【完結】10日に1度の恋人~初めて愛した人は、復讐相手の夫でした~

Tubling

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※熱い夜の余韻は 2


 「ヴァレリオ様。早く、私をあなたのものにして……っ」
 「ミリー、いけない。そんな事を言っては……」
 「いいの。私がそうしてほしいの」

 彼の手を握り、その手に頬擦りをしながらおねだりした。
 
 次の瞬間、彼の熱はひと息で最奥までねじ込まれる。

 「あ、あぁぁぁっ!!」
 「ミリー……ミリー……!」

 下腹部にある熱量を確かめるように隘路が収縮する。
 ヴァレリオ様は、浅い呼吸を繰り返す私を落ち着かせるように抱きしめ、背中を摩った。
 こんなに大事にしてもらえる初めては、なかなかないかもしれない。

 「ヴァレリオ様、ありがとうございます……もう大丈夫ですから」

 私よりも彼の方が苦しそう。
 やがてゆっくりと律動が始まり、最初に感じていた苦しさや痛みは消えていった。
 その代わり、徐々に気持ち良さの方が増していく。
 彼から漏れ出る甘い声に体が疼き、快感を拾うようになっていった。

 「あっ、あんっ、はぁ……あぁっ!」
 「ミリー、君の中が悦すぎて……とまれないっ」
 「あうっ、ふぅっ、ん、ヴァレリオ、さまぁ……!」

 うわ言のように、互いの名前を何度も繰り返す。
 やがて律動が激しくなっていき、すっかりぬかるんでいる私の中は、快楽だけ感じるようになっていた。

 「はぁ、ああっ、きもち……いぃっ」
 「わたし、もっ……もうっ……イクッ……ミリー……~~~っ!!」

 ヴァレリオ様の体が激しく揺れたと同時に、私の中に溜まった淫熱も弾けていく。
 
 「んんっ……んぁっ、あぁぁ!」
 
 何度も味わったはずなのに、彼の熱によって達した体は悦びにむせび泣き、剛直を締め付けていく。
 もっとほしい、もっと……と言わんばかりに。

 シーツに波を作りながら、彼の手によって淫らに花開いた体。
 もう彼を知らなかった時には戻れない。

 「は……ぁ…………」
 「ミリー」

 私の額にキスをして、極上の笑みを浮かべるヴァレリオ様……喜びそうになる自分の気持ちを必死に抑える。

 「凄く悦かったよ、ミリー」
 「私も」

 甘い空気と熱気が溢れる室内。
 そしてひとしきり余韻を味わった後、ヴァレリオ様は体を起こし、帰り支度を始めた。
 私はその姿に手伝わなければと考え、起き上がろうとした――――けれど彼は手で制し、「大丈夫だ」と一言発して帰り支度を進めていく。
 
 シンデレラは魔法が解け、ただの娼婦に戻る、か。
 出会った時と同じ無表情に戻り、室内には沈黙が流れる。
 ベッドに体を埋めながら、淡々と着替える背中をぼんやりと眺めた――――いつしかそれが私のルーティンになっていくとは知らずに。
 
 全ての準備が整い、こちらに振り向いたヴァレリオ様の表情からは、先ほどの熱の余韻は感じられない。

 「それでは失礼する」

 完全にお客の顔。
 その切り替えの早さに驚きを通り越して、頭が冷えていく。
 それならば、私もそれにお応えしなくては。
 
 「ええ、また10日後に。ヴァレリオ様」

 娼婦としての自分を全面に出し、言葉を返した。
 このやり取りが、きっと私たちの”普通”になっていくだろうから。
 ほんの少し感じる胸の痛みは、やがて綺麗に消えていく事を祈りながら。
 

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