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※熱い夜の余韻は 2
「ヴァレリオ様。早く、私をあなたのものにして……っ」
「ミリー、いけない。そんな事を言っては……」
「いいの。私がそうしてほしいの」
彼の手を握り、その手に頬擦りをしながらおねだりした。
次の瞬間、彼の熱はひと息で最奥までねじ込まれる。
「あ、あぁぁぁっ!!」
「ミリー……ミリー……!」
下腹部にある熱量を確かめるように隘路が収縮する。
ヴァレリオ様は、浅い呼吸を繰り返す私を落ち着かせるように抱きしめ、背中を摩った。
こんなに大事にしてもらえる初めては、なかなかないかもしれない。
「ヴァレリオ様、ありがとうございます……もう大丈夫ですから」
私よりも彼の方が苦しそう。
やがてゆっくりと律動が始まり、最初に感じていた苦しさや痛みは消えていった。
その代わり、徐々に気持ち良さの方が増していく。
彼から漏れ出る甘い声に体が疼き、快感を拾うようになっていった。
「あっ、あんっ、はぁ……あぁっ!」
「ミリー、君の中が悦すぎて……とまれないっ」
「あうっ、ふぅっ、ん、ヴァレリオ、さまぁ……!」
うわ言のように、互いの名前を何度も繰り返す。
やがて律動が激しくなっていき、すっかりぬかるんでいる私の中は、快楽だけ感じるようになっていた。
「はぁ、ああっ、きもち……いぃっ」
「わたし、もっ……もうっ……イクッ……ミリー……~~~っ!!」
ヴァレリオ様の体が激しく揺れたと同時に、私の中に溜まった淫熱も弾けていく。
「んんっ……んぁっ、あぁぁ!」
何度も味わったはずなのに、彼の熱によって達した体は悦びにむせび泣き、剛直を締め付けていく。
もっとほしい、もっと……と言わんばかりに。
シーツに波を作りながら、彼の手によって淫らに花開いた体。
もう彼を知らなかった時には戻れない。
「は……ぁ…………」
「ミリー」
私の額にキスをして、極上の笑みを浮かべるヴァレリオ様……喜びそうになる自分の気持ちを必死に抑える。
「凄く悦かったよ、ミリー」
「私も」
甘い空気と熱気が溢れる室内。
そしてひとしきり余韻を味わった後、ヴァレリオ様は体を起こし、帰り支度を始めた。
私はその姿に手伝わなければと考え、起き上がろうとした――――けれど彼は手で制し、「大丈夫だ」と一言発して帰り支度を進めていく。
シンデレラは魔法が解け、ただの娼婦に戻る、か。
出会った時と同じ無表情に戻り、室内には沈黙が流れる。
ベッドに体を埋めながら、淡々と着替える背中をぼんやりと眺めた――――いつしかそれが私のルーティンになっていくとは知らずに。
全ての準備が整い、こちらに振り向いたヴァレリオ様の表情からは、先ほどの熱の余韻は感じられない。
「それでは失礼する」
完全にお客の顔。
その切り替えの早さに驚きを通り越して、頭が冷えていく。
それならば、私もそれにお応えしなくては。
「ええ、また10日後に。ヴァレリオ様」
娼婦としての自分を全面に出し、言葉を返した。
このやり取りが、きっと私たちの”普通”になっていくだろうから。
ほんの少し感じる胸の痛みは、やがて綺麗に消えていく事を祈りながら。
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