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「うーわー」
いや、まあ薄々予想してた事でしたがね?
アルミオとイルムが持って来てくれた朝食を食べている最中に宿の外が何やら騒々しくなって来たので、何となく無関係では無さそうだなと思って窓から外を覗いてみたら、居ましたよ。
「大名行列かよ」
「大名?」
実際はそこまでの規模ではないけど、ファンディオの教会の偉い人っぽいとライアスと思われる騎士を先頭に、俺達用であろう立派な馬車があってその四方を一人ずつが護り、その後ろを教会の人達がぞろぞろ二十人くらい居る行列が……。
彼らは宿の前に到着すると隊列は崩さずそのままその場で待機するようだ。その様子に通行人も何事かと集まり出して軽くララタスの再現だなあって思う。
「これ、俺が出て来るの待ちだよな?」
「そうだな」
到着したと知らせないのは俺が朝食中だったらって事なのか?急かす事や中断する事がない様にって事?俺が自分で出て来るまで俺の行動の邪魔しない様にって?神託には確かに妨げるなとかあったと思うけどさあ?
「拡大解釈が過ぎるだろうよ……」
「さっさと食べ終わろう」
俺そんなので怒る程心狭くねぇよ!と思ったけど、下手な脅しかけたのは自分だったね……。
++++++
下に降りると受付の所にイルム達みんなが居て、事前に伝えていたとはいえ外の状況に戸惑っている。そうなるよねえ、うん。本当ごめんなさい。
「お呼びしましょうかとお声掛けさせて頂いたんですが……」
「我々はここで待つとでも言われたんでしょ?」
「はい」
「本当にご迷惑をお掛けしました」
何もかも俺の所為です、すみません。名残惜しいけどこれ以上長引かせる訳にはいかないので早く出なきゃ。
「テッドさん、ロスティルさんありがとうございました。アルミオも頑張って。また来るから」
「はい」
「イルムもいっぱい食べていっぱい遊ぶんだよ。誕生日には絶対来るからね!」
「うん!」
「あと、これ。お兄ちゃんとも分けるんだよ」
「何これ?」
渡したのは俺がいーっぱい作ってた飴。大きなガラス瓶二つにいっぱい詰め込んでおいたのをアルミオとイルムに手渡す。中身はべっこう飴タイプと追加でさっき部屋で作ったショルフの果汁を使ったタイプの二つで、こういうのも効果があるか判んないけど体が丈夫になりますようにってお願いしておいた。
「飴だよ。甘いから大好きになるかもしれないけど一気にいっぱい食べたりしないで大事に食べるんだぞ」
「うん!ありがとう!」
「何から何まで本当に有難うございます」
俺がやりたいって思った事やっただけだから。
++++++
「「「「「おはようございます!リヒト様、お迎えに上がりました」」」」」
外に出ると聖騎士全員が兜を外し顔を出した状態でいて、俺が出て来ると一斉に挨拶された。やっぱり先頭にいたのはライアスだったみたい。
先にソランツェに出てもらって「跪くのは省略せよ」と伝えてもらったので、みんな頭を下げるだけで済んで幾分気が楽だ。
「みんな、おはよう。わざわざ迎えに来てくれてありがとう」
「いえ、当然の事です」
そのままライアスに馬車まで誘導される。乗る前に見送りに出てくれているテッドさん達に再度お礼を言って乗り込んだ。ララタスで乗ったものより立派な気がするね。やっぱり教会の規模……資金力の差か?資金がどこからかは判んないけど。
「見てる人結構いたね」
「でも、ララタスと違って愛し子だと判って見ている者が少ないから混乱は無さそうだ」
「そうだな」
俺達の馬車が去った後がテッドさん達大変そうだなと思う。変な詮索は困るだろうから、人に何か聞かれたら実は愛し子がお忍びで泊まってたって隠さず言っていいよと言ってあるので……。
馬車はかなりのゆっくりペースで進んだが、教会にはすぐに到着。そもそも教会は冒険者ギルドの大通り挟んだ向かい側なので、冒険者ギルドに近い宿からは本当は馬車なんかいらない距離。歩きで良かったのに、とか思わなくもない。
馬車は敷地内に入り建物を裏手に回って停まったらしい。ライアスが扉を開いてくれ、手を取りそのまま外へ出るとコンビニくらいの大きさの建物の目の前だった。周りは木に囲まれていて少し隠れるようにして建っている。
「こちらです」
ソランツェも降りたのを確認してから、ファンディオの教会の偉いっぽい人が誘導してその建物の方へ移動する。中へ入るとすぐに地下へ降りる階段があって、そのまま下へ降り、少しだけ進むとそこには大きな扉があった。
「この先が転移門となっております」
ここまで案内した教会の人は後ろに下がり、その後はライアスが引き継ぐ。両開きの扉を聖騎士二人が開けてくれたので中へ入ると、パリの凱旋門の縮小版みたいな感じの門がある。
「ここを抜ければ良いんだね」
「はい」
門の向こうはそのまま普通に壁が見えているのでこれで転移出来るって感じがしない。くぐる瞬間に飛ばされるんだろうとは思うけど、どんな仕組みなんだろう?
「ソランツェ」
自分の魔法で転移する訳じゃないからなんか怖くて後ろにいるソランツェを呼ぶと俺の意図に気付いて横に来てくれた。腕を組める様にしてくれたので遠慮なくぴったりくっ付いて準備OK。
さあ、行こう。
いや、まあ薄々予想してた事でしたがね?
