112 / 148
110 ◆挿絵あり
しおりを挟む
とりあえず、『愛し子による詳細鑑定の結果』をギルドや国にも(一応今後の為に)情報提供する事にして、現物はさっさと退治しようと思う。
実は皆に教えてないけど鑑定結果によれば、あいつら食べられるそうだ。ウナギみたいな感じらしい……待ってろよ、俺の蒲焼き達。美味しく食べてやるからな。
「しかし、どうするんだ?」
転覆させに来るというなら船は使えないぞ、とソランツェは言いたいんだろう。ライアスや領主さんも頷いている。
わざと誘き寄せてこちらから仕掛けるという手もあるが、港の設備に被害が出るのは駄目だし、人的被害が出ないとも言えないしなあ。
「そうだなー……」
海からが駄目なら……?陸も駄目だし……りく、かい……くう……くう?
「……あ、空から?」
「は?」
「え?」
「ん?」
そうだよ、空だ!
「なあ、ソランツェ! 今こそ空中浮遊を試すべきじゃない?!」
「……あぁ。そうだったな」
ソランツェは少し難しい顔をしていたが、他に思い付かないので已む無しって事で止めはしないらしい。
「大丈夫なのか?」
「うん、多分」
試すって言ってもぶっつけ本番だけど、まあ大丈夫だろう。飛べる飛べる。
「それならいいが……」
どうしようかな、生身のまま?ホウキか杖使う?ホウキ……よりは、魔法使いっぽい感じの杖がいいな。昨日やったゲームでも色んな杖が武器や道具であったし似た様なの作り出せないかな……。素材は鉱山とかもらってるしどうとでもなるよな?
「あ、あの? リヒト様は空を……?」
「ん? 飛べるのかって?」
ライアスと領主さんは一体この人達は何を言ってるんだ?みたいな顔をして訊いてきた。領主さんさっきからプルプルしてるな?大丈夫?
「多分、飛べると思うぞ。リヒトは……例外はあるが色んな事が出来る」
「だから、安心してくださいね。トゥアンニコは俺が護りますから」
++++++
俺が馬車から降りる前に、領主さんとライアスによる『愛し子による詳細鑑定の結果』の説明が港周辺にいる人達全体へ行われたが、その内容のエグさに避難の為に逃げ出すギャラリーが多く出た。正解、良い事だと思う。
その一方で残る人も結構多いらしく、俺が馬車から降りてくると、ここはライブ会場かよと言いたくなる様な歓声が上がってちょっと吃驚する。
「危険の無い様に早く終わらせようと思いますが、皆さん気を付けて下さいね」
慣れないなあ、と思いながらもファンサをするアイドルの如く柔らかく微笑みつつ軽く会釈したり手を振り返したりしてその場を後にする。なんだろう……俺は一体何になってしまったんだろう……。
それにしても……万が一に備えて、初動で双頭の海蛇の周囲を囲う様にしたブレス対策の結界を張る予定ではあるが逃げなくていいのかよ……まあ、見たいもんは見たいんだろうなあ……。
あと、野次馬!って感じの人達に紛れて冒険者っぽい人達もいるっぽい。愛し子な俺がどうやるか興味があるのかな。
「(あれ、第三王子帰ったの?)」
「(これ幸いと避難したらしいぞ)」
「(避難かあ……)」
どうやら第三王子は逃げたらしい。まあ、王族だし死ぬ訳にもいかないからしょうがないけど、お前本当に俺を捕まえる事だけの為に来てたんだなって言いたくなる……。何も知らない子供じゃないから捕らえた俺をどうするつもりだったかなんて判っちゃうのが嫌だ。
「(あの人は残ってんだね)」
「(さすがにそんな恥知らずな事は出来ないみたいです)」
「(騎士団長様だもんな)」
俺達とは距離を取った位置に第三王子付き以外の兵士達と騎士団長は残っていた。本当に討伐出来るか見届ける気らしい。まだ疑ってんのかね?
「さて……」
と言いつつ『杖』を出現させてみる。自分で作ろうと思ったけどデザインが思い付かなかったからアシュマルナに俺に合ったそれっぽいの作ってくれって脳内でお願いしたら出て来たこの『杖』。予想より大人しいデザインでよかった。
「何だ?」
「これが無くても多分飛べるだろうけど座って空を飛んだ方が、っぽいかなあと思って」
そもそも人が空を飛ぶ事なんて無いらしいので『ホウキに乗った魔女』なんてイメージもなく、ソランツェもライアスも首を傾げている。
「えいっ」
杖を宙に浮かせてそこに座る。小学校の時に鉄棒の上に座ったあの感じで懐かしい、と思う。
「おお……本当に浮いているんだな」
「すごいです……」
「ふわふわして面白いよ、これ」
その場で三メートルほど浮き上がりソランツェ達の周りをクルクル~っと飛んでみる。動く度にキラキラするアシュマルナによるエフェクトが少々鬱陶しいが仕方がない。自分の思い通りに空を飛べるって面白いな。
あちらこちらで驚愕の声が上がっている中、飛行練習を終える。その途中で信じられないって顔をして俺を見ていた騎士団長と目が合ったのでニコッと笑って手を振ってみたら慌てて目を逸らされてしまった。あはは。
「じゃあ、行ってきまーす」
実は皆に教えてないけど鑑定結果によれば、あいつら食べられるそうだ。ウナギみたいな感じらしい……待ってろよ、俺の蒲焼き達。美味しく食べてやるからな。
「しかし、どうするんだ?」
転覆させに来るというなら船は使えないぞ、とソランツェは言いたいんだろう。ライアスや領主さんも頷いている。
わざと誘き寄せてこちらから仕掛けるという手もあるが、港の設備に被害が出るのは駄目だし、人的被害が出ないとも言えないしなあ。
「そうだなー……」
海からが駄目なら……?陸も駄目だし……りく、かい……くう……くう?
