる(日本の)一般人。
「こちらがリヒト様のお部屋です」
「「え?」」
中は扉からしても予想通りな豪華な部屋で、多分王様とかってこんな部屋なのかなと思う物なんだけど俺とソランツェが驚いたのはそこじゃない。
中に入ってすぐ目に付く場所・部屋のド真ん中にある代物が問題だ。
「……なんですかねこれ」
「おそらく時としてはリヒト様がこちらへ来られるとお決めになった時でしょうか。部屋に突如としてこちらが現れましてな」
「えぇー……」
「私達も何が起こったのかと驚いておりましたところ、ライアスからの報告を受けそれも含めてそういう事かと理解致しました」
「いやいや……どういう事ですか……」
俺達の目の前にあるのは、二体のマネキン(?)。そして、それに着せられているのが問題のもの。
この世界のそういう事情は全く知らないけど、ジェロイスさんがそう理解したなら俺の知ってるそういう事情とあんまり差異はないって事……。
「……白で統一のこの感じ、これ婚礼衣装ですよね?」
「左様でございますな」
俺とソランツェの体格と同じサイズのマネキンが着ているのは白基調の豪華絢爛な衣装。装飾の刺繍などは対になっていて並ぶともうそれ用にしか見えないです。
ソランツェのは物語の王子様が着る様なタキシード?スーツ?で、俺のはアシュマルナと同じ花冠にキラキラ煌めくベールが付いているものと今着ている服の色違い装飾増し増し豪華版みたいなやつ……中を見てみると一応ズボンはあって足さばきの邪魔にならない様に真ん中にスリットも入っている様だが、パッと見はドレス。
今日の服がくるぶし丈ワンピースに戻っていたのはスカートという抵抗感を無くしこれを着せるためだな……。そのおかげかパッと見た時に、俺のこっちだななんてどちらの物が自分宛なのか疑問なく理解し受け入れてたっつー事実が悲しいよ。
「お披露目はこれで?って事か……」
あのさあ、アシュマルナはこの間の事も含めてちゃんと説明するべきだと思うんだけど、どうよ?
よし、行くかとあの門をくぐった位置に足を付いた時には、目の前は違う場所だった。いきなりパッと変わったのでびっくりしたけど、自分がやった時も同じといえば同じなので、まあ、こんなもんかという感じ。
「なんか地味だな……」
「移動に派手さは要らんだろう」
「そりゃそうだけど、なんかエフェクト付いてたら面白かったのに」
「……移動に面白さ」
「も要らないもんなあ」
アハハと、ソランツェとギュッと腕を組んだまま笑い合っていたけど、視線を感じて思い出す。そうだったそうだった。腕を離してご挨拶。ソランツェは後ろに下がってしまったので横が寂しいけど……。
「おはようございます。ジェロイスさん、みなさん」
俺が来るのを待機していた大神官ジェロイスさんを始め色んな方々。ジェロイスさん以外は跪いているのが居心地悪いぜ。
「おはようございます。ようこそおいで下さいました、リヒト様。お二人の仲睦まじいお姿、アシュマルナ様もさぞお喜びで御座いましょう」
「え?いや、あの……。アハハ」
うおおおお……めっちゃくちゃ恥ずかしいんですけど?!距離感が恋人のそれっていうのを他人から指摘されるとかいたたまれない……!