アルミオとイルムが持って来てくれた朝食を食べている最中に宿の外が何やら騒々しくなって来たので、何となく無関係では無さそうだなと思って窓から外を覗いてみたら、居ましたよ。
「大名行列かよ」
「大名?」
実際はそこまでの規模ではないけど、ファンディオの教会の偉い人っぽいとライアスと思われる騎士を先頭に、俺達用であろう立派な馬車があってその四方を一人ずつが護り、その後ろを教会の人達がぞろぞろ二十人くらい居る行列が……。
彼らは宿の前に到着すると隊列は崩さずそのままその場で待機するようだ。その様子に通行人も何事かと集まり出して軽くララタスの再現だなあって思う。
「これ、俺が出て来るの待ちだよな?」
「そうだな」
到着したと知らせないのは俺が朝食中だったらって事なのか?急かす事や中断する事がない様にって事?俺が自分で出て来るまで俺の行動の邪魔しない様にって?神託には確かに妨げるなとかあったと思うけどさあ?
「拡大解釈が過ぎるだろうよ……」
「さっさと食べ終わろう」
俺そんなので怒る程心狭くねぇよ!と思ったけど、下手な脅しかけたのは自分だったね……。
++++++
下に降りると受付の所にイルム達みんなが居て、事前に伝えていたとはいえ外の状況に戸惑っている。そうなるよねえ、うん。本当ごめんなさい。
「お呼びしましょうかとお声掛けさせて頂いたんですが……」
「我々はここで待つとでも言われたんでしょ?」
「はい」
「本当にご迷惑をお掛けしました」
何もかも俺の所為です、すみません。名残惜しいけどこれ以上長引かせる訳にはいかないので早く出なきゃ。
「テッドさん、ロスティルさんありがとうございました。アルミオも頑張って。また来るから」
「はい」
「イルムもいっぱい食べていっぱい遊ぶんだよ。誕生日には絶対来るからね!」
「うん!」
「あと、これ。お兄ちゃんとも分けるんだよ」
「何これ?」
渡したのは俺がいーっぱい作ってた飴。大きなガラス瓶二つにいっぱい詰め込んでおいたのをアルミオとイルムに手渡す。中身はべっこう飴タイプと追加でさっき部屋で作ったショルフの果汁を使ったタイプの二つで、こういうのも効果があるか判んないけど体が丈夫になりますようにってお願いしておいた。
「飴だよ。甘いから大好きになるかもしれないけど一気にいっぱい食べたりしないで大事に食べるんだぞ」
「うん!ありがとう!」
「何から何まで本当に有難うございます」
俺がやりたいって思った事やっただけだから。
++++++
「「「「「おはようございます!リヒト様、お迎えに上がりました」」」」」
外に出ると聖騎士全員が兜を外し顔を出した状態でいて、俺が出て来ると一斉に挨拶された。やっぱり先頭にいたのはライアスだったみたい。
先にソランツェに出てもらって「跪くのは省略せよ」と伝えてもらったので、みんな頭を下げるだけで済んで幾分気が楽だ。
「みんな、おはよう。わざわざ迎えに来てくれてありがとう」
「いえ、当然の事です」
そのままライアスに馬車まで誘導される。乗る前に見送りに出てくれているテッドさん達に再度お礼を言って乗り込んだ。ララタスで乗ったものより立派な気がするね。やっぱり教会の規模……資金力の差か?資金がどこからかは判んないけど。
「見てる人結構いたね」
「でも、ララタスと違って愛し子だと判って見ている者が少ないから混乱は無さそうだ」
「そうだな」
俺達の馬車が去った後がテッドさん達大変そうだなと思う。変な詮索は困るだろうから、人に何か聞かれたら実は愛し子がお忍びで泊まってたって隠さず言っていいよと言ってあるので……。
馬車はかなりのゆっくりペースで進んだが、教会にはすぐに到着。そもそも教会は冒険者ギルドの大通り挟んだ向かい側なので、冒険者ギルドに近い宿からは本当は馬車なんかいらない距離。歩きで良かったのに、とか思わなくもない。
馬車は敷地内に入り建物を裏手に回って停まったらしい。ライアスが扉を開いてくれ、手を取りそのまま外へ出るとコンビニくらいの大きさの建物の目の前だった。周りは木に囲まれていて少し隠れるようにして建っている。
「こちらです」
ソランツェも降りたのを確認してから、ファンディオの教会の偉いっぽい人が誘導してその建物の方へ移動する。中へ入るとすぐに地下へ降りる階段があって、そのまま下へ降り、少しだけ進むとそこには大きな扉があった。
「この先が転移門となっております」
ここまで案内した教会の人は後ろに下がり、その後はライアスが引き継ぐ。両開きの扉を聖騎士二人が開けてくれたので中へ入ると、パリの凱旋門の縮小版みたいな感じの門がある。
「ここを抜ければ良いんだね」
「はい」
門の向こうはそのまま普通に壁が見えているのでこれで転移出来るって感じがしない。くぐる瞬間に飛ばされるんだろうとは思うけど、どんな仕組みなんだろう?
「ソランツェ」
自分の魔法で転移する訳じゃないからなんか怖くて後ろにいるソランツェを呼ぶと俺の意図に気付いて横に来てくれた。腕を組める様にしてくれたので遠慮なくぴったりくっ付いて準備OK。
さあ、行こう。
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