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※本日(10/19)、三話上げます
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行くところまで行こうと、次は騎士団長の横で青くなって黙り込んでしまっている第三王子に問いかける。
「宮殿内で貴方達が飲む水は魔法で作り出された水なんでしょう?」
「あ、あぁ」
「魔法を使わずともそこにある海の水からだって飲める水が作れる方法があるって知ってますか?」
「……いや、」
それなりに燃料だとか色々いっぱい必要だし量は作れないけどさ、色んな教育を受けている人間でも知識として知りもしないのか。
そりゃ、魔法は便利だけど……この世界に来てから何回も思う事だけど、魔法で賄えるものは何でも魔法使っておけばいいとか思ってんだろうな。魔法が使えなくなったらとか考えないのか?
「神の力である魔法に一切頼らず人間の知恵でのみ生活を切り開いて安定させている人達が『神はいない』と言うのならそれは納得がいく話だと思いませんか?」
「そ……う、かもしれないな」
人って動揺するとこんなにも目をキョロキョロさせるものなんだな、と観察しながら話を続ける。
「さて、貴方は先程、この人の言動を止めもしなかった」
第三王子の横に苦虫を噛み潰したような表情で立っている騎士団長を手で示すと、案外察しがいいらしく何かに気付いた第三王子は慌てて口を開こうとする。
「わ、私は――」「という事は貴方も同意見、”そもそも神はいないのだからその愛し子などという者は偽りの存在だ”と思ってらっしゃった?」
最後まで言わせず言葉を被せて問うと
「違う!わ、私はちゃんと神の存在を信じている!」
結構な慌て様で騎士団長を裏切る言葉を発する。はい、来た。卑怯だけど素直だね。
「……殿下ッ」
「私を巻き添えにするな!」
「はいはい、揉めないで」
二人で揉めだすと長くなりそうなのですぐさま止めに入り、第三王子をソランツェの方に引き離す。
その時に目が合ったソランツェとライアスは何だか呆れた表情で、やれやれ……みたいな空気を出してくる。あともうちょっとだから!
「貴方はどうですか?」
「……魔法が神の力だとどう証明するんだ」
んー、保身の道を残そうとしてんのかはっきり答えてないズルい返答だけど、この人やっぱり脳の中身は筋肉なのかな?簡単に罠に引っ掛かるのはどうなんだ。
「それ以外どう説明が付くって言うんです?」
でも、そうですね……なんて顔を俯け少し考える振りをして見せる。そして、何かを思い付いた様に顔を上げるという小芝居の後に一つ提案をする。
「俺が今から神アシュマルナに呼び掛けます」
「呼び掛ける?」
「はい、呼び掛けて貴方の魔力や魔法を使う能力……適性を試しに消してもらいましょう」
「は? な、何を言っている」
さも良い事を思い付いたみたいな顔をして言ってみたら、判り易く騎士団長の顔に焦りの色が見える。おやおや?
「……そんな事が」
「出来たなら、魔法が使える事は神のおかげだった・神の力だと判りますよね? ついでに俺の事も。まあ、判った上で貴方がどう判断するかは知りませんけど本当に消えても問題ないですよね? だって、神を信じていない貴方が神の力の恩恵を受けながら生活するのは……ねえ?」
わざとクスッと笑って問い掛けると、食って掛かる様に喚き出す。
「ほ、他にも信じていないくせに魔法を使って生きている者はいるだろう!そいつらも同じ様にすべきだ!」
他にもって、それ『自分の』って言葉が先頭に付くよなあ。焦ったせいかその言葉で信じていない側だってしっかり認めちゃってるし。
「他の人もって……その人達が俺に聞こえる範囲で声高に言ってるなら同じ事を訊くかもしれませんけど……、というか、『試す』って言ってるだけで『奪う』訳ではないんですけど?」
何か勘違いしてらっしゃる?と自分の出来る限りの穏やかな笑顔で首を傾げてみせる。
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行くところまで行こうと、次は騎士団長の横で青くなって黙り込んでしまっている第三王子に問いかける。
「宮殿内で貴方達が飲む水は魔法で作り出された水なんでしょう?」
「あ、あぁ」
「魔法を使わずともそこにある海の水からだって飲める水が作れる方法があるって知ってますか?」
「……いや、」
それなりに燃料だとか色々いっぱい必要だし量は作れないけどさ、色んな教育を受けている人間でも知識として知りもしないのか。
そりゃ、魔法は便利だけど……この世界に来てから何回も思う事だけど、魔法で賄えるものは何でも魔法使っておけばいいとか思ってんだろうな。魔法が使えなくなったらとか考えないのか?
