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※自分で自分を慰める夜
次の10日後がやってくるまで、また使用人と同じ仕事をこなし、毎日があっという間に過ぎて行く。
もういっその事、使用人として雇ってほしいくらい。
でもそうなるとヴァレリオ様の恋人役はなくなってしまう……そもそもこんな事、ずっと続くわけがない事ぐらい分かっているのだから、どこかで踏ん切りを付けなくてはならない。
娼婦として色々なお客をとっていくのか、ヴァレリオ様との関係を続けるのか。
彼のそばにいられたらそれでいいと思っていたけれど、どんどん自分が欲張りになっている。
もっと彼のそばにいたい。
もっと恋人として堂々と外を歩きたい。
奥様のところへ帰ってほしくない。
私だけのヴァレリオ様になってほしい。
近頃はこんな気持ちが渦巻いている。
どうして、愛しているだけじゃ満足できないのだろう。
一日の仕事が終わり、ベッドで寝転がりながら、彼を想う。
ヴァレリオ様――――
頭の中に閣下が出てきて、優しく名前を呼んでくれる。
『ミリー』
「…………っ」
それだけなのに、体が熱くなって下腹部が疼く。
ヴァレリオ様に触れられたい。
彼はいつも私のアソコを舐めるのが好きで、同時に花芽を捏ねていじめてくる。
『ミリー、おいしいよ……ココ、ぐちょぐちょだね』
「ヴァレリオさまっ」
想像の中の彼に触られている箇所を自分で触っていく。
舐める事は出来ないから、自分の指を中へと埋め、胸の先端を指で転がした。
「はぁっ、あ、ぁあ……」
自然と声が漏れ出てくる。
きもちいい……でも刺激が足りない。
指で中をかき混ぜると、彼がいつも刺激してくれる気持ちいい箇所を見付ける。
ここを擦ってくれるのよね。
もっと刺激がほしくて指を増やした。
「あ、ああっ、いい……きもちっ……ヴァレリオさまぁっ」
『こんなに濡れて……すっかり淫乱だ』
想像の中だけど、彼の言葉に体が反応してしまう。
「ふっ、んっ、だって、ヴァレリオさまがこうしたのに……っ」
『そうだよ、可愛いミリー。私に全部見せて』
彼の低い声を思い出し、どんどん下腹部に熱が集まっていく。
徐々に押し上げられた快楽は、私を呑み込もうとしていた。
「ヴァレリオさまっ……みて……あなたがほしいの……ああぁっ!!」
一気に目の前が弾け、快感を噛みしめるかのように震えて隘路が収縮する。
自分で自分を慰めるなんてはしたないと思っていたけれど……彼がいない寂しさを紛らわそうと体が求めてしまう。
まだ整わない呼吸を落ち着かせる為に深呼吸を繰り返した。
「はぁ――……ヴァレリオ様の事、好きすぎね」
自嘲気味に吐き出された言葉は、空気に溶けていった。
早く10日後がきてほしい。
頭の中に沢山のヴァレリオ様を思い浮かべながら、その日は幸せな眠りに落ちていった。
しかし、約束の10日後になっても彼はやってこない。
準備をして朝までその部屋で待っても、彼が来ることはなかった。
どうして……なぜ…………私が何か怒らせるような事をしたの?
あの日、どうして朝までいてと言わなかったのだろう。
後悔ばかりが頭を擡げ、俯きながら部屋を出る。
自室へ向かう途中、マリエッタ姐さんに声をかけられる。
「閣下は……来てないよね?」
「はい…………」
「どうしちまったんだろう……とりあえず今日はもう休みな」
「はい…………」
私は壊れた人形のように同じ言葉を繰り返した。
彼に捨てられたのだろうか。
もう会えない?
終わる時はこんなに呆気ないものなの?
ベッドに倒れ込むと、涙が滲んでくる。
もう終わったのかもしれない……明日の夜まで待ってこなければ、彼との関係を清算して、娼婦として生きる事を決めよう。
そして、翌日も閣下が来る事はなかった。
しかし、その代わりにやってきたのは、ヘレーネと名乗るとても美しいご令嬢だった。
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