「……あ、空から?」
「は?」
「え?」
「ん?」
そうだよ、空だ!
「なあ、ソランツェ! 今こそ空中浮遊を試すべきじゃない?!」
「……あぁ。そうだったな」
ソランツェは少し難しい顔をしていたが、他に思い付かないので已む無しって事で止めはしないらしい。
「大丈夫なのか?」
「うん、多分」
試すって言ってもぶっつけ本番だけど、まあ大丈夫だろう。飛べる飛べる。
「それならいいが……」
どうしようかな、生身のまま?ホウキか杖使う?ホウキ……よりは、魔法使いっぽい感じの杖がいいな。昨日やったゲームでも色んな杖が武器や道具であったし似た様なの作り出せないかな……。素材は鉱山とかもらってるしどうとでもなるよな?
「あ、あの? リヒト様は空を……?」
「ん? 飛べるのかって?」
ライアスと領主さんは一体この人達は何を言ってるんだ?みたいな顔をして訊いてきた。領主さんさっきからプルプルしてるな?大丈夫?
「多分、飛べると思うぞ。リヒトは……例外はあるが色んな事が出来る」
「だから、安心してくださいね。トゥアンニコは俺が護りますから」
++++++
俺が馬車から降りる前に、領主さんとライアスによる『愛し子による詳細鑑定の結果』の説明が港周辺にいる人達全体へ行われたが、その内容のエグさに避難の為に逃げ出すギャラリーが多く出た。正解、良い事だと思う。
その一方で残る人も結構多いらしく、俺が馬車から降りてくると、ここはライブ会場かよと言いたくなる様な歓声が上がってちょっと吃驚する。
「危険の無い様に早く終わらせようと思いますが、皆さん気を付けて下さいね」
慣れないなあ、と思いながらもファンサをするアイドルの如く柔らかく微笑みつつ軽く会釈したり手を振り返したりしてその場を後にする。なんだろう……俺は一体何になってしまったんだろう……。
それにしても……万が一に備えて、初動で双頭の海蛇の周囲を囲う様にしたブレス対策の結界を張る予定ではあるが逃げなくていいのかよ……まあ、見たいもんは見たいんだろうなあ……。
あと、野次馬!って感じの人達に紛れて冒険者っぽい人達もいるっぽい。愛し子な俺がどうやるか興味があるのかな。
「(あれ、第三王子帰ったの?)」
「(これ幸いと避難したらしいぞ)」
「(避難かあ……)」
どうやら第三王子は逃げたらしい。まあ、王族だし死ぬ訳にもいかないからしょうがないけど、お前本当に俺を捕まえる事だけの為に来てたんだなって言いたくなる……。何も知らない子供じゃないから捕らえた俺をどうするつもりだったかなんて判っちゃうのが嫌だ。
「(あの人は残ってんだね)」
「(さすがにそんな恥知らずな事は出来ないみたいです)」
「(騎士団長様だもんな)」
俺達とは距離を取った位置に第三王子付き以外の兵士達と騎士団長は残っていた。本当に討伐出来るか見届ける気らしい。まだ疑ってんのかね?
「さて……」
と言いつつ『杖』を出現させてみる。自分で作ろうと思ったけどデザインが思い付かなかったからアシュマルナに俺に合ったそれっぽいの作ってくれって脳内でお願いしたら出て来たこの『杖』。予想より大人しいデザインでよかった。
「何だ?」
「これが無くても多分飛べるだろうけど座って空を飛んだ方が、っぽいかなあと思って」
そもそも人が空を飛ぶ事なんて無いらしいので『ホウキに乗った魔女』なんてイメージもなく、ソランツェもライアスも首を傾げている。
「えいっ」
杖を宙に浮かせてそこに座る。小学校の時に鉄棒の上に座ったあの感じで懐かしい、と思う。
「おお……本当に浮いているんだな」
「すごいです……」
「ふわふわして面白いよ、これ」
その場で三メートルほど浮き上がりソランツェ達の周りをクルクル~っと飛んでみる。動く度にキラキラするアシュマルナによるエフェクトが少々鬱陶しいが仕方がない。自分の思い通りに空を飛べるって面白いな。
あちらこちらで驚愕の声が上がっている中、飛行練習を終える。その途中で信じられないって顔をして俺を見ていた騎士団長と目が合ったのでニコッと笑って手を振ってみたら慌てて目を逸らされてしまった。あはは。
「じゃあ、行ってきまーす」
58
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
僕の、しあわせ辺境暮らし
* ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。
ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります!
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
