【完結】賭けから始まった偽りの結婚~愛する旦那様を解放したのになぜか辺境まで押しかけて来て愛息子ごと溺愛されてます~

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<最終話>続いていく未来 / あとがき

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 馬車が邸に着き、私達が下りていくと、オーリンとイズマーニ様が出てきて出迎えてくれた。

 「イズマーニ、オーリン、ご苦労だったな」
 「二人とも、本当にありがとう」
 「いえ、造作もない事でしたので……って団長も夫人もそのお姿は?!!」
 「奥様~~何が起こったのです?!!」

 「びっくりさせちゃったわね」
 「中でゆっくり話そう」

 私たちは二人に王宮での出来事を話し、2人からもアルジェールの件の報告を聞いた。

 「まぁ……じゃあドルチェも活躍してくれたのね」
 「そうなのです!ドルチェが吠えてくれて、イズマーニ様たちが突撃して……とても優秀な犬ですね~~!」
 「王家の番犬のような役目も持っているからな。ドルチェがアルジェールを守ってくれるだろうと思っていた」
 「私とイズマーニ様以外は坊ちゃまが子供部屋に眠っていると思っていたので、この一件の後、皆が驚いていました」
 「敵を欺くには味方からと言うだろう。アルジェールもちゃんと私たちの寝室で眠ってくれてよかったな」
 「アルの顔を見に行きたいわ」

 私の一言ですぐに寝室へと向かうこととなった。
 鍵を開け、中をそっと覗いて見る……そこには私たちのベッドで安らかにねむる息子がいた。
 無事だったと分かってはいても、その姿を見るとホッとして涙が滲んでくる。

 「ぐっすりね」
 「ああ……これは朝まで起きそうにないな」
 「お二人は別のお部屋で休まれますか?」

 オーリンに聞かれてどうしようか少し考えた後、彼を起こしてはいけないと思い別の部屋で眠る事を決めた。
 
 「そうだな。イズマーニも今日は泊まっていけ」
 「よろしいのですか?」
 「ああ。オーリン、部屋を用意してやってくれ」
 「承知いたしました」

 様々な事が解決した事に安堵し、私たちは血の付いた体を清め、ベッドに潜り込んだ。
 色々思うところはあるけれど、旦那様の腕の中にいると、今はその事よりもお互いにこうして無事だった安心感の方が大きくて幸せだわ。

 「カタリナ、何度も危険な目に遭わせてすまない」
 「レブランド様が謝ることではありませんわ。あれは……想像もつきませんでしたもの」
 「…………」

 レブランド様はバイロン隊長の事を思い出しているのか、とても渋い顔をしていた。
 その表情に胸が締め付けられ、旦那様の頬を撫でる。

 「それに、私は守られてばかりはイヤなのです。私も旦那様を守りたいから」
 「君が?」
 「はい。だから、何かあった時は甘えてくださいね」

 「……ありがとう、カタリナ。君が隣にいてくれて、本当によかった」

 そう言いながら、私を強く抱きしめた旦那様の体が、ほんの少し震えていたような気がした。
 私は背中に腕を回し、抱き締め返す。
 そして彼が顔を上げるまで、その背中をずっと摩り続けた……愛が伝わるように。少しでも彼の心が慰められるように。
 次に顔を上げた時にはもう憂いはなくなっていて、穏やかな微笑みをたたえている。

 「ではご期待にお応えして、今夜もはげむとしよう」
 「なっ!期待しているわけでは……!」
 「そうか、期待していなかったか」
 「そうではなくて……」
 「ん?」
 「……レブランド様はいじわるです」
 「ははっ。カタリナが可愛いのがいけない」
 「もう……それはお互い様ですね」

 私たちはお互いに笑い合い、その夜も仲良くしながら、互いの存在を確かめるように肌を重ねていった。
 翌日、私たちが不在だったのが寂しかったのか、アルジェールがベッドに飛び込んできて叩き起こされてしまう。
 そこへ体が大きくなってきているドルチェも飛び込んできて、朝から賑やかな目覚めに皆が笑顔になったのだった。

 一カ月後――――

 すっかり平和を取り戻した公爵邸では、今日もアルジェールとドルチェの声が響き渡り、それを聞きながらお茶をするのが日課になっていた。
 今日はレブランド様も早く帰邸されていて、一緒にお茶を飲んでいる。
 でも旦那様は体が大きいので、テーブルセットの椅子に座っていても大きさが合っていない気がするわ。
 今度新調した方がいいかもしれない。
 そんな事をぼんやり考えていると、オーリンがお菓子を並べてくれる。

 「王宮ではようやく舞踏会の時の件が片付いてきた」
 「それではヴェローナ様や伯爵の刑も……?」
 「ああ。ヴェローナは王太子殿下の名を騙ってこの一件をはたらいた事が重く、我が国の最南端にある牢獄に送られる事が決まった」
 「あの極悪囚人のみが入れられる牢獄へ?!」

