悪役令嬢になってしまったので準備は万全にしましたが義弟が心配です！

1章

反省してます

リアンから急いで離れたあと、一目散で家に帰り。お父様の部屋に行き事情を話した。勿論銀行に預けたお金のことやリアンのことを言わずに、暗殺ギルドの人間に狙われたことだけを伝えた。
「これからは護衛なしでは絶対に街に行かないように」
「ごめんなさい」
「お父さんは心配で怒っているんだからな」
「はい。もう同じ誤りは起こしません」
お父様に真面目に怒られたのは初めてのことかもしれない。今にも泣きそうになりながら必死に私に今後のあり方について訴えかける言葉は胸に刺さるものがあった。
今後のお金のためとはいえ少し危険なことだったと猛烈に反省し身の安全について見直していこうと思う。
お父様の話し合いが終わったあとそれを聞いたお母様が泣きながらが抱きついてきて改めて自分の軽率な行動を後悔した。
その後国の警備に当たる騎士団がモンスルト家に来てに暗殺ギルドの人間の身柄を引き渡しと調査協力でその日の出来事を話していた。
「この国は他の国に比べ比較的平和である為、暗殺ギルドの人間も暗殺の依頼が少なく公爵令嬢を人質にして大金を手にしようとしたと言っていました」騎士団の隊長が私に申し訳なさそうに説明してくれた。
確かに暗殺ギルドにしては大して強くないとは思っていたけどその理由が平和すぎてほとんど依頼がなく弱体化していたなん知るわけもなかった。
その後のしっかりした調査で暗殺ギルドのアジトやギルドの建物が見つかり関与していた人間は捕まったいう報告が上がっていた。リアンは多分正式にギルドの人間でなかったのかその報告書には彼らしき人間の特徴の人物と名前は書いてない。



いろいろ濃厚すぎる1日でごはんも家族とは同じ時間に食べれなかった。その為学校に行く馬車の中でグレイエからも何度か小言を言われたが今回は私が100%悪いので素直に受け入れ謝る。
「なんかやけに素直すぎて気持ち悪いな」
「今回は私が悪いと思ってるからですわ」

「まぁ無事でよかったけどそろそろ専属の護衛でもつける時期なんじゃないか？」
「専属っていったらグレイエだって必要でしょ」
「そうだけど」
歯切れが悪い返事で車内から窓の景色を見てこちらから視線を外す。
この国では専属の護衛は公爵家の令嬢、令息くらいになると必ずつける習わしがある。腕が立つ魔導士や騎士が護衛することが多い為莫大なお金が掛かる為遠慮しているのだろう。私とグレイエはこのまま進学するのでそれまでには必ず護衛をつけなくてはならない。同じ学院に進学するのでこの際護衛は私とグレイエを両方守ってくれるような優秀な人材にお願いする必要がある。お父様の知り合いの魔導士にお願いするかモンスルト家の騎士の中から選ぶか。どちらにしてもお金が必要ね。
「とりあえず節約するわ」
「何を節約するんだよ？」
「私のドレスや宝石今発注しているものは全部手を付けずそのまま売却すれば損失も少ないはず」
「？」
グレイエがポカンと口を開いて理解できなさそうにこっちを見る。
「大丈夫店側にも迷惑をかけないようにするから」
「いやおまえはいいのか？」
「服やドレスは何着も持っているしご褒美にすることはないから。自分のことだし」そう現在発注しているのは再来月にある大きな国のパーティーでの殿下のパートナーを賭けたテストのご褒美で両親から貰う予定のものだ。今ならまだキャンセルできるし手をつけてないものなら売れる。
そのパーティーは5年に一度の平和交流であり平和の式典。他国の貴族との交流がある為どのイベントよりも注目が集まる。そんな大きな催し物で殿下のパートナーになるのは婚約者の候補の三人の内で一人だ。
今の王妃もその前の王妃もそのパーティーでその当時の殿下のパートナーになったことで他の婚約者候補の中より優位にたった。つまりここでパートナーになった人が未来の王妃になるという言い伝えのようなものがある。

「俺の護衛は特別につけなくてもいいから」
「ダメよ！ちゃんと私とグレイエの二人をきちんと守ってくれる優秀な人にお願いしなくちゃ！」
「同じ人にお願いするのか？」
「えっだって学院は同じだし行事も全部一緒に出るでしょ？」
「おまえ次第」とグレイエは気まずそうに何もない馬車の天井を見た
「なによそれ！？」
私次第とは何か、グレイエに詳しく聞きたかったのに、学校に着いてしまった。

その日の学校では一昨日の出来事もあって私には注目が集まるの感じた。シアス様がきちんと説明してくださったおかげで私はむしろ属性魔法は使えないが他の生徒を守る為に身を張って助けたとこれまでとは違う目を向けられた。手芸部の何人かにはお礼を直接言ってくれた。私は一昨日からずっと危険な目にあってばかりでゲームの本編がはじまるまで無事でいられるのか不安だ。
とりあえず推しのシアス様が尊い。おぎゃりたいよ。