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入学式って長くて面倒くさいよなぁ

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「(あー。
まあそうだが、ケントはSクラスだ。
学力でオールS評価でも、魔法が落ちこぼれだとなぁー...。
体術は見せつけておけよ!!ケントが襲われたら耐えられん!)」


ニコラスは念話で話しているのも忘れて、耐えられないといったすごく悲しく心配する表情をする。

周りから見たらただただ百面相をする変人か、変態にしか見えないが、良くも悪くも眼の前にいるのが腐男子のセイヤだけだったためセイヤが異常なほどに萌て興奮して悶えていただけだったのだが。


「(分かってる。
セイヤもいるしいざとなったらニコラスとか先生とかに助けを求めるから大丈夫だよ。
ほら!権力であればユリウスさんに手伝ってもらうのもありだし?

そもそもチーター並みに能力あるけど、まだその能力を使いこなせてないってだけの神だから。
ちゃんとしっかり学校で学ぶよ。
何かあったら神のお父さんもいるしね。

どうにかなるさ。
俺が授業をサボらなきゃ。)」


サボる気満々なのか、呆れる内容であるが面倒くさがり屋なのには変わらなく、
ニコラスはケントのいい加減な発言に深くため息をつく。
仕方ないと諦めたのか普通に声で話しかける。


「さて、そろそろ転移するぞ。
俺の手を握れ。



握ったな。
行くぞ。」


ニコラスはパパっと簡潔に単語を並べるように言い、転移する合図を言葉で言う。
それと同時に三人の姿はステージの上から消えた。



だがその姿を見ていたのが一人いた。
それは...、リヒト・モンドであった。


「あ"ぁ"?
俺が待っててやったのにニコラスのやつ俺のクラスの生徒連れて転移したな!!

チッ、面倒くさい。仕方ねぇな、俺も転移するか...。」


リヒトはそこそこ大きな声で悪態をつく。
ボソッと最後つぶやくとその体育館は静まり返った。
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