 そこは男性も女性も区別なく重労働を強いられ、食べ物も満足に与えられず、囚人たちは飢えた獣ばかりだという。
 そんなところへ入れられたら――――

 「令嬢が生き残れる場所ではないな。だが王族の名を騙るというのはそれほどまでに罪深い。ましてや私の妻に手をかけようとしたのだ、当然の刑だな……極刑でなかったのがせめてもの温情かもしれない」
 「何度もやり直す機会はありましたのに」
 「君は優しいな。私は幼馴染でなければあの場で切り刻んでいた」
 「レ、レブランド様っ!」

 旦那様なら本当にしていたかもしれないと思うと、少し怖いと思ったのは言えないわね。
 時々怖い事も口にするけれど、私たちを思えばこそだから。

 「ザックハート伯爵はどうなりましたの?」
 「伯爵は爵位も領地も没収され、平民として生きていく事になった。彼自体は私をおびき出しただけだが、夫人や娘の件もある。そして彼らがやる事を知っていて手を貸していたというのも大きい」
 「そうなのですね」

 ザックハート伯爵夫人の話口調だと、レブランド様とヴェローナ様の婚約破棄は、伯爵の独断で行われ、夫人もヴェローナ様も不本意な感じだった。
 家族に対して申し訳ない気持ちがあったのかしら……本来なら伯爵の決断は正しかったのだけど。
 そしてバイロン隊長はというと、騎士団を除隊され、10年服役したあと平民としての人生が待っている。
 旦那様はバイロン隊長の事をあまり話したがらないので、私も必要以上に深くは聞かなかった。

 「あれから、アルジェールの周りで不穏な事もありませんし、何よりですわ」
 「そうだな」

 私はオーリンが並べてくれてお菓子をつまみ、口に入れようとした。
 次の瞬間、甘い匂いが気持ち悪く感じ、激しい吐き気がやってくる。

 「うっ……ぐぅっ……ゴホッ」
 「奥様?!!」
 「カタリナ!どうした?!」
 「ご、ごめんなさい。突然吐き気が……」
 
 どこか体調が悪いのかしら……自分がつまもうとしたもの以外のお菓子でも気持ち悪く感じる。
 これは甘い匂い全部がダメになっているというの?
 
 「なんだかここを去った後の、パンの匂いで倒れた時に似ている……」
 「奥様……もしかして…………」
 「オーリン!すぐに侍医を呼べ!!カタリナはベッドで休むんだ!」
 「え、え?ちょっ……何事?!」

 そうして旦那様に抱きかかえられてベッドへ寝かせられた私のもとに侍医がやってきて、

 「奥様、ご懐妊ですね」

 と笑顔で告げてくる。
 アルジェールもドルチェもいる中、旦那様は見た事もないほどの喜びを見せ、オーリンは感激で涙が止まらなくなってしまう。
 今度はここで妊娠期間を過ごし、出産もここで……生まれてくるのは男の子か女の子か分からないけれど、とても賑やかになりそう。
 もう一人の天使が生まれ、レブランド様は目尻が下がりっぱなしで、アルジェールもお兄ちゃんとして頑張るのは、もう少し先のお話。
 愛は続いていく。これからもずっと。
 
 
 ~~Fin~~



 ~・~・~・~・~

 「賭けから始まった偽りの結婚」を最後までお読みくださり、誠にありがとうございました~~<(_ _)>
 あれよあれよという間に11万字近くになってしまい……この作品は氷雨そら先生とキムラましゅろう先生が企画されたシークレットベビー企画に参加させていただいた作品です^^
 皆でシクベを書こう、そして読もう!という企画で、ちょうどシクベ作品を書いていたので参加しまーす!と。
 12/24から小説家になろうに投稿し始め、こちらにも投稿させていただき、おかげ様で沢山の方々に読んでいただいて感謝感謝です!!!;;

 ホトラン現在も3位!恋愛小説大賞ptも5位!!びっくり!!!
 ありがたや~~~読者の皆様様様です(´;ω;`)
 レブランドとカタリナの物語は一旦終わり、2月の中旬あたりに番外編をアップしていこうかなと思っております^^
 イズマーニ視点とかオーリン視点とか、アルジェール視点とか、バイロン視点とか……色々書ききれなかった事が沢山あって(;'∀')
 また更新されましたら読んでいただければ幸いです!

 シクベ作品大好きマンなので、多分次回もシークレットベビー作品書くと思います。
 その時はまた読んでいただければ幸いです~~このあとがきは一週間ほどで削除させていただきます!
 チェックしているのですが手書きなので誤字脱字沢山あると思います、すみません!!!

 ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございました!!<(_ _)>
 読者の皆様に感謝を込めて。

 Tubling
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