【完結】10日に1度の恋人~初めて愛した人は、復讐相手の夫でした~

Tubling

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※一つに溶け合って ~ヴァレリオSide~


 しかし何度目かの逢瀬の時、ミリーの口からヘレーネの名前が出てくる。
 足が床に張り付いたように動かない……私を憎むべき人間なのだと彼女が知ってしまったのだ。
 いっそ憎んでくれればいいと思っていた。
 私のせいで彼女をこんな運命に巻き込んでしまったのだから――――
 オーナーのマリエッタにも私の素性は明かしていいと告げていた。
 しかし、いざ知られると体が震える。
 君には関係ないと言いつつ、彼女の顔を見る事が出来ない。
 君を酷く傷つけているに違いないのに、頭に浮かぶのは、
 
 嫌われたくない。
 
 この関係を終わらせたくない。
 
 ミリーを失うなんて耐えられない。
 
 私から離れないでくれ。
 
 そんな事ばかりだ。己の保身。彼女の事を考えれば、ここで身を引くべきだ。
 しかし――――

 「そう、ですわね。関係ありませんわ。今のあなたの恋人は私ですもの」

 ほんの少し憂いを帯びた笑み。
 それでも拒絶されなかった事に心は安堵し、恋人でいてくれることに喜んでしまう。
 
 「そうだ、ミリー。私の可愛い人……」
 「ヴァレリオ様……今夜はあなたの好きになさってください」
 「そんな事を言われたら……激しくしてしまうから、だめだ……っ」
 「いいの……あなたの手でめちゃくちゃにされたい」

 理性の糸が焼き切れた音がする。
 
 「ミリー……!!」

 そこからは無我夢中で彼女の体を貪った。
 彼女が苦しそうにしていても、深く深く口付け、離さない。
 すぐに夜着を脱がし、美しい肢体に手を這わせる。
 期待するかのようにすでに秘所は濡れ、甘美な誘惑に抗えず、股座に顔を埋めた。

 「君の全てを私に差し出して」

 ミリーの襞が卑猥な動きをしているのが見える。
 早くほしいと期待しているかのようだ。
 ゆっくりと、隘路をなぞるように指を挿入れると、愛しい人から甘い嬌声が漏れ出てきた。

 「はぁぁ……ぁあ」
 「腰が揺れてる。どうしてほしいか言ってごらん、ミリー」
 「やぁぁ……わかってる、くせにっ」

 襞が私の指を離すまいと吸い付いてくる。
 散々焦らされたミリーは、涙で目を潤ませながらおねだりをしてくるのだった。
 
 「もっと……はげしくして」

 彼女の望むままに、指で激しく隘路を擦った。
 もっと乱れて、もっと鳴いて、もっと私を感じてくれ。
 彼女のいいところは全部分かっている……全て私が見つけてきたのだから。
 逃れられない快楽を追い求め、腰をいやらしくくねらせ、悲鳴のような嬌声が室内に響き渡った。

 「ひっ、あっ、あぁぁぁ!」

 彼女の声、吐息、滴る蜜、全てに下半身が反応し、痛いほど膨張していくのが分かる。
 秘所に口付け、十分に濡らしてあげると、すっかり勃ち上がった剛直を蜜口にあてがった。
 そして一気に埋めていく。
 腰を引き寄せて無遠慮に穿つと、シーツに散った彼女の髪がまるで波のように揺れた。
 海の中に誘われたかのようだ。
 私はすっかり彼女の魅力に飲み込まれ、溺れていった。

 その姿を目に焼き付けたくて、ジッと眺める。
 なんて美しいんだろう……体中真っ赤に染め、私から与えられる快楽に震えながら耐えているその姿。
 力なく開いた頤から吐息混じりの嬌声が漏れ、それが堪らなく扇情的で。

 「あぁ……う……んっ……それぇ……きもちっ」

 君の可愛い声が私を煽っていくんだ。

 「もっと……もっとしてぇっ」
 「ミリー……!」

 すっかり快楽に正直になった体は、限界に達しようとしていた。
 奥へ、奥へと律動を激しくしていく。
 互いの体を貪り、境界線も分からないくらいに一つに溶け合っていくようだ。

 「君は私のものだ、ミリー……!」
 
 やがて押し上げられた熱は彼女の中で果て、まるで種付けするように擦りつけた。
 そんな事にはならないというのに。

 ここは貴族を相手にする高級娼館……避妊薬なども飲んでいると聞く。
 彼女と家庭を築いていくことを夢見ていた。
 しかしそれは、もはや遠い夢———
 
 「はなさないで」と言った彼女の言葉に縋るように、一晩中求め続けた。
 私の方が君を離してあげられないというのに。
 この部屋の中でだけはただの男と女でいられる事に、今はただ酔いしれたい。
 互いの欲望をぶつけ合い、ようやく彼女を解放してあげられたのは、朝日が昇り始めてからだった。
 
 意識を飛ばし、ベッドに沈む愛しい人の髪に口付け、そっと囁く。

 「愛してる」

 ミリー、すまない。
 私が必ずここから君を解放するから。
 もう少しだけ耐えてくれ。
 祈るような気持ちで彼女の頬を撫で、後ろ髪を引かれながら部屋を後にした。

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