一気に熱くなった顔を咄嗟に両手で隠すという判断ミスにジェロイスさんの優しい笑い声が聞こえた。ホッホッホッって笑う人いるんだね、と脳内は現実逃避を図るも
「可愛らしいですな」
孫を見る祖父母の様な暖かい眼差しで俺を見ているジェロイスさんに負けた。なんの勝ち負けよく判んないけど、負けた気がする。
「……恥ずかしいんですが」
++++++
「まずはリヒト様のお部屋に移動しましょうかな」
今いる部屋は各地に繋がる転移門を集めた部屋らしい。数はロイトダシェーン内の転移門が設置されている教会分ある。他の国の部屋もあるみたいだ。面白いなあ。
部屋を出るとそこは円形のホールの様になっていて壁には各国へ繋がる転移門部屋への扉がいっぱいあった。この部屋の中心にも門がありそこから大神殿とは別にある城へ転移出来るっぽい。
城へ転移しライアスが先導となり部屋まで移動する。えーっと、城の内部は派手な訳ではないけどしっかり華美な感じ。品が良いっていうのかな?うん、俺に語彙力は無いんだ。因みに、俺が『降りて来た』時から用意されていた部屋らしく、お披露目が終わるまではそこに滞在する事になっているそうです。
「そういえば、あの、さっきの……」
なんかソランツェと俺の関係の最新事情を知っていそうな感じなのはどういう事ですかね?と廊下を歩きながらジェロイスさんを見ると
「お部屋に着けば判りますので」
それだけ言ってニコニコと笑っているので、情報元を喋る気無いなと判断。いや、聞かなくても判ってるんですがね?どういう事だよ?とね、そこを俺は聞きたいのですが。くそ~。
あ、そうだ。さっき気付いた事聞いていいかな。
「話は変わりますが、前に居た補佐の方は今日はいらっしゃいませんね」
ララタスで付き人のように一緒にいた大神官補佐の方がいないんだよね。ぞろぞろ付いてくる後ろの方にも。
「ああ、彼は今はちょっと他国へ行ってもらっておりましてな」
「そうですか……それは残念です」
うーん、それだけで答えが判りましたよ。
「あの方にも腕輪のお礼言いたかったんですけどね」
「そなたの贈った腕輪をリヒト様が気に入って下さったようだぞと伝えると震えんばかりに喜んでおりました」
「そうですか」
「はい」
わ~他国ってどこだろうね~帰ってくるのかな~?これ以上聞けないね~!あはは~怖~!
++++++
俺がこのじいちゃん敵に回せねぇなって思いながら城内をしばらく歩いて辿り着いたのは、見るからに豪華な装飾の施された扉の前。縁取りの金って本物?とかってどうでもいい事が気になる(日本の)一般人。
「こちらがリヒト様のお部屋です」
「「え?」」
中は扉からしても予想通りな豪華な部屋で、多分王様とかってこんな部屋なのかなと思う物なんだけど俺とソランツェが驚いたのはそこじゃない。
中に入ってすぐ目に付く場所・部屋のド真ん中にある代物が問題だ。
「……なんですかねこれ」
「おそらく時としてはリヒト様がこちらへ来られるとお決めになった時でしょうか。部屋に突如としてこちらが現れましてな」
「えぇー……」
「私達も何が起こったのかと驚いておりましたところ、ライアスからの報告を受けそれも含めてそういう事かと理解致しました」
「いやいや……どういう事ですか……」
俺達の目の前にあるのは、二体のマネキン(?)。そして、それに着せられているのが問題のもの。
この世界のそういう事情は全く知らないけど、ジェロイスさんがそう理解したなら俺の知ってるそういう事情とあんまり差異はないって事……。
「……白で統一のこの感じ、これ婚礼衣装ですよね?」
「左様でございますな」
俺とソランツェの体格と同じサイズのマネキンが着ているのは白基調の豪華絢爛な衣装。装飾の刺繍などは対になっていて並ぶともうそれ用にしか見えないです。
ソランツェのは物語の王子様が着る様なタキシード?スーツ?で、俺のはアシュマルナと同じ花冠にキラキラ煌めくベールが付いているものと今着ている服の色違い装飾増し増し豪華版みたいなやつ……中を見てみると一応ズボンはあって足さばきの邪魔にならない様に真ん中にスリットも入っている様だが、パッと見はドレス。
今日の服がくるぶし丈ワンピースに戻っていたのはスカートという抵抗感を無くしこれを着せるためだな……。そのおかげかパッと見た時に、俺のこっちだななんてどちらの物が自分宛なのか疑問なく理解し受け入れてたっつー事実が悲しいよ。
「お披露目はこれで?って事か……」
あのさあ、アシュマルナはこの間の事も含めてちゃんと説明するべきだと思うんだけど、どうよ?
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