美しさはバラの中

葵桜

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美しさはバラの中

美しさは

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僕はその日たくさん遊びました。







そして毎日いつもの様にバラの草原に行きローザとお菓子を食べたり遊んだりしました。


僕はある日風邪をひいて、熱が出ました。

僕はローザとバラが気になり行こうと思いましたが、お母様に風邪を治したら遊びに行っても良いと注意をされて、外に遊びに行けませんでした。




風邪をひき2日目、僕の風邪はやっと治りました。

だから急いでバラの草原に走っていきました。


するとそこには今まで見たことのないような悲しい光景が広がっていました。

バラの色は茶色くなり、折れていたり地面に落ちていたり、綺麗だったあの時の景色が見つけられないほどぐじゃぐじゃになっていました。


僕はバラの草原を走りました。
ローザを探すためずっと走りました。


「ローザ!」

僕はローザをやっと見つけました。
いつもの綺麗で美しいローザでした。
ローザはバラの草原の真ん中にあるいつも二人で使っている椅子に座っていました。

でもいつもと違うところが一つだけありました。

僕は泣きながら微笑んでローザを抱きしめました。

「ローザ。透けてるよ...。」

僕がそう言うと、ローザいつもどおり笑顔で答えてくれました。

 
「ノア、大丈夫だよ。

今日のお菓子は何?」

「今日のお菓子はね。
マドレーヌだよ。」

僕は泣いちゃだめだと思いました。

いつもどおり笑顔で答えて僕はお菓子をローザの手のひらに置きました。

お菓子を二人で食べて、手をつないでいつもの様にバラの草原を歩いたり走ったりして遊びました。


空の色がオレンジ色になってきました。
僕は帰らなきゃいけない時間になったのでローザを見ました。

今までのローザみたいに笑顔でした。
でも泣いていました。

ローザはだんだん透けてきました。

「ローザ...。」


「ノア。
私の事忘れないでね。

楽しかったよ。ありがとう。」


「忘れない。

僕も楽しかったよ。」


そう僕が笑顔で言うとローザも笑ってくれました。


その瞬間フワッと光がたくさん飛び笑顔のローザが消えてしまいました。









ローザは何だったのか僕は知っていたのかもしれません。しかし本当には今も僕には分かりません。


これは僕が子供の時の不思議なお話...。 
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