「神の力である魔法に一切頼らず人間の知恵でのみ生活を切り開いて安定させている人達が『神はいない』と言うのならそれは納得がいく話だと思いませんか?」
「そ……う、かもしれないな」
人って動揺するとこんなにも目をキョロキョロさせるものなんだな、と観察しながら話を続ける。
「さて、貴方は先程、この人の言動を止めもしなかった」
第三王子の横に苦虫を噛み潰したような表情で立っている騎士団長を手で示すと、案外察しがいいらしく何かに気付いた第三王子は慌てて口を開こうとする。
「わ、私は――」「という事は貴方も同意見、”そもそも神はいないのだからその愛し子などという者は偽りの存在だ”と思ってらっしゃった?」
最後まで言わせず言葉を被せて問うと
「違う!わ、私はちゃんと神の存在を信じている!」
結構な慌て様で騎士団長を裏切る言葉を発する。はい、来た。卑怯だけど素直だね。
「……殿下ッ」
「私を巻き添えにするな!」
「はいはい、揉めないで」
二人で揉めだすと長くなりそうなのですぐさま止めに入り、第三王子をソランツェの方に引き離す。
その時に目が合ったソランツェとライアスは何だか呆れた表情で、やれやれ……みたいな空気を出してくる。あともうちょっとだから!
「貴方はどうですか?」
「……魔法が神の力だとどう証明するんだ」
んー、保身の道を残そうとしてんのかはっきり答えてないズルい返答だけど、この人やっぱり脳の中身は筋肉なのかな?簡単に罠に引っ掛かるのはどうなんだ。
「それ以外どう説明が付くって言うんです?」
でも、そうですね……なんて顔を俯け少し考える振りをして見せる。そして、何かを思い付いた様に顔を上げるという小芝居の後に一つ提案をする。
「俺が今から神アシュマルナに呼び掛けます」
「呼び掛ける?」
「はい、呼び掛けて貴方の魔力や魔法を使う能力……適性を試しに消してもらいましょう」
「は? な、何を言っている」
さも良い事を思い付いたみたいな顔をして言ってみたら、判り易く騎士団長の顔に焦りの色が見える。おやおや?
「……そんな事が」
「出来たなら、魔法が使える事は神のおかげだった・神の力だと判りますよね? ついでに俺の事も。まあ、判った上で貴方がどう判断するかは知りませんけど本当に消えても問題ないですよね? だって、神を信じていない貴方が神の力の恩恵を受けながら生活するのは……ねえ?」
わざとクスッと笑って問い掛けると、食って掛かる様に喚き出す。
「ほ、他にも信じていないくせに魔法を使って生きている者はいるだろう!そいつらも同じ様にすべきだ!」
他にもって、それ『自分の』って言葉が先頭に付くよなあ。焦ったせいかその言葉で信じていない側だってしっかり認めちゃってるし。
「他の人もって……その人達が俺に聞こえる範囲で声高に言ってるなら同じ事を訊くかもしれませんけど……、というか、『試す』って言ってるだけで『奪う』訳ではないんですけど?」
何か勘違いしてらっしゃる?と自分の出来る限りの穏やかな笑顔で首を傾げてみせる。
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