【完結】10日に1度の恋人~初めて愛した人は、復讐相手の夫でした~

Tubling

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※初めての客 1 ~ヴァレリオSide~


 殿下のメモに書いてある通りの場所に向かうと、そこは貴族の邸なのではと思うような建物だった。
 ここは見覚えがある……大貴族が運営に関わっている公営娼館だ。
 中の造りも見事で、まるで娼館のようには見えない。

 「お客様、ここは初めてでしょうか?」
 「あ、ああ。そうだ」

 受付と思われるところに立っていたのは、貴族女性と見紛うドレスを着ている女性だった。

 「私はこの娼館のオーナーのマリエッタと申します。ここは主に貴族が通う娼館です。お客様のような、ね」
 「それならば話は早い。つい最近、ここにミリタニーという新入りが入ったのを耳にしてね」
 「ミリタニー?ああ、少し前に入ってきた子だね。どこから情報を仕入れたのやら……今日が初仕事の子ですよ」
 「今日が?まだ誰も相手をしていないのか?!」
 「え、ええ。今夜からですけど……」
 「それならば――――」

 私はオーナーの女性と交渉し、ミリタニーを言い値の10倍の額を払い、彼女を買い取った。
 妻がいる状態では身請けはしないという条件付きで。
 ついでにマリエッタも買収し、ミリタニーについて他の客の目に留まらないように目を光らせておいてくれるよう手を打った。
 間に合った――――
 ホッとしていたところに、オーナーのマリエッタから声をかけられる。

 「閣下、今日があの子の初仕事なんですけど、お相手していきますよね?」
 「え……いや、私は相手をしたかったわけではなく」
 「あなたが買い取ったのだから、相手してあげないと。もしあなたでも手を出せない大貴族に買われたらどうするんです?初めてを誰かに取られてもいいんですか?」
 「…………っ!」
 「あの子は上玉です。その可能性は十分にある……閣下に何か理由があるにしても、のんびりしていればそうなってしまう事も頭に入れておいてくださいな」

 オーナーの言葉を聞き、自分には覚悟が足りないと自覚した私は、ミリタニーの相手をする決意を固める。
 相手をするというのはそういう事だ。
 ここは娼館なのだから……彼女の初めてが誰かのものになるのは耐えがたい。
 今すぐにコンサヴァル伯爵家の問題を何とかする事は難しい。
 どうするのが正解かは正直分からない。
 色々な感情が渦巻いていたが、ミリタニーが現れた瞬間、全てが頭から吹き飛んでいった。

 ターコイズブルーの美しい髪は艶やかに波打ち、宝石のような瞳は不安に揺らいでいる。
 それすらも煽情的で、白い肌も艶やかな唇も今すぐ食べてしまいたくなる。
 君は私の事を覚えていないだろうけど。
 私は君にずっと焦がれていた。
 でもそれを今打ち明ける事は出来ない……気持ちを悟られないように、極めて説明的に要望を伝える。
 
 「ミリタニー、早速だが私からの提案だ。10日に1度だけ、ここに来た時は恋人を演じてほしい」

 この提案にミリタニーはキョトンとした顔をする。
 どうしてかは分からないだろう……私がどれほど君と恋人になりたかったか。
 婚約して、結婚し、君と温かな家庭を築きたかった。
 君の人生をめちゃくちゃにした原因は私なのに、こんな要求まで……頻繁に通い、ヘレーネに目をつけられば彼女がどんな目に遭わされるか分からないから。
 でも10日に一度だけでも君と、甘い恋人の時間を味わいたい。
 卑怯で狡い自分の浅はかな願望だった。
 
 「私でよければ、喜んでお相手させていただきますわ。閣下」

 それなのに君は、不安に揺れる心をグッと堪えて、私の要求を呑んだ。
 
 「ミリタニー。私の事はヴァレリオと呼んでくれ。君の事もミリーと呼ばせてもらおう、恋人だからな」
 「分かりましたわ。ヴァレリオ様」

 ミリーの声は少し震えている。
 私は少しでも彼女がこの夜を素敵に思ってくれたらと思い、滅多に見せない笑顔を張り付けた。
 
 「ミリー、君に出会えて私は幸せ者だ」

 これは私の本音だ。
 ミリーが私の名前を呼んでいる。それだけで堪らない気持ちになる。
 この可愛い唇も全て誰にも渡したくない。
 
 彼女と言葉を交わす度に、自分の中の雄が目覚めていく。
 
 性急に口付けし、小さな口内に舌を押し入れた。
 口付けも初めてだったミリーは、息をするのも忘れて私の舌を受け入れている。
 ああ、君の初めてを手に入れる機会がやってくるなんて。

 「ヴァレリオ、さまぁ……」

 蕩けた表情まで愛おしい。
 こんな可愛い顔、他の男に見せるわけにはいかない。
 
 誰も受け入れたことのない彼女の秘所は、綺麗なピンク色をしながらヒクついていた。
 まるで待ちわびているかのように。

 「綺麗だ……」
 
 気付けばむしゃぶりつき、溢れ出る愛液を思い切り吸い上げていた。

 「イヤッ……あぁぁぁっ!」

 ミリー……ミリー……君に痛い想いはさせたくない。
 シーツを硬く握り締める彼女の手を優しく握り、快楽で震える彼女が落ち着くのを待った。
 私のせいでこのような立場に追い込まれてしまった君の初めてを、少しでも素晴らしいものだと思ってもらう為に。

 

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