賭けから始まった偽りの結婚~愛する旦那様を解放したのになぜか辺境まで押しかけて来て愛息子ごと溺愛されてます~

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四歳の誕生日会 3

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 話に花が咲き、盛り上がっていると、ホールの入り口から聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 「随分盛り上がっているな、レブランド」
 「殿下!!」
 
 突然の王太子殿下の登場に皆が頭を下げる。

 「祝いの席だ、そう固くなるな」
 「はい」
 「なんだ、今日の主役はいないのか?せっかくプレゼントを持ってきたというのに」
 「私、アルジェールを呼んで参りますわ」

 すぐに子供部屋へと急ぎ、遊んでいる最中だったけれど子供たち二人をホールへと連れて来た。
 アルジェールは自分のお祝いだと分かり、ひと際嬉しそうだ。

 「とうさま~~」
 「アルジェール、殿下に挨拶をしよう」
 「でんか?」
 「この国で一番偉い王族だ」
 「はい!」

 殿下はアルジェールに近付き、息子と同じ目線まで屈んで挨拶をして下さる。

 「そなたがアルジェールか。私はデュロメオだ」
 「よろしくおねがいします!」
 「いい挨拶だ!将来有望だな」
 「はい!」
 「はははっ」

 息子の挨拶に殿下が大きな口を開けて笑っている。
 この国の王太子殿下はとても素敵な方ね。私とレブランド様の縁談も取りなしてくれていたと聞いたし、私もお礼を伝えなければ。

 「殿下」
 「パッカニーニ公爵夫人、久しいな」
 「はい。結婚式以来ですわ」
 「無事で何よりだ」
 「恐れ入ります……レブランド様との縁談で殿下には大変お世話になったと伺っております」
 「はははっ!気にするな。レブランドがあまりに本気だったので面白そうだと思っただけだ」
 「それでも感謝しておりますわ。こうして息子も授かり、愛する人と結ばれる事が出来ました」

 私は噓偽りない言葉を殿下に伝えた。
 殿下はレブランド様が私に愛されているのかを心配していると思ったから。
 デュロメオ殿下は私の顔をジッと見つめ、フッと表情を崩す。

 「そうか、それは良かった。レブランドも良かったではないか、カタリナが引っ込んだ時は死んだような顔をしていたからな」
 「殿下!」
 「うふふっ」
 「それはそれとして、今日の主役にプレゼントを持ってきた。アルジェール、これを」
 
 息子はゆっくりと近付き、それを手にする。

 「うわぁぁきれい!」
 「そうだろう?王家の宝剣だ」
 「そんな大事なものを!いけません、殿下!」

 レブランド様が慌てるなんて……あの小さな小さな短剣が本物である事を物語っている。
 王族にはその子が生まれた時に授けられる神器がある。
 まさか殿下が授かった宝剣をアルジェールに?

 「いいんだ、これは私の詫びでもある。分かるな?」
 「しかし……」
 「おうたいしさま、ありがとうございます!」
 「ははっ、アルジェールの方が胆が据わっているぞ。大事にするんだぞ」
 「はい!」

 その宝剣はアルジェールの手の平におさまるほどの小ささで、宝剣とは言え、切る事は出来ないアクセサリーのようなものだった。
 アルジェールはすっかり気に入ってしまい、騎士様ごっこをし始めたので、レブランド様が肝を冷やしたのは言うまでもない。
 日中は首から下げて、夜は寝る時もそばに置いて眠るほど気に入っている。
 私からはアルジェールの名前入りで手作りのマフラーをプレゼントした。
 息子の誕生日が過ぎれば寒い季節が近づいてくるので、きっと役立つだろうと思い。
 レブランド様からはドルチェに似た大きなぬいぐるみがプレゼントされたのだけど、それを見たドルチェが仲間が出来たと思ったのか、一緒に遊んでいる内にすぐにボロボロになる結末が待っていたという。

 「今度は違う犬のぬいぐるみを用意しよう……」

 そう言って肩を落とすレブランド様。
 私は彼の背中をさすりながら、息子の為に全力を尽くす旦那様がとても愛おしく思うのだった。
 
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