神を越えたその先へ

blaster

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3章 学園生活

学園迷宮1

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こんばんは。

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 俺たちは今、学園の地下の、迷宮の入り口らしき場所にいる。

(なるほどな、迷宮の上に学園を建てちまえば何も言えないってことか。)

「では、今日からこの学園が有する迷宮を利用した実践訓練を始める!」

 そう言ってペイルは迷宮への扉を開けた。
中に入ると、薄暗いものの道もわかりやすく、暗めではあるがライトも点いていた。

「わぁ………」

 生徒たちは初めての迷宮のためか、少し興奮しているみたいだ。ペイルがそれを注意する。

「お前ら、ここは迷宮だ。俺がついているといえ、常に地形が変わるからマッピングもできないし何が起こるかわからない。もっと周りを警戒しろ。」

 そう言われて生徒たちは全員気を引き締める。試験でそれなりの成績を取ってこの学園に入学できたわけだから、そういうことに対しての対応は速い。すぐに気持ちを切り替えたようだ。

「と、早速魔物が来たようだぞ。舐めてかかるなよ?」

 いち早く魔物を感知したペイルが生徒たちの後方へ下がっていく。

「「「グルルルル………」」」

 出てきたのは3体の黒く巨大な狼だ。最初にエンカウントする魔物にしては少々凶悪な見た目だ。

「行くぞ!」

 クラスメイト達が陣のようなものを組んで攻撃しようとする。それも中等部の時に習ったものなのだろうか?

「グルァーーーッ!」

 字面にだけ見るとヤンキーの叫び声に聞こえなくもない音(実際は全然違う)を発して突進する狼。

「はぁっ!」

 前に出ていた大柄な使徒たち(後に聞いたが、これをA隊というらしい)が盾や大剣で弾く。バランスを崩したところを近接武器を持った生徒たち(B隊)が大振りの一撃を入れてすぐ離脱すると、そこにずっと攻撃魔法を詠唱していた生徒たち(C隊)が魔法を放ってとどめを刺した。狼が攻撃を仕掛けてからここまでで20秒弱、基準はわからないが、そこそこ早いと思う。特にA隊からB隊への切り替わりが速かった。
 って待てよ?もしかして………………

 少し気になったことができて、無事に3体の狼を倒し初勝利を喜び合ってる生徒たちの一人に声をかけた。

「なあ、もしかしてお前らって中g……じゃない、中等部同じだったのか?」
「何言ってるんだよ。全員ここの学園の付属中等部に決まってるじゃないか。いきなり外部からここに入学するのは滅茶苦茶ムズイんだぞ?だからお前の不正入学が疑われたんじゃないか。ま、あんな強さ見せられた後だからここのクラスの奴は誰も疑ってないけどな!
 そうだ、言い忘れたけどさ………………」

 そこで彼は少し躊躇ってから、

「その、ごめんな?最初からお前のこと何も知らないのに疑ってかかって。」
「ああ、良いって良いって。気にしてない。だからお前も気にするな。」
「そう言ってくれると助かるよ。他の連中はプライドが高いから中々謝れないけど、許してやってくれないか?」

 彼がすごい申し訳なさそうに頼んできたから、俺は笑って

「だから気にしてないって。それよりもっと仲良くしようぜ。入学してから2日目なのにまだアクアとティアとお前としか話してないんだ。」
「もちろん、俺の名前はライ。気軽に呼び捨てで呼んでくれ。」
「ああ。よろしくな、ライ。俺はレンだ。こっちの蒼い髪の方がアクア。金髪の方がティアだ。」
「よろしくな、レン、アクアさん、ティアさん。」
「私のことも呼び捨てで良いよー!よろしくね、ライ!」
「私も呼び捨てで結構です。ですがこちらからはご容赦ください、ライさん。」
「わかった。よろしくな、アクア、ティア。」
「うん!」
「はい。」

 俺たちはライと握手をした。アクアもティアもどことなく嬉しそうだ。
 考えてみれば、アクアは町の人からは人気があったが、それは貴族としてだし、常に敬意の対象とされてるように見えた。ティアも、【下剋上】のせいで周りからの態度は良くなかっただろうから同年代で仲が良いエルフは少なかったはずだ。
 やっぱり自分と対等に話してくれるいわゆる男友達が殆どいなかったから新鮮なんだろうな。

 等と思っていると、

「あ、ライ、ずるいわよ!あなただけ!」
「そうだ、何自分だけ先に謝って仲良くなろうとしてんだよ!」

 クラスメイトが駆け寄ってくる。すると、

「レンさん、」

「「「「ごめん!」」」」

 謝られた、全員に。ライは苦笑いしている。本当はわかってたのだろうか。

「一方的に不正扱いして悪かった。謝るのが遅れたけどこれだけは必要なことだと思って。」
「これから仲良くしてください。」

 みんな真剣に謝っているのが伝わってきた。罰ゲーム等ではないことも。

「わかった。ライにも言ったが俺は最初から気にしてない。というか俺も積極的に誤解を解こうとしなかったからな。俺は途中入学だからいろいろわからないこともあるが、仲良くしてくれ。アクアとティアともな。」

 俺が言った途端、

「アクアちゃんアクアちゃん!どこから来たの!?」
「この髪の毛さらさら~!なんで!?」
「ティアちゃんすごい良い体型してるね!日頃からケアとかしてるの!?ボディソープ何使ってるの!?」

 と、アクアとティアの周りに女子が殺到した。男子も入りたそうにしていが、10人を超える数の女子を前に棒立ちしている。

「帝国の下の方の貴族だよ。髪の毛は魔法で管理してるよ。」

 アクアは冷静に対応しているが、ティアは………

「あ、えっと……………」

 しどろもどろになっていた。
 ティアと目があった。ティアの縋るような視線を俺は、

「まあ、頑張れよ。」

 と、小声で言った。

 聞こえていたのか、ほんの少しだけ絶望したような顔をするティア。

 いやぁ、俺にはあそこに入っていく勇気は無いな。

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 PCでtwitterやったり小説書いたりしてたらタイピング速度がすごく速くなった作者です。
蓮の活躍の場はもう少し後なんです。暫しお待ちを。



 感想来ないな…………
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