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第一章:出会い編
キャバクラ
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「離してください! 俺を何処に連れて行く気ですか!?」
「行けば分かる、大人しくしていろ」
熊の獣人で獣人の王国ズーランドの大臣の息子バートラム・ベアード様に連れ込まれたのは、薄暗いのだが、何処か淫靡な雰囲気の漂う店だった。その店は俺が迷い込んでいた小道を奥に進んだ場所にあり、彼等を出迎えた店員はバートラム様に担ぎ上げられている俺に微かに不審な表情は見せたのだが、特に何も言わずに俺から瞳を逸らした。
俺は店員に助けを求めようと口を開きかけたのだが、すぐ背後から付いてくるライオンの獣人ライオネスさんが厳しい顔で睨み牙を剥くので、喰われてはたまらないと口を閉ざす。
個室の部屋に着くと俺は椅子というには少し広めのソファーの上に降ろされたのだけど、逃げようにも扉の前にはライオネスさんが陣取っていて出て行けるような雰囲気ではない。俺は逆壁の端っこに逃げ込むように張り付いた。
しばらくするとわらわらと小綺麗で煌びやかな衣装を纏った女性(?)達が部屋の中へと入ってくる。いや、でも待て、この世界には女の人はいないはず……とすると、ここに居るの全員男? 皆付いてんの? 嘘だろ? そう思う程度に綺麗な美女に囲まれて俺はどうしていいか分からず狼狽える。
中には如何にも男って感じの奴もいるんだけど、立派な雄っぱいとイチモツを強調するような卑猥な服装は本気で目のやり場に困る。
「あら~可愛いお客様、こんな場所に子供を連れて来ちゃダメですよぅ。それともお客様はそういうご趣味の方ですか?」
「いや、俺は子供に興味はない。行きがかり上連れて来ただけだ、気にするな」
「あら、でも……」
女性と見紛うその人がちらりとこちらを見やって困ったような表情を見せた。ここはアレだな、いわゆる風俗、キャバクラとかそういう感じか?
「これでも一応結婚はできる年齢らしいぞ、なぁ?」
同意を求めるようにバートラム様が俺の顔を覗き込むのだけど、この世界の結婚可能年齢って幾つだよ?一応俺は18歳になったばかりではあるが、そういえばそんなの聞いてない。
「えっと……まぁ、そうですね!」
「お酒も飲める? ジュースの方がいいかしら?」
「いやもう、全然大丈夫です!」
実際の所は幼い時分、父親にビールを舐めさせられた程度にしか飲んだ事はないのだが、色々とバレると困る俺は嘘に嘘を塗り固めていく。
「もしかして意外と飲める口か? 何でもいい、気持ち良く酔えるのを持ってきてくれ」
バートラム様の言葉に快く頷いた女性(?)は背後に控える店員に声をかける。しばらくして運ばれてきたのは綺麗な虹色の飲み物で、一口口にするととても甘く、これなら飲めると俺は一気にそれを煽った。
「あらあら、それはそういう飲み方をするものじゃないわ」
「え……?」
声をかけられた時には既に後の祭り、かっと顔に熱が集まる。身体が熱い。
「おいおい、大丈夫か? 顔が真っ赤だぞ?」
「へぃきですぅ、これくりゃいどうってこと……」
あれ? おかしいな……口が上手く回らない。少し視界もぐるぐるするような……そんな回る視界の端でライオネスさんがお姉さんに何か耳打ちをしているのが見て取れたのだが、ふわふわしている俺の集中力などほぼ皆無で、気持ち良くなってしまった俺はけらけらと笑いだした。
「行けば分かる、大人しくしていろ」
熊の獣人で獣人の王国ズーランドの大臣の息子バートラム・ベアード様に連れ込まれたのは、薄暗いのだが、何処か淫靡な雰囲気の漂う店だった。その店は俺が迷い込んでいた小道を奥に進んだ場所にあり、彼等を出迎えた店員はバートラム様に担ぎ上げられている俺に微かに不審な表情は見せたのだが、特に何も言わずに俺から瞳を逸らした。
俺は店員に助けを求めようと口を開きかけたのだが、すぐ背後から付いてくるライオンの獣人ライオネスさんが厳しい顔で睨み牙を剥くので、喰われてはたまらないと口を閉ざす。
個室の部屋に着くと俺は椅子というには少し広めのソファーの上に降ろされたのだけど、逃げようにも扉の前にはライオネスさんが陣取っていて出て行けるような雰囲気ではない。俺は逆壁の端っこに逃げ込むように張り付いた。
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中には如何にも男って感じの奴もいるんだけど、立派な雄っぱいとイチモツを強調するような卑猥な服装は本気で目のやり場に困る。
「あら~可愛いお客様、こんな場所に子供を連れて来ちゃダメですよぅ。それともお客様はそういうご趣味の方ですか?」
「いや、俺は子供に興味はない。行きがかり上連れて来ただけだ、気にするな」
「あら、でも……」
女性と見紛うその人がちらりとこちらを見やって困ったような表情を見せた。ここはアレだな、いわゆる風俗、キャバクラとかそういう感じか?
「これでも一応結婚はできる年齢らしいぞ、なぁ?」
同意を求めるようにバートラム様が俺の顔を覗き込むのだけど、この世界の結婚可能年齢って幾つだよ?一応俺は18歳になったばかりではあるが、そういえばそんなの聞いてない。
「えっと……まぁ、そうですね!」
「お酒も飲める? ジュースの方がいいかしら?」
「いやもう、全然大丈夫です!」
実際の所は幼い時分、父親にビールを舐めさせられた程度にしか飲んだ事はないのだが、色々とバレると困る俺は嘘に嘘を塗り固めていく。
「もしかして意外と飲める口か? 何でもいい、気持ち良く酔えるのを持ってきてくれ」
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「あらあら、それはそういう飲み方をするものじゃないわ」
「え……?」
声をかけられた時には既に後の祭り、かっと顔に熱が集まる。身体が熱い。
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「へぃきですぅ、これくりゃいどうってこと……」
あれ? おかしいな……口が上手く回らない。少し視界もぐるぐるするような……そんな回る視界の端でライオネスさんがお姉さんに何か耳打ちをしているのが見て取れたのだが、ふわふわしている俺の集中力などほぼ皆無で、気持ち良くなってしまった俺はけらけらと笑いだした。
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