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※一つに溶け合って ~ヴァレリオSide~
しかし何度目かの逢瀬の時、ミリーの口からヘレーネの名前が出てくる。
足が床に張り付いたように動かない……私を憎むべき人間なのだと彼女が知ってしまったのだ。
いっそ憎んでくれればいいと思っていた。
私のせいで彼女をこんな運命に巻き込んでしまったのだから――――
オーナーのマリエッタにも私の素性は明かしていいと告げていた。
しかし、いざ知られると体が震える。
君には関係ないと言いつつ、彼女の顔を見る事が出来ない。
君を酷く傷つけているに違いないのに、頭に浮かぶのは、
嫌われたくない。
この関係を終わらせたくない。
ミリーを失うなんて耐えられない。
私から離れないでくれ。
そんな事ばかりだ。己の保身。彼女の事を考えれば、ここで身を引くべきだ。
しかし――――
「そう、ですわね。関係ありませんわ。今のあなたの恋人は私ですもの」
ほんの少し憂いを帯びた笑み。
それでも拒絶されなかった事に心は安堵し、恋人でいてくれることに喜んでしまう。
「そうだ、ミリー。私の可愛い人……」
「ヴァレリオ様……今夜はあなたの好きになさってください」
「そんな事を言われたら……激しくしてしまうから、だめだ……っ」
「いいの……あなたの手でめちゃくちゃにされたい」
理性の糸が焼き切れた音がする。
「ミリー……!!」
そこからは無我夢中で彼女の体を貪った。
彼女が苦しそうにしていても、深く深く口付け、離さない。
すぐに夜着を脱がし、美しい肢体に手を這わせる。
期待するかのようにすでに秘所は濡れ、甘美な誘惑に抗えず、股座に顔を埋めた。
「君の全てを私に差し出して」
ミリーの襞が卑猥な動きをしているのが見える。
早くほしいと期待しているかのようだ。
ゆっくりと、隘路をなぞるように指を挿入れると、愛しい人から甘い嬌声が漏れ出てきた。
「はぁぁ……ぁあ」
「腰が揺れてる。どうしてほしいか言ってごらん、ミリー」
「やぁぁ……わかってる、くせにっ」
襞が私の指を離すまいと吸い付いてくる。
散々焦らされたミリーは、涙で目を潤ませながらおねだりをしてくるのだった。
「もっと……はげしくして」
彼女の望むままに、指で激しく隘路を擦った。
もっと乱れて、もっと鳴いて、もっと私を感じてくれ。
彼女のいいところは全部分かっている……全て私が見つけてきたのだから。
逃れられない快楽を追い求め、腰をいやらしくくねらせ、悲鳴のような嬌声が室内に響き渡った。
「ひっ、あっ、あぁぁぁ!」
彼女の声、吐息、滴る蜜、全てに下半身が反応し、痛いほど膨張していくのが分かる。
秘所に口付け、十分に濡らしてあげると、すっかり勃ち上がった剛直を蜜口にあてがった。
そして一気に埋めていく。
腰を引き寄せて無遠慮に穿つと、シーツに散った彼女の髪がまるで波のように揺れた。
海の中に誘われたかのようだ。
私はすっかり彼女の魅力に飲み込まれ、溺れていった。
その姿を目に焼き付けたくて、ジッと眺める。
なんて美しいんだろう……体中真っ赤に染め、私から与えられる快楽に震えながら耐えているその姿。
力なく開いた頤から吐息混じりの嬌声が漏れ、それが堪らなく扇情的で。
「あぁ……う……んっ……それぇ……きもちっ」
君の可愛い声が私を煽っていくんだ。
「もっと……もっとしてぇっ」
「ミリー……!」
すっかり快楽に正直になった体は、限界に達しようとしていた。
奥へ、奥へと律動を激しくしていく。
互いの体を貪り、境界線も分からないくらいに一つに溶け合っていくようだ。
「君は私のものだ、ミリー……!」
やがて押し上げられた熱は彼女の中で果て、まるで種付けするように擦りつけた。
そんな事にはならないというのに。
ここは貴族を相手にする高級娼館……避妊薬なども飲んでいると聞く。
彼女と家庭を築いていくことを夢見ていた。
しかしそれは、もはや遠い夢———
「はなさないで」と言った彼女の言葉に縋るように、一晩中求め続けた。
私の方が君を離してあげられないというのに。
この部屋の中でだけはただの男と女でいられる事に、今はただ酔いしれたい。
互いの欲望をぶつけ合い、ようやく彼女を解放してあげられたのは、朝日が昇り始めてからだった。
意識を飛ばし、ベッドに沈む愛しい人の髪に口付け、そっと囁く。
「愛してる」
ミリー、すまない。
私が必ずここから君を解放するから。
もう少しだけ耐えてくれ。
祈るような気持ちで彼女の頬を撫で、後ろ髪を引かれながら部屋を後にした。
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